MENU CLOSE
TEL

園長の日記

「休園届」をダウンロードできるようにしました

2021/01/13

緊急事態宣言が発令され、新型コロナウイルス感染の対策が強化されましたが、保育園は保育を継続します。ただ登園を控える方は「休園届」の提出が必要になりますので、当園のホームページ「各種書類」からダウンロードできるようにしました。昨年10月から千代田区が用意したものと同じです。

休園は日単位でも構いません。「在宅勤務可能な日のみ休園予定」など、その旨をお書き添えください。その日の分の保育料は免除されます。

ただし3歳児クラス以上は当初より保育料は無料ですので影響しません。保育料が免除になるのは0〜2歳クラスまでです。

 

不安の中で確かなものを欲しがる心理について

2021/01/12

保護者の皆さんの職場でも、これまで以上の感染防止策の徹底が図られているかもしれませんが、保育園でもこれまで続けてきたことを再確認しています。千代田区によると今年になって、区内の園で職員に患者が発生しているそうです。私たちも改めて気を引き締めていこうと話し合っています。正直なところ、私たちも感染しないかと、ヒタヒタと迫ってくるような不安が強まっています。

連休明けの今日12日(火)、朝から冷え込みも厳しく昼頃には冷たい雨が降った東京ですが、肩を窄めがちな大人と違って、子どもたちは元気いっぱいです。子どもたちの持ち前の明るさが、私たち大人の重たくなりがちな気分を軽やかにしてくれます。その笑顔や無邪気さに救われるような気持ちになるのは、きっと世の中が緊急事態で、感染対策の意識を忘れることも許されず、その意識のコントラストが際立つからなのでしょう。

緊急事態宣言に限らず、外部から追い込まれないと大胆な決断ができない傾向のある日本人ですが、環境問題でも世界の潮流に逆らえないからか、エネルギー政策を大きく変えようとしています。あれだけの事故を起こしても原発を手放そうとしなかったのに、石化燃料から再生エネルギーへの転換を強力に進めることに舵を切りました。海上風力発電の割合を欧州並みの割合にするグリーン政策を始めます。そうでもしないと2050年までに二酸化炭素排出目標を達成できないからです。外圧をうまく利用するという意味では、緊急事態=有事だからと、国会で、特措法や感染症などの改正を議論するとき、平時なら無理なことも通りやすくなるバイアスが生じるんじゃないかと気になります。

強い他者の意向をうまく利用して自己実現を図ろうとする日本人の意識。そうした日本の歴史の真相に迫る作品を残した半藤一利さんが亡くなったというニュース。90歳でした。どこに主体性と責任があるのか判然としないまま物事が決まってしまうのは戦前も今も変わらないと語っていた半藤さん。今の一都三県から、明日には七府県にも緊急事態宣言が追加されることが決まりました。今年になっての一連の政府決断は、世論調査で緊急事態宣言を出すダイミングが「遅い」と思っている国民が半数を超えていたことが決定的だったように見えます。

何につけても、その決定がどうやって決まったのか、科学的な判断というよりも空気が決めているように見えてしまうこと。そのプロセスがすっきりと見えてこないと感じることが多いことも、毎日の生活の中に「不安」を感じてしまう要因になっているのかもしれません。大声ではっきりとモノいう人に人気が高まることも危ないなあと感じます。最初に結論ありき、ではなく本当に議論が深まっていくというプロセスがあることを信じたいと思います。

自然とヒトのバランスが崩れるとき

2021/01/11

日本海側で記録的な大雪が続いています。これも地球温暖化の影響かもしれませんね。産業革命以降、地球規模の気候変動をヒトが引き起こす時代になっています。近年の夏の暑さや大雨のように、自然の異変が身近に感じられるようになってきました。一説によると、2030年までに地球の気温を1℃上げてしまったら、北極の氷が溶け始め、そこに閉じ込められていた膨大なメタンが大気に放出されてしまい、ドミノ倒しのように2050年には気温が4℃上昇してしまうというのです。

気候だけではなく自然界と安定していたウイルスを、ヒトにも感染できるように変異させているのもヒトの仕業です。COVID-19もその例に過ぎません。過去にも、自然界の中で安定していたウイルスを人間社会に引っ張り出してきては、知らない間に疫病パニックを引き起こし、悪霊や魔女の仕業などと恐れてきたのが人類の歴史でもありした。

昨年6月に買った岩波新書『感染症と文明ー共生への道』(山本太郎著)をまた取り出してこの連休中に読み返しました。ウイルスは最終的にどうなっていったんだろう? コロナウイルスの行方を考える上で参考にしたかったのです。ウイルスは変異を繰り返しながら、最終的には発症しないで宿主である動物と共生することで安定していくものがあります。

