政府は新型コロナウイルス対策で現状を「感染爆発にならない前段階であり、なんとか持ちこたえている」という趣旨の認識を示しました。今日10日の尾身副座長の説明では、感染爆発は第5次感染に至ることのようなので、現状はその一歩手前の第4次感染の状態だそうです。この状態は、感染経路が辿れる第3次感染から、もはや多くの感染がどこから感染したのか、その経路がわからない患者が多くなっていることを示します。まさしく瀬戸際ということです。そこで政府は「イベント自粛はあと10日の延長を」と求めました。では、いつになったら収束するのでしょうか。
◆8割はインフルエンザよりも軽い症状
注目したいのは、複数の感染症の専門家が、新型コロナウイルスの脅威について「高齢者と基礎疾患(糖尿病・肺炎など)のある方にとっては重症化に注意」としながらも「それ以外の8割は普通の風邪のように回復しているので、その点では季節性インフルエンザと変わらない」という見解が出始めています。この2面性が新型コロナウイルス対策を拗らせている原因になっていそうです。
ところで、季節性インフルエンザでは、数ヶ月にわたって感染が続き、第5〜10次以上の感染爆発を毎年起こしてきました。報道によると、昨年は3000人、他の病気との関連死を含むと1万人以上が亡くなっているといいます。ずっと前から、季節性インフルエンザの対策にもっと力を入れて欲しいという意見は強くあったので、今回の対策によって、今年はその数字は格段に改善されるでしょう。
◆毎日の感染者発生数が減っていく局面に早く
インフルエンザのように、新型コロナの治療薬やワクチンが開発されれば、重症化を防ぐことに特化した対策に移行して、国民が冷静に受け止めていくプロセスに入っていくことができます。そのためには毎日の発症数が2週間ぐらい続いて減少していく必要があるでしょう。クラスター感染の発生箇所も減る必要があります。また政府は、経済の停滞をどうしても回避しなければなりませんし「非常事態宣言」は実施したくありません(宣言すれば、オリンピック開催の中止ないし延期、見直しは必至となりますから、いつでも出せる法案は成立させておいても、決して宣言しないと思います)。
そこで3月19日までに数値が降下傾向を示すとは思えないので、次回の見通し判断では「収束を確実にするために3月末まではもうしばらくの辛抱を」とか「もうすぐ簡易検査キットが開発されます」といった趣旨の「強いお願い」がなされることになるのではないでしょうか。