園だより 12月号 巻頭言
◆側にはお母さん、寛いだ気分で歌を楽しく
昨日26日の夕方、事務室のアコーディオンカーテンの扉を閉めて仕事をしていたら、金魚のいるあたりでNKくんが楽しそうに歌を歌っているのが聞こえてきました。大きな声でアニメの主題歌風の歌でした。心も寛いでいたのでしょう、大きな声が、楽しそうでした。お母さんの声もしたので扉を開けて「楽しそうだね」と声をかけました。聞かれていたのに気づいて、ちょっとだけ恥ずかしそうな顔をしました。あ、知らなかったふりをするべきだったかな、と思ったのですが、お母さんが笑って「自分で作って歌うんですよ、ですから同じ曲は二度と聞けないんです、アハハ」と教えてくださいました。私もとても幸せな気分になりました。
◆かけがえのない子ども、再現できない表現
再現できない子どもの表現。その連続だなと、子どもといるとよく思います。「あ、この瞬間なんだよ!」と感じることが頻繁にあります。それを写真や動画でタイムリーに切り取ることができたとしても、それはまた別物になってしまうと感じます。その息吹と臨場感とリアル感を再現しようとすると、私たちもアーティスト(再現者)にならないといけないですね。それを少しでもお伝えできたらと、「お楽しみ会」では幕間でそこを少し補うつもりです。
◆アンケートの子どもの姿に私たちも嬉しくて・・
みなさんからお寄せいただいたアンケートですが、子どもの姿を詳しくご報告いただき、お忙しいのに本当に有難い気持ちになります。心よりお礼申し上げます。ほぼ全員の方から「子ども同士の関わり」など5項目で育つものが「ある」と捉えてくださっており、その具体的な姿が私たちも、とても参考になりました。
冒頭にご紹介したNKくんの「恥ずかしそう」も、人間関係があるからこその経験です。家庭と園と地域と異なる人間関係の経験は、必ず今後の生きる力になります。
◆温かい言葉に感謝です
それからもう一つ、アンケートの自由記述では、皆さんからの温かい気持ちが伝わってきて感激しています。何人も方から「できる範囲で構いませんから」とお気遣いいただき、また「子どもだけではなく関わる全員が幸せになれる保育園になれるように」という言葉にも心打たれます。もともと、たかが一つの保育園でしかありませんが、されど「素晴らしい保護者の皆さん」に恵まれて、またギアが一段と入り直した気持ちです。できることを着実に少しずつですが、前に歩みたいと思います。
◆リスペクトできる力が自他共に幸せへのエネルギー
今回改めて思いました。人を前に進ませる力は仲間なんだと。そうなっている心の状態は人に共感しているときだと。しかも、その中で最強の力はリスペクト。感謝できる心が人を自他共に幸せにするのだと思います。