散歩ギャラリー⑨ ハハコグサ(母子草)
今日は日曜日。ちょうど1週間前は神田祭でしたが、その日、12日は母の日でもありました。日本人が自然に対して抱く情緒は、優しいものが多いのですが、草花から受ける印象と名前が一致するものと、そうでないものとがありますよね。
このハハコグサの写真は、保育園の東側の花壇です。撮影は5月10日です。(ちょっとピンボケ)
⭐︎
この「母子草」は、花と印象と名前が一致します。葉は柔らかく、薄く産毛のような毛に包まれています。花は淡い黄色で、茎と葉がゆらりと丸みを帯び、名前をつけた人ば、全体の姿を見て子どもを抱く母親をイメージしたのかな、と思います。
◇
・・・しかし、実際には、綿毛の種子が「ほうけだつ」ことから、あるいは「葉の毛がほうけだって見える」ことから、ホウコグサ呼ばれていたのが転じてハハコグサになったとされる・・・(『散歩が楽しくなる雑草手帳』(稲垣栄洋))んだとか。
◇
それでも、「転じて」母子草とよぶようになる経緯には、雛祭りの風習と関係しているというから、話は一気に民俗史と関わってきます。なぜなら、ハハコグサは、あの春の七草の「ごぎょう」のことなんです。
◇
「せり なずな
ごぎょう はこべら ほとけのざ
しずな すずしろ これぞ七草」
◇
「御形」 は厄除けのために川に流した人形のことですから、その人形の姿に似ていると思ったのかもしれません。雛祭りに人形が飾られるようになっていく物語に母子草が登場してくるというのは面白いですね。
◇
ちなみに花言葉は、「いつも思う、優しい人、永遠の想い、温かい気持ち、無償の愛」です。やはり親が子を思う気持ちと重ね合わせたのでしょうか。
自宅の近くで、撮り直しました。
左はチチコグサモドキ。次回、紹介します。