例えば麻疹はメソポタミア文明ができたときヒトに定着しました。一定の以上の人口を持つ定住社会がないとウイルスは生きられません。ウイルスにとって都合のいいホスト集団(人間が集団を作って生活したこと)ができたからです。5000年をかけて地球上に広がってきたことになります。

それに比べて、ウイルスの感染効率はこの数百年で何10倍も早まりました。人口も増えたので広がり方も爆発的です。そのために変異スピードも速くなっています。それでも長い時間をかけてウイルスは安定するか消えていきます。山本さんは次のように書いていました。

「強毒ウイルスは、自らがもつ性格ゆえに消滅することになる。そして長い目で見たとき、強毒ウイルスは、自らの生存を支える宿主集団を巻き込みながら消えてゆき、潜伏期間が長く、感染効率と致死性の低い弱毒ウイルスが優位となる。このようにして、ウイルスとヒトとの間にある種の安定した関係が築かれていくのである」

これはHIVを例に挙げて説明しているのですが、コロナウイルスの場合は、まだ感染していないヒトがたくさんいて(感受性の高い人が多く残っていて)、感染爆発による変異爆発を起こしている真っ最中ですから、感染力が強かったり、強毒性をもったり、潜伏期間が短ったかりするような性質をもつ変異種が、これから出てきてもおかしくありません。日本でも数年たって、終息したように見えても、何年かしたらまた流行するということは大いにあるわけです。

記録的な大雪や水害や暑さなどの気象の変化も、ウイルスに影響を与えます。ヒトの中にはすでに安定して見えないウイルスと共存していて、その隙間があれば新しいウイルスが入ってくるような「動的平衡」(福岡伸一)も考えられます。宇宙ができて137億年、地球ができて50億年、ウイルスはすでに30億年前には発生していました。それに比べてホモ・サピエンスはたかだか20万年前に過ぎません。私たち自身の「生命」がウイルスとのバランスで成り立っているところがあるのかもしれません。

養鶏場の鳥インフルエンザの発生も同じ社会問題であると捉えたいところです。農林水産省は「ヨーロッパの動物福祉が輸入されたら養鶏産業は持たない」という判断にたっています。これもエシカル消費の世界基準から遅れを取ってしまいました。コウモリの中で安定していたウイルスが、ヒトにも感染するようになったのも変異だったこと、そして中国武漢の発生源が野生動物の売買市場だったことも忘れないようにしたいものです。

「幸せのエプロン」へ

2021/01/10

 

わたしたちの生活のなかでも一番大切なベースの部分。それはちっち組、ぐんぐん組の子どもたちが思い出させてくれること。「一枚のエプロン」をめぐる子どもたちの関わり合いの中に、自分の気持ちと相手の気持ちを推し量ることができるようになっていく絶妙な距離感を学んでいる。そんな心が育っているようだ、という「ちっち・ぐんぐんのブログ」の描写を読むと、私たち大人がやっていることに気恥ずかしさを覚えてしまいます。明日は「成人の日」。成長するとか、大人になるとか「何がどういいことなんだろう」と考えてしまいます。

先だってここの日記に幸せの3条件の話を書きましたが、上記の乳児の中に見出す姿は、この3条件を学んでいるようにも見えます。3条件を短く要約すると「①やりたいことができて、②それが利他的であり、③心地よい関係を作る」と幸せですね、いうことです。子どもたちは「一枚のエプロン」が「幸せのエプロン」になる方法を学んでいるかのようです。まぁ、幸せだなんて滅多に口に出来るものではないんですが、映画広告のサブタイトルみたいに「原題のまま無い方がいいのに」と思うアレだとご理解ください。

「エプロンをつける」ことは、自分で自分につけることも相手につけてあげることも、どっちにしても①の「やりたいこと」なのですが、相手につけてあげる場合は、それが利他的であるか、ただの我儘でしかないかを、相手の気持ちを察しながら判断していくところが大事な育ちになります。なので②と③がセットになっているのがミソですね。そこに体験の価値が見出せます。

自分もやりたいことができた!同時に相手も喜んでくれている!ね、よかってね!この3つが揃って初めてハッピーですからね。

ところが、やりたいことはやれた、でも相手が嫌がっている、それじゃだめだよね。そうやって相手のことを感じている。これを感じあって判断している。そんな子たちの姿から先生は「ひとはもともと助け合おうとする力を持っているのだということを思い出し」ています。だから「お互いに補完しあって協力していくこと」が生活の中でも一番大切なベースの部分になっていると感じるのでしょう。

