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園長の日記

成長のしるしとしての夢中度

2020/02/17

 

春の訪れを知らせる梅の開花。八王子市の姉妹園の園庭に白梅が綺麗に咲いていました。小川にはヤマアカガエルが生んだ卵の寒天のような塊が漂い、すでにおたまじゃくしが泳いでいました。すでに春が来ています。このような分かりやすさと同じように、わいらん(3歳4歳)クラスの子どもたちの姿に、くっきりとした成長の印を今日17日、来客者と一緒に確認しました。

それは見学者が来ても、誰も寄って行かったことです。「見学者が多いんですか?」とおっしゃるので、「いいえ。見学者は少ないですよ」と答えたのですが、この質問の意味は「寄って来ないのは珍しくないから、つまり、見学者慣れしているからだろう」。こんな考えからなのですが、私の説明に納得して「覚えておきましょう」と感心されていました。私の説明とはこうです。

「子どもたちは遊び込んでいると、見学者には気づかないんです。もし気づいたとしても、やっていることに夢中になっているから、見学者に関心が向かないんですよ。もし見学者にすぐに寄っていくような姿が多い時は、まだ情緒が安定していないか、没頭して遊び込んでいないのかもしれませんね」

こうした姿は、保育の質を測る「ものさし」の一つになっています。開発したのはベルギーのF・ラーバース女史で、日本でもSICSという略語で有名になりました。先日、いずみこども園で講演された秋田喜代美教授が日本版を開発しました。ごく簡単にその要点を説明すると、ラバースは保育の質を、子どもの情緒的な安心の度合い(安定度)、熱中度(夢中度)、大人の関与の3つの要素から捉えました。そしてSICSはそのうち、安定度と夢中度を保育者の観察によって自己評価するのです。

もし、ラバースさんが、その視点で今日のわいらんの子どもたちの様子を見ると、とても高い得点がついたと思います。今日の来客者は、実は千代田区の保健福祉オンブスパーソン事務局の方と相談員のお二人です。お二人は千代田区の保育園を全て見て回っていますが、子どもが誰もよって来ない経験は初めてだったそうです。それだけ遊び込んでいた時間だったとも言えますが、子どもたちが主体性を発揮した集団の雰囲気の良さを感じ取ってくださいました。

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