話題になってすぐに手に入れ、人に勧めている本があります。『子どもが中心の「共主体」の保育へ』(小学館)。保育園用にも置いておきますので、保護者の皆さんも手にとってご覧ください。私たちが目指したい保育がここにあります。この本の中で、すでに聞いていた(読んでいた)話だったのですが、活字になって世の中に公になると、以下のことが個人的に大きなインパクトがありました。それは環境からの呼びかけに子どもが呼応する、という捉え方です。
子どもが思わず遊び始めるのは、その周りにある環境の方から「呼びかけ」(無藤隆先生)てくるものがあるからだという表現に接し、個人的にはとても腑に落ちるのです。これまで、身近な環境に子どもが自発的にかかわるという言い方がされても、またそれでいいのですが、私はずっとそれでは矢印が一方通行のような気がしていました。とくに環境との「相互作用」と言いながら、環境の方からくるものをどう考えたらいいんだろう?とか、アフォーダンスの概念で理解していればいいのだろうか? などと勝手に想像していました。
しかし、これで私の理解が一つ、つながりました。ミッシンクリンクがつながったというとかっこいいですが、つながってないことの方が多いんですけど、でも理解できたというのは嬉しい。子どもと環境の関係について、特に遊びの説明について、はっきりと環境からの「呼びかけ」に子どもが「呼応する」というように考えればいいとなると、子どもの選択の意味もクリアですし、個々の子どもが、そことの関わり方や意味に気づき、ということにもつながっていく。子どもの活動や遊び、あるいは主体的活動としての遊びの理解がわかりやすくなったのです。