これからの保育を語り合うシンポジウムが21日(日)東大で開かれ、1時間のメイン会議に参加してきました。テーマは「子どもたちと未来をつくる〜映画「こどもかいぎ」公開の寄せて〜」で、登壇者は映画監督の豪田トモさん、玉川大学の大豆生田啓友さん、みんなのみらいをつくる保育園東雲の成川宏子園長先生、モデレーターは認定NPO法人フローレスの駒崎弘樹さん。私の話は「こどもかいぎ」を実践したきっかけ、印象に残っているエピソード、子どもや先生が感じたメリット、そして大人も子どものように本音で自由に対話するにはどうしたらいいか、についてです。
今日までに豪田監督は映画をみた保育関係者や研究者、クリエーター、起業家、アーチストなどと対話を重ねてきており、たくさんの動画が配信されてきました。内閣府や厚労省も「こどもかいぎ」を重視してきており、これからの教育や保育の仕組みに入っていくことを、今回のイベントの実行委員会は期待しています。その趣旨に賛同した方々のボランティアで成立した今回のイベントですが、多くの保育関係者、園長以上の経営者が東大に集まり、3会場で10のセッションが展開されました。
私は5分間が2回、合わせて10分ほどの時間で、次のようなことを述べました。「こどもかいぎ」などでの対話は会話と異なり「人と向かい合う関係」になっていること。ちゃんと人と向かい合うことが対話であること。それが成立するために赤ちゃんの頃からの「声」を大人がちゃんと「聞く」こと、つまりそれに応答することが、子どもが人への信頼を獲得するベースになること。それはアタッチメントでもあること。それは大人も同じで、自由に語り合えるためには安心して話を聞いてもらえる信頼の場を作ること、日本人はたぶんリスク込みの他者への信頼力が弱いので、子どもの頃から話を聞いてもらうことの積み重ねが重要な鍵になること、などを伝えました。
このようなことが「こども」を真ん中にした世界を作るための条件のようなものであり、かいぎだけを開けばいいものでもないことはもちろんそうなので、どのようなことが大事なのかを考えていきたいと思います。