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園長の日記

前より向上したのは「判断力」

2019/10/06

やっぱり、いいこというなあ。

「前よりも強くなったのはどんなところか?」

そんな記者の質問に、サモア戦から一夜明けた今日6日夕方の記者会見でスクラムハーフの田中史朗がこう答えました。

「相手の状況とか癖ととかを見て、どうしたらいいか、自分たちで判断できるようになったこと」

と言った趣旨のことを話していました。

状況判断力。

これは保育でも、必要な専門性です。

一般的に社会で「スキルが必要」という言い方をします。

どんな職場でも、どんな仕事でも「スキル」を持っていないと通用しないものです。このスキルというのは、なんでしょうか。

私は東京都福祉サービス第三者評価委員ですが、一般にスキルというと「知識と技術」のことを意味します。ある分野で必要なスキルは、その分野の知識と技術のことです。

平成20年告示の保育所保育指針で、厚生労働省が発行する「解説書」を私は書きましたが、その中で、初めて保育士の専門性が定義されました。

その時、それまでの「知識と技術」に加えて「判断」という言葉も追加されました。保育士には、生活や遊びを見ながらの状況判断が、とても大切だからです。

こういうことをしているのなら、こんな環境を加えたらもっと経験が深まるだろう。そこでそんな遊びをしていたら、こんなけがをするかもしれないな。この子どもたちなら、こんな動きをするに違いない。こうした「判断」を繰り返しながら、保育は進んでいきます。

ラグビーを見ていて、ゲームメーカーがいることがわかります。ラックやモール状態からボールが出た時、サイドを突いて突進させるか、広がるウイングへボールを回すか、キックしてフォワードを走らせるか、あるいはモールのままタッチラインへ持ち込むか。そのボールのコントロールの要が、サモア戦では後半から出場した田中史朗でした。

彼は常にラックやスクラムやモールの後ろにいて、ゲーム全体を見渡し、その都度の司令塔をやっています。記者会見での彼の落ち着いた言葉には、なるほどと感心します。

さて、保育がラグビーだったら?トライは何に相当するのでしょう?W杯優勝に相当する目標はなんでしょう? それは「子ども一人ひとりの発達をきちんと保障すること」です。では、チーム千代田のメンバーは? それは職員だけではなく、保護者の皆さんを含めて、子どもに関わる方すべてです。フィールドは、家庭も地域も含まれます。

千代田せいが保育園が、それぞれのご家庭の延長線上にあるホームですから。保育園から出かける公園や地域も、家庭から広がるホームです。

ではスクラムハーフのように「判断」が問われるのは誰でしょう?それは子どもの傍にいるすべての大人ではないでしょうか。

ただし集団があるのは、園のような生活の場に限られてしまう時代、社会になってしまいました。ですから、私たち保育者は、集団の中での「判断」を問われています。

さあ、ラグビーボールがラックから出てこようとしています。

スクラムハーフはどうしますか?また明日から、家庭と保育園とスクラムを組みましょう。

 

セアカゴケグモ(毒グモ)が隅田公園で発見!

2019/10/05

台東区の隅田公園、言問橋付近で毒グモ(セアカゴケグモ)が9月24日に見つかったそうです。すでに駆除ずみ、でしばらくの間周辺の立ち入りは禁止されています。25日に都環境局が情報提供し27日に千代田区経由で保育園にメールが届きました。環境省外来生物対策室が作った資料を添付します。それによると、このクモはオーストラリア原産で、大きさは0.7〜1㎝。全体が光沢のある黒色で、お腹に赤い斑紋があります(写真)。攻撃性はないそうですが、触ると咬まれることがあります。報告された症例は軽症です。全国に散らばっています。公園に遊びに行って、子どもが「クモだ!」と棒か何かでつついたり、触ろうとしたりすることがあるかもしれません。注意してあげてください。

セアカゴケグモ環境省

芋掘りの後も鬼ごっこ

2019/10/04

台風のいいところは、過ぎてしまえば尾を引かないこと。雨が止んだら、そのまま晴天になること。それを信じて芋掘りへ向かうと、その通りになりました。前線が降らす雨とは違って、タイミングさえ間違わなけれは、台風は読みやすいとも言えます。

高速道路で約1時間。9時半に出て10時半前には着きました。場所は京王相模原線の若葉台駅からすぐ近く、稲城市に隣接する川崎市の北端です。複数の農家が共同で経営している広い農場で、生活協同組合がバックアップしています。

ちょっと高台にあって、景色もいいこの農場、この時期はサツマイモと落花生の収穫を楽しめます。家族連れで休日の芋掘り、というのもオススメです。

さて、今日は一人2株を掘りました。朝まで雨が降っていたことが嘘のように土もすでに乾いていました。「ここは水はけがすごくいいんんですよ」と農家の方が言うように、足も濡れず、土の湿り気もちょうどよくて、子どもたちもほとんどを自分の手で掘り出すことができました。(子ども用軍手の準備、なかなか見つからない方もいらしたようで、お手数をおかけしまたが、用意していただいたおかげで手袋を真っ黒にしながら、一生懸命掘っていました。ありがとうございました)

土の中から赤いいもの姿が見えると「あった!」と宝物を見つけ出したかのように大きな声をあげる子もいます。半分ぐらいまで掘って、そこからが難してく「先生、手伝って!」と頼む子もいます。約20分ぐらいで、全部掘って、みんなで記念写真。やったね!といった、いい顔をしていました。

