子どもたちは身近にある文字や数や記号に興味を持ち出すと、自分の世界に取り入れて、読んだり、数えたり、場合によっては書いたり、計算したりするようになります。絵本の読み聞かせの福田さんから手作りの「まり」を頂いたので、ひな壇に飾ったのですが、集まってきた子どもたちは「うれしいひなまつり」の歌を、もう覚えていて、合唱が始まりました。
でも途中で3番や4番の歌詞がわからなくなって、キンノビョウブニウツルヒヲ〜あたりからモニョモニョ〜スガタ〜みたいになっていたので、早速、模造紙を出して、マジックで歌詞を書いてあげました。
お世話大好きの年長のお姉様方が、ワンフレーズずつ歌い、それを私が文字にしていきます。ぜんぶひらがなで書いて見せたのですが、これは意識して行った保育です。手本を見せる。ひらがなが、このように生活に役立つものだ、という見本であり、文字の形の見本であり、書き順の見本であり、きっと私が意識していないことも、何かしら真似したいと思うような何かのモデルになったことでしょう。
歌のようにメロディやリズムに乗せて覚えてしまう歌詞は、意味がわからなくて覚えてしまいます。♪およめにいらしたねえさまに よくにたかんじょのしろいかお 官女という意味は知らないはずですが、気にせずに歌っています。♪〜す〜こし しろざけ めされたか のところは、知らない言葉だったようで、「め・さ・れ・た・か」と一字ずつ、確かめていました。
お酒を飲んだということはわかっているのですが、「召す」で来る、着る、食べる、飲むなどの意味で使われるのですが、それに「〜れる」のついた敬語(尊敬語)だということは、小学校5年生まで待つ必要があるのですが、耳に馴染んでおくといいですよね。しかもその疑問形。「少し白酒をお飲みになったのでしょうか、ほっと赤いお顔になられた右大臣様です」
ちなみに、右大臣はこちらからみて左手です。この右左に「どうして?」と聞いてくる子はまだいません。これは、STEM保育のM(数学)の面対象(幾何学)の話になるのですが、誰か「あれ?」と気づかないかなあと、待ち遠しいですが。もしかすると、積み木博士たちなら、その違いはとっくに理解している可能性はありますが。