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園長の日記

家庭と園の両方を体験しているのは子どもだけ

2022/03/31

(園だより4月号 巻頭言より)

保育園の誕生日が4月1日だとすると、千代田せいが保育園は満3歳になりました。保育園の成長って、どのようにみたらいいんでしょう。「大きくなったね」でもないし「◯◯ができるようになって、すごいね」でもありません。子どもの成長のように、語ることはできないですね。それでも、令和元年に開園して以来、この3年間で保育園は確実に成長したことがあります。それは保育に携わる地域の方々が増えたこと、小学校との連携が進み始めたこと、千代田区との協働が緊密になってきたこと、そうした保育ネットワークの、いわば目に見えない網の目が、広がってきたことです。

この人的なネットワークの広がりは、運動の種類を増やし、都会の中でも生き物や自然などと触れ合う機会を増やし、しいては子どもの体験の幅を広げ、さらに親子の安定した関係づくりにも間接的に影響していると思います。もし保育園が満3歳のお誕生会を開いてもらえるとしたら、そこには実に多くの地域の方々からのお祝いメッセージが届くことでしょう。

保育園生活の主人公は子どもです。その子どもたちの発達は、もともと持って生まれた力と、生まれた後で受ける経験に相乗効果で遂げられていきます。私たち大人は、子どもの持って生まれた力を変えることはできないので、もっぱら経験の質を高めることを大切にしています。そのために広い意味で「環境」の質を高めることで、子どもに豊かな経験を積みなさねられていけたらと考えています。昔から孟母三遷と言いますが、その子どもにとってふさわしい環境というものがあるからです。

そこで保護者の皆さんと私たち保育園とで協力したいことがあります。それは、1日の24時間の生活の流れをお互いに伝え合い、一人ひとりの心身の状態にあったことをやっていきたいということです。園生活をしていると「いつもとちょっと違うな、どうしてかな?」ということがよくあります。お昼寝あけの機嫌が良くないけど、どうしてだろう?とか、お友達に手が出やすくて気持ちがちょっと荒れているな、とか、それは色々です。家での体調の変化や気掛かりなことがあればお伝えください。寝不足ですとか、朝食はあまり食べていないとか、きょうだいげんかで我慢させることが多いかな、とか。ちょっとした情報でも、私たちにとっては子どもの言動の背景を考えるときの参考になります。

家庭生活と園生活の子どもの様子をお互いに理解し合うことで保育は成り立ちます。日々の連絡のやり取りを始め、個人面談や保育参観でも、その情報交換を大事にしています。またぜひ、やってみていただきたいのは、保護者の皆さんが「パパ先生」「ママ先生」になって、子どもの園生活をぜひ体験してみてください。園生活を知っていただくと、家庭ではみられない姿に驚くことが多いものです。家庭生活と園生活の両方を経験しているのは、子どもだけです。その経験がどんなものか、想像して理解しあっていきましょう。ご協力のほど、よろしくお願いします。

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