1日から始まった保護者会は、今日4日(月)から、夕方4時半からになります。すでにちっち組(0歳)は1日午前中に慣れ保育を兼ねて行いましたが、今日はわいわい組(3歳児)でした。わいわい組は9名が進級して1名の新入園児を迎え、10人の仲間たちです。にこにこ組(2歳児)から持ち上がった担任から、会の最初に1年間の保育のねらいや見通しをお伝えさせてもらいました。そのご最近の保育エピソードを動画で紹介して、私が少し補足説明し、さらに新しい主任から「生活リズムの大切さ」などについてお伝えしました。最後に保護者同士のお子さん紹介をしていただきました。
3月までのにこにこ組は、どちらかというと「縦の発達」で、どの子も通る発達の道筋に個人差があります。月齢の差は個人差として大きく影響します。このブログでも3月1日からミニ連載で解説したように、生活の自立はこの頃までに大きく成し遂げられていきます。ところが、わいわい組以降の成長は、いわば「横の発達」です。どういうことかというと、やりたいことが興味関心の違いがはっきりしてきて、さらにそれが拡大していくようになります。にこにこ組にあった静と動のゾーンの各バリエーションが、3階フロアになると、それぞれグーンと拡張します。親御さんからのお子さん紹介の中でも、シンカリオンに夢中、乗り物大好き、外遊びが好きで走り回っている、うちはどちらかというとインドア派・・・そんな楽しい紹介をたくさんしていただきました。自分の好きなことが分岐して深化していく、探求していく、そんな世界がそれぞれに広がり、深まっていくことでしょう。
一方で、人間関係も縦も横も広がります。にこにこ組では主に同学年での生活でしたが、当園の幼児クラスになると、それが「上にお兄さん、お姉さんがたくさんいる」関係になります。お世話付きな子が「こうするんだよ」「こうしたら」と教えてくれます。保護者会でご紹介した動画での保育エピソードも、そんなお姉さんぶりが発揮されたものでした。
わいわいさん(3歳児)男女二人が、ピーステーブルに新しく登場した輪の形をした柔らかい「リラックス遊具」を取り合う場面。そこで、らんらんさん(4歳児)の女子Nさんが仲裁に入理、使い方の説明によって気持ちを落ち着かせようとします。「これさ、泣いたり、怒ったりしたときに、こうやるんだよ」と。でも、その話はスルーされて「引っ張り合い」は強まります。すると「これ、いい匂いするんだよ」と、匂いを嗅いで見せます。気を紛らわせる「作戦」です。片方のRさんはそれ応えて「チョコの匂いするんだよ」と笑みがこぼれます。それでも二人は輪を離しません。
そこにもう一人のらんらんMさんがきて、次のように提案します。けっこう強引な手法なのですが、「一回、手を離して」と、一旦遊具から手を離させて、「これは、どっちが最初にとった?」と聞きます。Rさんがはい!と手を上げてアピール。それに対してRくんが「(自分は)ぜんぜん、触ってないだけ」と触る権利があると主張します。すると、仲裁者のMさんがRくんに「触らせて、って言えばいいんじゃない」と提案します。そして最初にとったRさんに輪を渡します。Rさんは匂いを嗅いでいます。(写真)もう一度、MさんがRくんにいいます。
「ちょっと、触らせて、って言えばいいんじゃない。そうしたらRっち、触らせてくれるよ(きっと)」
このやりとり、物の貸し借りの場面で身につけてほしい、「交渉術」のようなものですが、このケースでは、Rさんはすぐに貸してくれました。でも、仲介者が二人の「代弁」をしただけで、本人たちは言葉を発していない状態です。代わりに仲介者がモデルを示して集結しました。このように大人が仲裁に入るのではなくて、子どもたちが自分達でなんとか生活を気落ちよく進めていく知恵を発揮し合うのが、わいらんすいの生活になっていくと言っていいでしょう。その成り行きを見守り、必要な時、つまり子どもたちたち自身が、自分達だけではうまくいかない、できないいと判断した時に、先生に頼みに来るようになります。そのような姿が今後増えていくことでしょう。楽しみに待ちたいと思います。