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園長の日記

園庭ってなんだろう?

2021/10/16

園庭のない保育園をやることに決まった時、改めて「園庭ってなんだろう」と考えました。私がその時いた園の、当たり前のようにあった広い園庭には、走り回れる広い楕円形のフィールド(内側が芝生で、その外は土)があり、園庭の周囲には人工的に作ったビオトープが小川のように流れ、アスレティック型の大型遊具(吊り橋、トンネル、一つは筒型の2種類の滑り台が一体となったもの)、ブランコ、砂場、登り降りのできるネット遊具などが並んでいました。

子どもが体験できることを分類すると3つのことがありました。一つ目は体を色々と動かすことができること。二つ目は生き物と触れ合うことができる自然があること。そして三つ目が、室内では味わえない開放感。大きく分けると、この3つじゃないかと思えました。そこで、園庭のない千代田せいが保育園では、いろんな運動ができる室内ジムを用意して、屋上でも遊べるようにしよう。各フロアには生き物を見たり栽培したり、飼育できるような場所を用意しよう。そして屋外は、ぜんぶ園庭だと思って、いろんな場所で、いろんなことができるようにしよう。そうだ、園庭がないとマイナスに考えないで、中途半端な園庭で満足せずに、かえって面白い体験がいっぱいできるように、「地域が園庭だ」と考えればいいじゃないか!となっていったのです。

なぜ、こんなことを振り返っているのかというと、馬の水広場(と子どもたちが呼んでいるそうな)に引き寄せられている姿から、子どもにとっても魅力的な園庭とは、やっぱり開放感や自然が渾然一体になっている場所なんじゃないか、と気付かされるからです。

その気づきは、幼児クラスの先生に教えてもらったのですが、先週の10月5日(火)に草ボウボウの放置された「岩本町馬の水飲み場広場」に立ち寄って遊んだ体験が、とても印象的だったようです。翌日6日にもう一度行きたいという声があがり、子どもたちが話し合ったという姿を、7日のブログで報告しようとしていたそうです。私はその下書きを読んで「そんなに魅力を感じたんだ」と知りました。

その文章をなぜホームページに載せなかったのかというと、その「ファンタジーのような夢のような空間」だった自然空間が、6日には、綺麗さっぱりと刈られてしまったからです。私たちが5日に遊んでいる様子を見て、「草ぼうぼう状態で子どもが遊んでいては、気の毒」と思ってくださった方が、千代田区に連絡してくださったのか、あるいは、ただの偶然だったのか? それはまだわかりません。(真相が判明したら、またご報告します)

いずれにしても、大人にとっては雑草が繁茂した荒地に見えても、子どもたちにとっては「夢のような体験ができた場所」だったに違いありません。

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