3月末に倣うなら、東京都はオーハーシュート(感染爆発)の重大局面というアナウンスを、感染者が50人を超えた時点で出してもよかったのかもしれません。感染者が224人になった昨日8日の東京都は、経路不明者が104名もいることに、高齢者や医療逼迫への波及しないかと、どうしても危機感を覚えます。国も都も「経済拡大局面」の方針を修正しないならしないでいいので、検査数を増やして感染源を断つ「市中感染対策」をもっと大胆に踏み込まないと間に合わないのではないでしょうか。あの西浦さんはこれをどう見ているのでしょうか。3月末はすでにリモートワークや時差出勤などが始まって接触率が下がり始めていたので、4月1日ごろが感染のピーク(旧専門家会議)でしたか。このようなことが奇跡的に同じことが起きるとしたら、都民の行動変容によって感染ピークを早めることができるのかもしれません。しかし、今の昔のままの満員電車や駅の人混みを見る限り、「本当にこれでも防いでいることになっているのかな」と、やっぱり心配です。もし、この「接触率」のままで世の中が推移してもピークアウトできるのなら、万々歳なのですが、そんなニュースを聞いたことがありません。アジアの国のどこかであるのでしょうか。悪い方を想像すると経路不明者がすでに「実効再生産数1以上」で移している可能性の方が高いので、この指数関数曲線を見る限り、最低でも400人ぐらいまでは行くのでしょう。どうしてもすでにピークアウトしているとは思えないからです。これから最低2週間は増え続けるでしょう。人と人の接触率を下げないで、つまりマクロ政策を取らずに、マスクと手洗い消毒だけで、経済を回しながらも「数字では見えないピークアウトの日」が今日や明日であることを祈るしかありません。何度も何度も繰り返しますが、検査数を増やして感染源を見つけるフォワード検査(未来を向いた検査)しか、医学的な「予防」はできません。日本独特のクラスター追跡検査(後ろを向いた検査)しかしないのなら、健康診断(がん検診など)に意味がないことになります。主幹課である厚労省の感染症対策課ができる範囲での対策しか打たない(打てない)のなら、ベッド数は「治療」の話であり、「予防」を考えるなら、ワクチンがない以上、検査しかありません。医療的な「予防」を大胆に拡大させないで、経済的な意味で「感染源」を隔離させたいのなら、検査以外にどうやってそこを「可視化」するのか、都民の具体的な行動をどう変えたらいいのかにつながる対策をとって欲しい。どうしても、今のままで「市中感染」がおさまると思えないからです。
正しく恐れる( 4)
2020/07/10