■あと5年は人口が増えていく
「あと5年は人口が増えると予想して保育園を整備していく予定です」。千代田区のこども部長が、こんな見通しを今日、語りました。待機児童を出さないという大方針の元で、保育園を毎年開園している千代田区ですが、すでにこんなにたくさんの保育園があるということを再認識しました。現在、区内には、認可保育園は公立4園、私立11園、こども園2園、認定こども園1園、幼保一体施設4園、事業所内保育所2園、小規模1園あります。この25の全ての保育園園長が集まって情報交換する会合があったのです。年2回予定されているこの会合に、事務長と2人で初めて参加し、「よろしくお願いします」と挨拶してきました。
■園長会はなくても区のイニシアチブに期待
区には、まだ園長会がありません。情報交換会ですから、団体としての意思決定機能が何もありません。その状況が課題だという雰囲気もない、区主導の会合でした。ただ、必ずしも園長会がないこと自体が、問題とも思いません。単に組織の維持のための活動に時間を取られ、園運営がおろそかになるよりはよっぽどマシだからです。区には保育の質も量もイニシアチブを発揮していただき、望ましい理念構築をリードしてほしいものです。
■園生活の中のリスクを整理
情報交換会の後で、講師の講演による研修会も開かれました。園の生活の中には子どもの命をうしなったり、後遺症が残るような重大事故があってはなりません。そのリスクをできるだけなくすために、ソフトウェア、ハードウェア、環境、人の意識と言う4つの要素を点検し直す必要があります。過去の重大事項には、睡眠、食事、遊びの中で起きています。今日はその再確認をしました。
■散歩のリスクを考える
滋賀・大津市の園児2人が死亡した自動車事故から1週間、今日の会合でも、千代田区の地図をテーブルに広げて、散歩で危険な交差点を出し合いました。ちょうどその頃、砂場に突っ込んだ車から園児を守ろうと保育士が大怪我をしたと言うニュースが飛び込んできました。
実は高齢者の操作ミスによる自動車事故は毎日のように起きていて、そのうち報道されるニュースは、死亡事故や子どもが巻き込まれた事件だと言うことを忘れてはいけません。ある年齢を超えたら、自動ブレーキの装着を義務化すべきではないでしょうか。あとどれだけの犠牲を積み重ねて世論を高めなければ、法制化できないのでしょうか。
■一刻も早く自動ブレーキの義務化を
池袋の事故は、大通りの青信号でも油断できないこと、大津市の事故は歩道で待っていても油断できないこと、そして今日の市原市の事故は駐車場の出入り口は油断できないこと、などを物語っています。次は何が油断できないことになるのでしょうか。そばに自動車が走っている限り、どんな場所でもヒヤリハットの対象になってしまいます。リスクマネジメント学の王道から考えれば、危ない場所を探す対症療法で問題を先延ばしするのではなく、ヒューマンエラーの発生源を物理的に押さえ込むことが大切なリスク軽減策である事は間違いないはずです。