にこにこ組(2歳児クラス)の子どもたちが無性に可愛い。可愛いなんて、ベタな表現で申し訳ないが、その中身を言葉でどう伝えたらいいんだろう。それはもちろん私の心に映った可愛らしさであって、誰もがそう思うのではないかもしれないが、それでもあの可愛さにはきっと多くの人が「参った」と感じるんじゃないだろうか。
「何してんの」と私に聞くにこにこさん。私は今日4日の午前中、雛壇を仕舞っていた。雛人形の一人ひとりに、柔らかい和紙で顔をそっと包み、撚って「こより」にしたティッシュを紐がわりに結ぶ。顔の隠れたお人形が、屋上に続く階段に並んでいる。ちょうどその時に何人かが寄ってきた。にこにこさんたちが、4月からの生活に慣れるために、一足早く3階で遊んでいたが、ひとしきり遊び終えて、そろそろお昼ご飯の時間だから2階に降りようかという時だった。
お雛様を仕舞うということをどう伝えたらいいんだろう。思い浮かんだ言葉は「おかたづけ、してるんだよ」だった。このオカタヅケなら、にこにこさんも知っているだろう。でも、子どもたちは紙で隠れた顔が気になるようだ。だからこその「何してんの」と、Sくんは興味津々。「お雛様とお別れなんだ。バイバイ〜って。また来年まで、元気でねえ、って。箱にしまうんだけど、お顔は大事でしょ。おでこ、ごっちんてしたら痛いでしょ。お人形さんも同じ。ごっちんしたら痛いから、こうやって顔に紙を巻いて守ってあげているんだ」のように説明した。
この牛さんはどうなる?あれはなあに? 嫁入り道具の品々を説明していると、ままごとのおもちゃのようにも見えてきて、お茶点てのセットを詳しく説明してあげた。中でも楽しかったのは、菱餅があれが食べられるお餅なんだとわかってもらうために、もぐもぐと食べるふりをしたら、5人ぐらいになっていたにこにこさんが全員食べたそうにしていたので、一人ずつに「はいどうぞ」としてあげたら、全員「もぐもぐ」と美味しそうだった。
見立ての世界にす〜っと入っていって、しかもそれがものすごく自然に幸せそうな表情で嬉しい笑顔を見せてくれる。こんな子どもらしさは、2歳児の特徴だと思う。もう少し小さいと、まだよくわからない。もう少し大きくなると知が立ってくる。この素朴なあどけなさがたまらない。そう感じたお雛様バイバ〜イのひと時でした。