働いている皆さんは、すでにご存知の方が多いと思いますが、ビジネス界では今の時代の特徴として「VUCA」(ブーカ)という言葉をよく聞きます。VUCAは、次の4つの単語の頭文字をとった造語です。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)
大手ビジネススクールのグロービスによると「VUCA」とは、一言で言うと「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味すると説明しています。「元々は1990年代後半に軍事用語として発生した言葉ですが、2010年代に入ると、昨今の変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指して、ビジネス界においても急速に使われるようになりました」となっています。
日本政府の審議会は、これからの教育の姿を検討していますが、その中には色々なカタカナや外来語が飛び交っていて、その一つがこの「VUCA」です。一昨日(8月30日)の千代田区就学前プログラム策定委員会でも、OECD(経済協力開発機構)が唱える教育目標「Education2030」で取り上げているキーワードの一つです。ビジネス界だけではなく、教育界でも「急速に使われるように」なってきたというわけでしょう。(と言うと、誤解されるかもしれません、OECDですから、やっぱり経済ですね)
確かに、毎日のニュースはまさしくブーカだらけです。どうやったらコロナ禍から脱せるのか?ワクチンは3回目を打つべきか?空気感染に濃厚接触という概念が通用するのか?アフガンの邦人500人は大丈夫か?私たち大人が右往左往しているのに、10年後はさらにブーカ状況が「悪化」するとしたら、一体、どんな力が必要だというのでしょうか。
ブーカ状況を乗り越えていくための力って、どんなものなんでしょう? どうやったら身につくのでしょうか? それを考え抜いた人たちが作ったものが、下の図です。
子どもがどのようにして自らの人生や世界を歩んでいくのか、その力を身につけていくための「羅針盤」だそうです。30日の福元真由美・青山学院大学教授がまとめた「就学前教育をめぐる動向」にも紹介されている図です。
昨日は涅槃図を眺め、今日はこの学びのフレームワークを眺めています。そうすると、同じものを見出すことができるのです。涅槃のことを今はウェルビーングというのかと。いえ、もちろんWell-Being(ほぼ、しあわせの意)と比較すべきは、お釈迦様がお生まれになった「仏誕」や、悟りを開いた「成道」を思い浮かべてもいいのですが・・
(幸せ)
=
(涅槃)
それはともかく、この図の右側の◯の要素に注目してください。具体例を考えると、意味深いことを要約しています。