5月15〜16日に富山市で日本保育学会が開かれるのですが、今年はリモートによる開催になり、自主シンポジウムや口頭発表などを事前発表資料として見ることができます。この2年ほど私は参加していないのですが、それまでは毎年、保育実習のあり方についての話題提供で参加していました。保育園は保育士を養成する役割を担っており、実習はその養成課程の核とされています。学会が問題だと考えていることの一つに、実習で学生に「クラスをまとめる力」を求めてしまう保育現場の古い体質です。国も養成校も子ども主体の保育を推進したいのですが、なぜか実態は学生に保育者主体の一斉指導力を期待してしまうという矛盾です。責任実習というと一斉指導ができるかどうかになってしまう問題です。そうなってしまう背景には、3歳児20対1、45歳児30対1という保育士配置数の問題や、環境を通した保育の無理解などが続いていることもあるからです。学生に保育士資格を与えるのは養成校ですから、保育の実施主体である自治体と保育園側へもっと強く「子ども主体の保育」を実施するように要請するべきなのです。
日本保育学会で実習について議論へ
2021/05/04