◆ファンデーションとしてのM I MA
「MIMAMORUプラクティスは、保育の分野や方法論ではなく、全てを支える基盤(ファンデーション)となるものです」。
マイ・ファースト・スクール(MFS)のジェネラルマネージャー(GM)のアイ・リーンさんが、なぜ藤森先生の保育から学ぶ必要があると考えたのかを説明します。
「2017年4月に幹部を連れて北京と東京を視察しました。印象的だったのは、新宿せいがの子どもたちが幸せそうでした。・・このMIMAMORUプラクティスは世界を変えることなので、決して高い投資だとは思いません。私の側近たち、4人のエリアディレクターと16人のクラスターマネージャーは、これが子どもにとって必要なことであると自然と理解できました。・・2019年はこうして実践して学びを深めています」
◆「MIMAMORUアプローチ」誕生
7月18日からのシンガポール視察研修も24日、最後の日を迎えました。この日はMFSのオフィスで、終日ミーティングです。この視察研修には日本から22名が参加していますが、過去2年間の振り返りと今後の展望に繋がる会合になりました。
このブログを読んでいる全ての方に伝えたいことは、冒頭のアイ・リーンGMの言葉に尽きます。世界には、様々な保育方法があります。MFSもモンテッソーリ教育やレッジョ・エミリアなども吸収しています。ただそれらのフェーズというかレイヤーとは異なり、もっと根本的な根幹となるものだということです。
GMは教育学の修士資格を持ちシンガポールの教育省に勤めてしましたから、この保育の意味深さがすぐに分かったそうです。
そのことが理解できると、メソッド(方法)という言葉では言い表わせないと考えるようになってきます。彼女たちがMIMAMORUの実践のことを「MIMAMORUアプローチ」というのが、わかるような気がします。
ちなみに、ピーステーブルの実践で私が感じた違和感の理由がよくわかりました。アイ・リーンさんも、子ども同士の関係のなかで育つ可能性の大切さを、本当によく理解されていました。現在の子どもたちの状況から出てきた課題を解決するために、ピーステーブルと感情のクールダウンを組み合わせたのでしょう。私の認識も変わりました。
◆2019年は90人を日本に派遣研修
GMは2017年4月に藤森先生に会ったときに受けた印象、インスパイアされた内容、そしてその後のスピーディな導入の経緯を説明しました。2017年の8月には早速導入を決めて、自らが143人の全ての園長に説明しています。そして全施設の中から21人の施設長がパイロットスクールになることに手を挙げています。昨年2018年は団体全体に広げています。そして今年2019年は実践しながら、さらに深める年にしてします。年間90人分の日本派遣研修の予算を組んでいます。すでに今年4月には26人が来日しましたが、そのなかには設計士2人や用務員も含まれていました。8月にも第2グループが来日します。「MIMA」が「基盤」であるからこそ、保育者だけではない専門チームが必要なアプローチなのですね。
◆今回の視察研修で学んだこと
私たちがやってきた保育実践のどこにどんな意義を見出し、それをどう理解しているかがよくわかりました。また、どのように広めようとしているかもわかりました。大きな組織のなので、一つの園のマネジメントとは違いますが、「違うけど同じ」の視点でみると、一人も組織も、基本には「学びのプロセス」というものがあり、それは子育ても同じ事がいえますが、それぞれが心から納得しないと、他人に説明できません。まずは一人ひとりが本気で「わかる」とこが必要です。