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園長の日記

子どもにあまり感染しないわけ

2020/06/13

ずっと疑問に思っていたことが、科学者の協働作業で分かり始めました。なぜ子どもは新型コロナウイルスにかからないのかというメカニズムです。有力な仮説が見つかりました。それは小児の細胞には新型コロナウイルスの受容体が少ないからではないかという、至ってシンプルな発見です。東京大学医科学研究所(アジア感染症研究拠点)の論文から、その図を借りて説明すると、新型コロナウイルスが人の細胞に侵入して初めて感染が成立しますが、侵入するためには、新型コロナウイルスの外側に飛び出ているスパイクタンパク質(Sタンパク質)が、人の細胞の側にある受容体と結合する必要があります。その受容体はアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)というエンザイム(酵素)なのですが、それが小児には少ないそうです。

 

長崎大学医学部小児科教授で日本小児科学会理事の森内浩幸医師は、「子どもは大人に比べ、ACE2の発現が少ないことがわかっています。つまり、そもそもの受容体が少ないため、ウイルスがあまり増殖しないのではないかと考えられるのです」(今週号の週刊文春「知っておくべきコロナ最新常識」)で述べています。子どもと言うのは、何歳ぐらいまでなのでしょう。国内の二十歳未満に死亡例はなく、重症化した例も少ない。森内医師は、子どもにとって新型コロナは風邪と同程度の健康上の問題だと言う。このメカニズムが本当なら、子どもを持つ保護者にとっても朗報なのだが、はっきりとした医学的な見解が欲しいところです。

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