本日7日(火)夕方の小池都知事の記者会見によると、緊急に事業を停止要請する業種を9日(木)までに決めて10日(金)に告知し、その上で11日(土)から実際の自粛を実施するそうです。
この会見は、政府が本日夕刻に正式に7都府県を緊急事態だと宣言したことを受けたものです。千代田区からは本日午後4時過ぎに次のような連絡がきました。
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が19時に出される予定となっています。緊急事態宣言を受け東京都知事から施設の開園について何かしらの発表があると思われます。区では、国及び都の発表に基づきどのような対応にすべきか現在検討中ですが、正式な発表は緊急事態宣言後となります。」
というわけで、保育園がどうなるのかは、9日まで不明です。不明であっても、次の幅のどこかに落ち着きます。その一端は「一斉閉園」(A)です。閉園を基本にしながら、保育が必要な家庭のために拠点となる園だけで「特別保育」を受けるという方法です。休日保育、年末年始保育のようなイメージです。渋谷区はホームページよると、この方法を選択しました。
もう一つの端は、現在とあまり変わらないというもの(B)です。しかし、流石にこれでは「緊急事態」対応とは言えません。政府は専門家会議の分析データを根拠に「人と人の接触を今より8割減らすと感染者は減少する」という自粛の目標像を示しました。これをそのまま保育園に当てはめることはできないにしても、イメージとしては園児数を2割から5割程度に絞ること(C)を目指すことになるでしょう。
そうすると、9日の結論は、AからBの間に落ち着くはずです。現実的なのはCですが、問題は2割を目指すのか5割なのか、です。保育を必要とする条件を「保育要件」と言います。千代田区の保護者の保育要件に、どんな特徴があるのか、よくわかりませんが、立法、行政、司法の三権を擁する千代田区に住む区民が、その当の千代田区に何を求めるのか、その見識が問われる場面が近づいてきたとも言えます。
私は、限りなくAに近づくべきだと考えます。その決め手は、こんな時こそ事業所が休業を選択できるかどうかです。政府の補償はそこを後押ししてほしい。ここで「子どもの最善の利益」を守ろうとする企業を、区民は賞揚してほしいと願います。確かに雇用を守ることも大事です。
しかし、その一方で感染者の低年齢化が見られ始めた中で、クラスターが発生しやすい保育園の環境をこのままにしておいていいとは思えないからです。中国・武漢市で乳幼児の感染がかなりあったというレポートに接すると、やはり不安はぬぐえません。このまま、ヒヤヒヤしながらの綱渡り保育を続けるのは、保育者の精神的な健康を守るためにも、避けたい。
今日は私が知る他の法人の園長からも「保育園はどうなるんだ?」と、不安を募らせていました。保護者の方にも「閉園になってもらった方が、仕事を休みやすい」という方もいらっしゃいました。千代田区も判断に悩んでいるようです。その基準は先ほどの「2つの現実」のどちらを優先するのかということなのですが、もちろん、一概には言えませんが、それは私たちの「生きる上での価値観」が問われている気がします。自分で考えて判断すること。自分の精神的自由を守ろうとすること。日本人が一番苦手なメンタルなのでしょうか。自分で考えましょう、そして自分で考えて選んだ結果に責任を持ちませんか。