園だより4月号 巻頭言より
先週で今年度の第一週が終わったのですが、毎日クラス別の保護者会をひらき、今年度の目標や展望をお伝えしてきました。こんな活動になっていくといいな、という目標は子どものことなのですが、まずは本人たちが毎日わくわくしながら保育園にやってきてほしいというのが一番です。そして何か新しいこと、面白いことに出あって、時々目を見張るような出来事に遭遇してほしい、そんな活動がたくさん経験できるといいな、と思います。
保育園での活動は家庭や地域での経験とつながっています。家庭や地域では経験できないことが保育園ではできるとしたら、またそれを大事にしてもいるのですが、思わず遊びたくなって熱中して遊んでいる世界と、私たちが大人が主に作り上げている世界ともつながっています。私たち大人も地球上のいろんな課題に直面していて、その解決に向けて努力しているわけですが、いずれ子どもたちもその世界に加わってきます。
私たち保育者は、子どもたちが大きくなって社会人になっていくときのことを思い浮かべながら、いま熱中して遊んでいる活動が、その将来の現実の世界に参加していくために、どのようであればいいのかを考えています。それはなかなか難しいことですが、きっとこんなことが大事だろうということを、できるだけしっかりと身に付けていくようにしてあげたいと考えています。
それが保育目標に表した内容です。大きく分けると3つでした。ちょっと順番を変えますが、まずは自分とモノの世界との関係です。自分の気になること、好きなこと、やりたいことができること。それが選べること、そしてその探究が深まっていくことです。そのために生活も遊びも選べるようにしています。二つ目は自分と他者との関係です。自分のことだけではなくお友達ともうまくやっていくこと。お互いの異なる気持ちや考えの折り合いをつけながら、ルールに気づいたり作ったりしていく社会性を育てるようにしています。
そして三番目が、この二つのことを通じて育っていく自分とのかかわりです。思う通りに自分らしくいきていくこと、そこに自信をもって自分を世界にかかわらせていくこと、といっていいでしょうか。ものや他者との関係の中で自己発揮ができるようにあることです。
発達の異なるクラス別の保護者会で、どの子どもにも共通することを表現することは難しいのですが、この三つのことをを保育園の保育目標としては「自分らしく、意欲的で、思いやりのある子ども」としています。保護者のみなさんの愛情をたっぷりと受けながら、自分と他者と世界という関係の中で見せてくれる子どもたちの姿を捉えながら、子どもたちにとって楽しく面白い生活になるように配慮していきたいと思います。