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園長の日記

Zer〇の実験的レッスンの面白さ

2021/06/27

2人が手で持っている「物」は、いったい、どちらが持っている物なんだろう? 第三者が見ているだけでは、判然としないけど、やっている2人にとっては、はっきりとその差があるらしい・・・

こんな現代アーチストの練習風景を、リモートで公開しているライブを見せてもらいました。コンテンポラリーダンサーの青木尚哉さんが主催している「Zer〇」(ゼロ)の公開レッスンです。昨年10月の千代田せいが保育園の運動会を始め、継続的に子どもたちにダンスを教えてくださっている方です。こんな貴重な機会はないので、自宅で見せてもらいました。場所はご存知、近所付き合いをさせていただいている海老原商店です。

間に入っている「物」は棒だったり、ボールだったり、傘だったりしたのですが、このセッションのダンス提案は、青木さんの元で、ダンス教室の講師をなさっている木原萌花さん。2人で持っている「物」は、実は、「自分が持っている」「相手が持っている」「相手と持っている」という3つの違いがあるのですが、その動きを2人の表現として眺めていると、一体、どんな違いがあるのかよくわかりません。

でも、明らかに「持っている」人の、物への支配権というかイニシアティブが働いているので、それを動かそうとする側は、跳ね返ってくる感触が全く変わってきます。自分の物と思うか、相手の物と思うか、それとも2人の共同物と思うかで、自己の意識や配慮が変わってきます。相手への配慮とか、返ってくる反応とかが全く変わってくるようです。

こんな感覚を実験しながら、クリエイティブな身体との対話と表現を繰り返しているエクササイズがあることを垣間見せてもらい、正直、静かな感動を覚えています。インプロビゼーション(即興的な表現)が生まれてくるプロセスが公開されているような、ダンスの実験室あるいは孵化装置の空間のようです。このような丁寧な身体との付き合い方を、子どもが経験できたら素敵だろうなと思いました。大人が「表現」を意図的に表すとしたら、子どもの場合は、思わず動き出す遊びの中の身体性になるのでしょう。

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