物事に何を付け加えたらもっとよくなるだろうか。足りないものがあるとしたらそれは何だろうか。相手が求めているものは何だろうか。地球が困っていることは何だろうか。・・こうした「他者のこと」から始まって自分のやりたいことを考えるのがケアの本質(メイヤロフ)であり、養護の営み(鯨岡)であり、情緒を大切にする日本文化(岡潔)に通じるはずです。

教育的な側面があるとしたら、先生が書いているように「相手がどう感じているかな?ということにも目を向けていけるように関わって」きているところになります。そんな関わりが起きやすいような人や物や空間の環境デザイン(藤森)とセットになったときに、いわゆる「見守る保育」になっていくのです。いわゆる、と言ったのは実はこれが本来の「保育」そのものなのでした。

ウイルスの進化特性から社会的検査が必要

2021/01/09

新年が始まって1週間。緊急事態でおめでたい正月気分は吹っ飛びましたが、こんな日常への戻り方は残念ですね。しかしウイルスの住む自然の世界に暮れも正月もありませんから仕方がありません。感染の拡大は、その特性をもったウイルスにとって生存しやすい環境になっていることを意味します。ですからウイルスにとって好都合な環境をなくさないといけません。

ところが、もたもたしていると、その国や地域に適応した変異株が増えてしまいます。突然変異の中で環境に適した特性は、感染力が強くて症状がないか軽いものになっていきます。ホストに自然抗体ができて感染しにくい環境になってしまうまで、COVID-19は居続けます。都の感染者数が500人程度に減ったら、政府はあとはどうするつもりなのでしょうか。ワクチンまかせでしょうか? 社会的検査の拡充はしないのでしょうか?

この点を、再度復習しておきましょう。ウイルスにとって最もいいのは、気づかれにくい特性に変異することです。感染しても症状を呈さないことです。ウイルスはホスト(寄生先)がないと生きられないので、こっそりと目立たずに生物(人間)の中に忍び込んでいるのが最もいいわけです。ウイルスはRNAの自己複製を繰り返している間に、突然変異で多様な特性をもったものがたくさんできるわけですが、その中でもっとも環境に適応したものが数的に増えていきます。意図してその特性を増やしているのではなく、結果的に淘汰されないで環境に適応できた特性が、偶然、結果的に幅を利かせていくだけです。それが進化の仕組みです。とてもシンプルなものです。

その自然の仕組みから考えても、日本が今採用している感染予防策には欠陥があるのです。私は大学は生物化学の専攻だったのでよくわかるのですが、同じ遺伝子構造をもったCOVI D-19でも、ホスト側の特性によって症状が出たり出なかったりする時は、症状がなくても検査して見つけ出す仕組みを採用しないと感染は防げません。

菅総理は7日夕、緊急事態宣言を発令した後の記者会見で、記者から検査体制の更なる拡充をする考えがないかと聞かれ、これまでと全く同じ言い回しで「必要があると判断した場合は検査している」と回答しました。

この「必要がある」と判断するのは主に医師ですから、この考え方では元気に生活している無症状感染者を突き止めることはできないでしょう。これが昨年秋の失敗です。感染者を隔離できませんでした。スポーツ界で陽性がでてニュースになっているのは、社会的検査をしているからです。本人に体調の変化などの自覚はないのです。でも感染している。検査のチャンスがなくて、感染している若い人たちがいっぱいいるのが、今の状況なのでしょう。

ですから世界各国は、このウイルス進化の必然からくる特性を踏まえて、社会的検査の拡充に力を入れてきたのです。毎日発表されている感染者数は主に症状があった人がほとんどです。実際の感染者はもっといます。私はすでに毎日1万件を超えているだろうと思います。感染経路不明が6割ということは、濃厚接触者のリンクはもはや追えません。つまり無症状感染者を遡って捕捉できていません。その状態は昨年の夏から始まっていました。「新宿・埼玉株」という日本型の変異株が流行した頃です。

リンクを追うというクラスター対策は数百までが限度ですから、2月末から3月上旬に、感染者数をその数ぐらいまで押さえ込んだら、エピセンターの発見隔離のための本当のモニタリングの導入、抗体検査キットへの普及を図ってもらいたいものです。検査キットは今マツキヨで、4000円弱しますが、政府が奨励すればもっと安くなるでしょう。そうすれば誰でも毎週でもやって仕事なりに行けばいい。そうした方が陽性者を早期に発見できるはず。厚労省所管の中だけで対策(感染研ー保健所ライン)を講じることをやめて、省庁を横断した統合本部機能を作って欲しいものです。そこを突破できる政権を期待するのは無理でしょうか。

