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2024年 8月

「味の探究」が始まりました〜とうきょうすくわく〜

2024/08/30

8月30日(金)から、にこにこ組(2歳児クラス)で味の探究が始まりました。これは「東京すくわくプログラム」の一環としてやるものです。以下は東京都に提出する事業計画を作成するときに検討した内容になります。

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乳幼児が「おいしさ(味)」を「探究する」ということの意味

1.はじめに

人は子どもも大人も食べ物を「おいしい」と感じている。確かに、その味覚の機能は身体に備わっている。しかし、いろんな食材があって、いろんな調理法があって、料理されたものを食べるときに、乳幼児の食の営みの中に、「おいしさを味わう」という体験が希薄かもしれない。なぜなら、例えば、カロリーや栄養のバランスには気を使ったり、完食するということを目指したり、なんでも食べられるようになることを目指したり、マナーよく食べたりすることは多いかもしれないが、果たして味の違いに気づいたり、おいしさというものを追求するような食の営みが大切にされているだろうか?

2.味に気づくことは発達するのか?

味覚は視力などの他の感覚機能と同じように、小さいうちに、年齢的な経過に伴って、微妙な味の違いに気づいていくようになるだろう。だとするなら、空腹を満たすための食事ではなくて、小さいうちから食べ物をじっくりと味わうという体験を積み重ねることで、「味わう」ということも発達していくのではないか。そんな仮説を立てみるのは見当はずれだろうか?

3.「おいしい」と意欲的に食べようとする事実はある

子供たちの様子を見ていると、確かにおいしいと意欲的に食べようとする姿、そういう事実はある、

・それなら「おいしい」と意欲的に食べようとする姿が増えるような活動を工夫する。具体的には、食材の段階からそのもの注意を向かせて、料理のプロセスもじっくりと見せて、食べ物への関心を高めながら、何をいま口にして食べているのかという意識をそれに集中させることで、味覚体験の密度が高まるようなことを積み重ねる。

・色々な野菜を「おいしい!」と感じて意欲的に食べる体験=事実を積み重ねることで、その子どもにとって何が「おいしい」ということかが、感覚的に洗練されていくだろう。その姿をどのように捉えていくか。

4.「おいしさ」の体験が積み重なる要素を抽出する。おいしいと感じるための要素には、以下のようなものが考えらる。

・食材そのもののおいしさ(低農薬のおいしい野菜を選ぶ)

・調理法の違い(素材のおいしさを引き出す調理ができるプロのシェフが調理する)

・味わうことに注意を向けた喫食行動(今回のプロジェクトで大切にしている当日の活動の流れ)

・関連する他の体験(料理や野菜に関連する活動や、同じ食材の販売を通じて、家庭での食事と連携を図るなど)

5.子どもの姿の変化を、色々な側面から眺めていく

・その時の体験の熱中度と積み重ねから見られる姿の変化を、数ヶ月、数年の単位で追いかけてみる。

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30日には3種類のなすを、じっくりと観察したり、会話をしたりしながら、注意を向けるような問いかけをして、食べてみました。どんな味がするだろうと、まさに味覚を探究しようとする姿勢が見えました。

観察した様子は、詳しくまたお知らせします。

野菜販売始めます!8月30日スタート〜とうきょうすくわく〜

2024/08/20

Naoraviチラシ 千代田せいが保育園

保育園の食育の目的は、以下の5つがあるのですが(書類「保育園の食事2024年」をご覧ください)、その2つ目の「食べたいもの、好きなものが増える子ども」のために、今月から美味しい野菜の味を探究する活動を始めます。その一環として、野菜の試食と販売を8月30日から始めます。

安全安心な給食づくりは、開園1年目からのテーマだったのですが、この間、味噌や醤油などの調理料は天然栽培のものに切り替えたりしてきたのですが、今後、野菜も少しずつ変えていく予定です。そのために旬の野菜を選りすぐりの産地から手に入れます。

子どもたちや親御さんにも、その野菜のおいしさを体験してもらいたいので、フランス料理のシェフである江口そらさんが開発した食育体験プログラムを取り入れて、野菜のおいしさと簡単な調理法を体験しながら試食するという「味覚探究活動」を始めることにしました。

今年度は月1回、毎週第二水曜日に行います。そのプレ開催として8月30日(金)に、群馬産の「ナス」を使った食育活動と、夕方の試食&販売(長野県上伊那産のとうもろこしもセット)をしますので、ぜひ試食してよかったらご購入ください。どんな調理法がいいかもライブでお伝えします。購入はその場でPayPayで。(早めに使えるように準備をお願いします)

<味の探究の日>はこんな流れになります

毎月第二火曜日(場所は全て2Fのダイニングで)

10:00〜11:00  「にこにこ組」で味の探究活動*東京すくわくプログラム

11:45〜12:30 ライブクッキング(昼食として副菜を調理)

16:00〜17:00   「わらす組」で味の探究活動

17:00〜18:00 野菜の試食と販売

<食育の5つの目標>

(1)お腹のすくリズムのもてる子ども

(2)食べたいもの、好きなものが増える子ども

(3)一緒に食べたい人がいる子ども

(4)食事づくり、準備にかかわる子ども

(5)食べものを話題にする子ども

こどもの情熱は生の軌道のズレ?

2024/08/09

遊びの情熱は「純粋持続」を生きようとする姿の表れなのだろうか? 私は勘違いしていたようだ。心揺さぶられるような経験をもう一度味わいたいと言う欲求が、表象になっているというより、世界よりも不完全でしかない表象の欠損部分をなんとかしようとして遊び出すようにも見えてきます。

思えば言葉もつねに言い尽くせぬものを抱え、同様に外界から受け取るイメージもまた部分でしかありません。世界を丸ごと認識することなどできないのに似て、子どもたちの再現欲求の強さは生の軌道からのブレの修正であり、否応なく現れてくる生きようとする力が、どうやってもはみ出してしまいながら、行動しようとしていることが遊びの姿の一部なのでしょう。

持って生まれてきたものと、短い間に経験したことの記憶を今に総動員しながら、あくなき一歩を前に進めようとしていること。確かに謎です。私たちの「生」が謎であるように。そのことを露わにしていながら気づかれないでいるかもしれない子どもたちです。

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