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園長の日記

お楽しみ会(幼児)を振り返る

2024/01/22

先日20日土曜日の「おたのしみ会」(幼児の部)を振り返ってみると、子どもたちの成長を実感できる当園らしいあり方だったのではないかと思います。

どこがそうなのかというと、その日のことだけではなく、それまでの間に、子どもたちが遊びの中で見つけたそれぞれの目的を打ち立てて、その実現のために連なっている課題を次々と達成してく過程があったこと。そのうえで当日の姿に至っているということが保護者のみなさんと共有できた、という実感があることです。しかも子どもの気持ちややりたいという願いがどうやったらかなえられるかを先生たちが一生懸命考えて支えていったこともうれしいのです。そのことは保護者のみなさんにも、十分に伝わったような気がします。

当日までの過程はつぶさに「保育ドキュメンテーション」で掲示して、子どもたちも保護者の方も、もちろん先生たちも共有して変化していきました。さきほどの目的の中には「自分たちの姿を保護者にみてほしい」ということが含まれているのですが、そこからフィードバックして、もっと良くしたいという動機が膨らんでいき、創意工夫がたくさん生まれていった過程が記録として残っています。最終的に達成感をもって課題が解決されていったことが嬉しくて、それを本人も保護者も一緒に目の当たりにしながら感じることができたことが、当園らしいと思えました。

子どもが遊びのなかでみつけていく目的のなかには、年長になるほど同じ目的意識が共有され、協同していいものにしたいという気持ちも強くなっていく様子もよくわかりました。

【わいわい組】

3歳の「コバヤシーヌの森」は、園内すべての空間をつかっておこなった「リアルかくれんぼ」で、魔女に隠された先生を王子や王女になった子どもたちが見つけ出すというものでしたが、それぞれの子どもたちがまさに遊びのなかで、「あそこかもしれない」という思い付きの中で、必死で探していました。

そして、ぞろぞろとチームで一緒に探している姿が可愛らしかったですよね。先生を見つけて脱出させてあげることができたときの弾けるような笑顔、笑顔。

【らんらん組】

4歳は朝の会の様子や公園へでかける散歩の様子を、パロディにした物語でした。ヨドバシカメラのテーマソングを聞きながら秋葉原駅を歩いていたら、ずらりと並んだ「ガチャガチャ」の列。

その中に「千代田せいがガチャ」をみつけて、園長先生に内緒でちょっとやってみたらカプセルのなかに「子どもたちのやりたいこと」が入っている、というファンタジックな物語設定でしたね。

楽器の演奏や歌、綱引き、大縄跳びなどを実際に披露してくれました。

【すいすい組】

5歳は夏の誕生会でやった「くれよんのくろくん」のペープサート。そのときは体調不良で数名参加できず、「やりたかった~」「もういっかいみんなでやりたい」との声もあったので、今回のおたのしみ会はもう一度、このお話を題材に行うことになりました。それが12月14日。

そこから年末年始をはさんで約1か月。その具体的な展開はすでにお伝えしてきたとおりです。それぞれの役割と全体の出来具合の両方を目的にできるようになった年長の協力しあう姿に、私たちは胸が熱くなってしまいましたね。

【協同性】

お楽しみ会(幼児)は、協同性の育ちのプロセスを見てもらうことにもなりました。余談ですが、協同性という概念が幼稚園の教育要領で登場するのは2008年(平成20年度)の改訂です。それまでの子どもの主体性を強調してきた幼稚園教育において、集団の躍動的な、ダイナミックな活動を組織化する視点も保育に加えようとしたそうです。そう解説する保育学用語辞典の説明をいかに引用しておきます。

「他者と一つの目標に向かって力を合わせ取り組む個人の行動傾向。協同そのものは、集団的なプロセスにおいて現れる。協同は自らの考えやこだわりなどの独自性を出しながら他者とかかわることであり、周囲にあわせる協調とは区別される。・・・「~したい」という子ども個人の思いが集団全体の目的に発展するなかで、協同は生じる。協同には話し合い、協力、自己主張、葛藤、折り合いなどさまざまな能力が必要とされる。そのため、協同的な遊びや学びのデザインが特に推奨されるのは5歳児保育においてであるが、5歳児において協同的な関係をつくるためには、4歳児きでの他児との葛藤経験や協同的経験に、保育者があせらず付き合っていくことが必要になる。(西田季里)」

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