そうしないとウイルスの進化特性から、ますます感染しやすく(暑くても感染する特性をもったり、感染力が強かったり)なったり、変異の中には乳幼児にも感染する特性をもったものが出てきてしまうチャンスをウイルスに与えてしまうことになります。すでにその兆候が出ているので、ウイルスを燻らせ続けるのは危険です。ウィズコロナではなく、ポストコロナを目指し、さらに水際対策をもっともっと厳しく運用するべきです。そうしないと変異したウイルスが増えていってしまいます。

緊急事態を1か月で終わらせるために

2021/01/08

◆園からの3つのお願い

本日8日からの緊急事態宣言と千代田区からの通知を受けて、当園としては園内での感染予防、人と人の接触機会の削減に一層力を入れます。そのため保護者の皆さんに3点をお願いしたいと思います。本日の「園からのニュース」「コドモン」をご確認ください。

◆千代田区の方針全般について

保育園以外の学校や幼稚園なども基本的には保育を継続しています。千代田区のホームページから「新型コロナウイルスにおける区立学校・幼稚園・こども園・保育園・学童クラブ等の対応いついて」のリンクは以下です。

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kosodate/kyoikuinkai/kuritsugakko-taio.html

◆1ヶ月で終わらせるには?

専門家(北村義浩・日本医科大学特任教授)によると、2月下旬に一日500人までに戻すには「実質4割削減が不可欠」と言います。4割でいいの?と思って聞いていたら、昨年春に「8割削減」を目標にやった時が「実質4割削減だった」というのです。気持ちは8割を目指しても実際はその半分程度しかできない、ものらしい。今回はすでにできている対策もあるので、人と人の接触を実質半分にすることが、緊急事態を1か月で終わらせる目標イメージらしい。(冒頭の写真)

 

緊急事態宣言で千代田区が保育方針を通知

2021/01/07

 

本日7日発出予定の政府の緊急事態宣言を受けて、千代田区は7日、保育園の保育方針を説明した文書「新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応について」を保護者向けに通知しました。

緊急事態再宣言に伴う保護者あて文書 2

それによると、基本方針として「感染防止策を徹底しながら、通常通り保育を行う」こととし、対象期間は「発令が解除されるまで」。ただし、感染拡大の防止のため、「家族の方が陽性となったり、感染が疑われる場合は、必ず園に連絡の上、登園を控えるよう」要請しています。また、6項目にわたる感染予防策の徹底をお願いしています。

 

 

8日から緊急事態宣言(1か月間)へ

2021/01/06

東京で1日の感染者数が1591人と初めて1000人を超え、全国でも6000人を上回った6日(水)、明日7日に「緊急事態宣言」が発令されることが決まりました。数人の保護者の方から「保育園はどうなりそうですか」と聞かれたので「昨年春のように休園になることはないでしょう」と応えていますが、明日以降にならないと千代田区がどうなるかまだわかりません。

今日の報道では宣言期間が1ヶ月以上になりそうなので、1月8日から最低でも2月7日までは続きます。久しぶりにマスコミに登場した西浦博京大教授によると、今の対策案では実行再生算数が1.0のままで、感染数が収まらないようです。

保育園の保育は、12月から感染防止の緊張度を高めてきましたが、遂にこうなってしまいました。11月下旬にこうなる道は見えていたはずなのですが、今になってなお飲食にしか目がいっていないので、2月下旬に終息することも絶望的な状況になってしまいました。

それまでには終息しているだろうと、今月1月末に予定していた保護者会ですが、0歳ちっち組と1歳の保護者会も、先に決定していた2歳にこにこ組のように「個人面談」に切り替えさせてもらいます。近く面談希望表をお配りして日程の調整をさせてもらいます。

また2月27日(土)に予定していた成長展も、お楽しみ上映会のように平日夕方の時間に、何日間かに渡って少人数で見ていただく方法に変更します。実施時期は警戒宣言が7日に終了するなら2月15日(月)から、延びるようなら2月22日(月)から平日のみ10日間ぐらいを考えています。ただ、この予定も楽観的な見通しでしかありません。現状はもっと厳しいと予想しています。以上の内容は本日「園からのニュース」でお知らせしました。

今年の一文字は「快」を抱負に

2021/01/05

4歳になったばかりの男の子から、たくさんのことを教えてもらいました。その子の持っているその知識は私のものを超えていて、「興味のあることはこんなに世界をキラキラと輝かせるものなんだなあ」と羨ましいほどです。人には興味の先に気づきや発見が待っていて、そこから世界が広がっていくのです。その広がり方は、知識だけではなく、実際に行ってみたい、見てみたいという行動も促します。これは強い。実体験を伴いながら広がっていく世界。みんながこのように生きていけたら、素晴らしいだろうと思いました。

私は今年の抱負を漢字で「快」という一文字にしました。子どもも保護者の方も、そして先生たちも一人ひとりが心地よく過ごせるようにという意味です。快い気持ちでいることを平凡と受け止めるか、それとも、それを抱負とせざるをなない逆説と捉えるか、あるいはもっと哲学的にエピクロスが唱えたようなアタラクシアの境地を目指す意味なのか、受け止め方はさまざまかもしれません。でも私は、自分で名付けた「幸福の3条件」の前提だと思っているのです。

今日5日の新年会で、この意味を説明しました。新年会と言っても午後の休憩時間に職員が5〜6名ぐらい20分ぐらい集まって開いた慎ましやかな茶話会でしかありません。それぞれが今年の抱負を漢字一文字で表して述べ合う時間です。私は常々、人が幸せに生きるには、3つのことが必要だと考えています。それを幸福の3条件としているのですが、それは次の3つです。

まず自分のやりたことができることが第1の条件だと考えています。それは仕事であろうと趣味であろうと関係ありません。好きでもないことをやり続けてもそれは満足できないからです。その欲求の強さについては、精神科医のエリザベス・キューブラー・ロスから学びました。人は死に直面して自分の人生を振り返るとき、多くの人が「本当は、こんなことをしたかった」と後悔するそうです。

幸せの第2の条件は、好きで選んだ仕事や活動が、他者にとっても意味のある何かになっていることです。利他性があること、あるいは自分のやっていることに社会的な意味を感じること、もっと平たくいうと社会の中で「やりがい」や「手応え」を感じることです。起業家は「志」がなければ、その実現に向けた努力を支えることもできません。金銭的成功や社会的な名誉欲などを得ても、虚しさを拭い去ることができないものだからです。人は社会的な動物なのです。やりたいことが人のためであるような仕事につけたら幸せです。エッセンシャルワークもそのような仕事としては、わかりやすいものです。

そして幸せの第三の条件が、身近な人々との心地よく過ごせることです。家族や友人、会社や地域の人々と心を通わせ、愉快な時間が共有できることです。この3番目のことはとても大切です。一番目の自分の夢、2番目の社会的貢献、それぞれを夢中で追いかけることはいいのですが、そのプロセスで3番目を軽んじる人と会うと、その独善性に嫌気が指します。社会的に本当に一流の人とは、第3の条件から見てもおおらかでユーモアに満ち、一緒にいることが快いものだからです。

実は、子どもは生まれながらにして、この3番目の達人かもしれないと思う時があります。面白いことが好きで、楽しいことに目がなく、喧嘩をしても根に持ちません。喜怒哀楽がはっきりとわかりやすく、心根がまっすぐです。このまま、真っ直ぐに社会性を身につけてくれたら、どんなにいいだろと思います。大人になるというのは、この子どもの心を失わずに社会性を身につけることが理想だなと思います。子どもたちと心を通わせていると、己の心情をもっと磨きたくなります。子どもは大人を謙虚にさせてくれます。

保育初め〜書初め

2021/01/04

年長さんに比較的欠席が多かったものの、ほとんどの子どもたちが戻ってきました。正月で楽しかったことを子どもに聞くと、自粛していた家庭が多かったことがよくわかりました。帰省や旅行の話はなくて家で過ごしたり、近所の公園で遊んだりした話が多かったような気がします。朝の会議を終えた頃、年長さんの二人が「園長先生、クライミング開けて!」と職員室へやってきました。いつもの光景です。この時、私にとって新しい年になっても、これまでと変わらない「保育園の生活に帰ってきた!」という実感が湧いた瞬間でした。

保育初めらしく、新しい年の初めにふさわしい歌がいいなと思い、幼児の朝のお集まりでは、お楽しみ会で歌った「世界がひとつになるために」を子どもたちと一緒に歌いました。今日は外遊びはせず、屋上で体を動かしたりしたのですが、午睡の時間に、布川先生による「書初め」を年長さん4人と楽しみました。書いた文字は干支にちなんで「うし」というひらがなの二文字。お手本を見て練習したり、お手本を見ないで書いたりしました。近く展示します。

 

今日は最初に、布川先生による「あけましておめでとう」を大きく書いてもらうと、その流れるような勢いのあるバランスのいい文字に、子どもたちも息を呑んで見入っていました。

その素晴らしさが伝わったことでしょう。玄関に飾りましたのでご覧ください。新しい気持ちで始まった保育初日。何事も新鮮な気持ちで取り組むと生き生きしてくるから不思議ですね。

top