幼稚園や保育園で芋掘りをやるようになったのは、いつからでしょう。実は私が通った幼稚園のアルバムに、芋掘りの写真があって、大きな口を開けて蒸かし芋を食べている様子が写ってるいます。1964年、遅くとも東京オリンピックの頃には、芋掘りがあったことになります。

芋掘りの後は、「お腹減ったあ!」の何人かの声に応えるべく、お家の人に作ってもらったお弁当の時間。芋を掘った場所から100メートルほどの公園で食べました。顔になったおにぎりなどを嬉しそうに見せてくれます。お弁当を作ってもらったことが、本当に嬉しそうです。丸く輪になって、古野、小林、私も一緒に輪になって、お話をしながら昼食タイムを楽しみました。

12時過ぎには昼食が済んだので、同じ場所で体を動かして遊びました。竹林の山を切り開いた斜面には、落ち葉がフカフカの絨毯を作り、登っては降り、降りては登って、走り回るだけでも「面白い」場所です。

ひとしきり、走り回った後で、鬼ごっこをしました。私たち大人3人が鬼になって、子ども8人が一斉に駆け上がってきて、鬼にタッチされずに通過できたら勝ち。単純なルールですが、これが盛り上がりました。鬼の隙間を突いて駆け抜けていきます。坂の斜面で左右に動くので、かなりの運動量ですし、その幅で通り抜けられそうかどうか、いろいろ考えて動かないといけません。らんらんさんたちにぴったりの鬼ごっこです。

午後はかなり気温も上がったので、水筒のお茶での水分補給を忘れないようにします。全員の子の水筒が空になりました。園から運んだお茶で水筒に補給します。こんな場所が園のそばにあれば、とつい思ってしまいます。そんな思いは私だけでなく、Uくんが面白い表現をしました。

「ここ、保育園に持って帰りたい」

子どもの口から自然と溢れる「楽しかった」と言う言葉が、なんとも自然な口調です。子どもが楽しかったと思った時、誰に語るわけでもない、自然なつぶやきを何人からも聞くと、遊びこんだあとの顔って、こう言う顔をするんだなあ、と改めて気づくことができました。いい顔でした。そして、帰りのバスはグッスリ、夢の中でした。

心残りなのは、今日、お休みをせざるを得なくなったお友達のこと。今日に限らず、どなたにも言えることですが、楽しいことは、いっぱいありますから、まずは、保護者の方が、あまり残念がらないで下さいね。「それくらいのことは、いくらだってあるから」と前向き、楽観的になれる「レジリエンシー」を育てることは、とても大事です。そのチャンスだと思ってください。子どもは引きずります。仕方ありません。でも子どもの気持ちに共感してあげることは大事ですが、大人はその気持ちに巻き込まれないようにしましょう。

 

 

和泉公園の原っぱで鬼ごっこ

2019/10/03

子どもたちは正直です。やりたいこと、好きなことがはっきりしています。そこに遠慮や屈折は、ありません。今日「佐久間公園と和泉公園とどっちがいい?」と聞くと、「和泉公園!」という返事しかなかったそうです。今のわいらんの子どもたちには、今後、この質問は必要がないのかもしれません。私は3人目の保育士として一緒に「和泉公園」へ行ってきました。

広い原っぱ、大型のアスレティック遊具、砂場、この3つのゾーンがしっかりと分かれているので、子どもも遊びが選択しやすく、また私たちも好都合です。何が好都合か? 今日はその話になります。

◆鬼ごっこを園で広げ、深めます

1日(火)の午後、鬼ごっこ協会の羽崎貴雄専務理事に園に来てもらい、10月26日の「親子運動遊びの日」に向けた「鬼ごっこ」研修をしました。羽崎さんは以前から知っている方で、前の園の時代に「鬼ごっこ」の面白さと深さを教えてもらいました。千代田区の公園や校庭に行けば子どもたちが「鬼ごっこ」をしていると言われるようにしたい。それが目標です。そのためには、まず千代田せいが保育園の子どもと保護者が「鬼ごっこって楽しい!」と本気で感じてもらう必要があります。

◆ころところと(子取ろ子取ろ)

和泉公園の芝生広場は、鬼ごっこにもってこいの場所です。今日は単純な鬼ごっこと、ハンカチ落としをやりました。鬼に捕まらないように(タッチされないように)逃げる。この単純な遊びは、羽崎さんによると、いろんなバリエーションがあって、現在は3000種類以上にもなるそうです。しかも元を辿っていくと、日本の1300年前の文献に登場するそうです。鬼ごっこの起源は古く、最初の原型は「ことろことろ」という、鬼が子どもを取ろうするのを親が守る、という「親・子・鬼」の三角形からなっていました。親子遊びの日は、それもやる予定です。

◆追っかけることが楽しい段階

まずは子どもが「鬼ごっこ」を面白い!と本当に思えることが大事です。大抵の保護者は子どもは鬼ごっこは「やったことがある」「知っている」と思っているのですが、実は、本当の面白さ知らないでいる大人がいっぱいいます。追っかけることが楽しい、という段階から、いろいろな鬼ごっこを経て、小学生が夢中になって遊べる陣取り鬼ごっこまで、そこには、社会になって必要なスキルがいっぱい詰まっているのです。

◆鬼ごっこは「役割交代」のある遊び

まず鬼ごっこはロールプレイングゲームになっています。鬼にならずにいること、鬼になって追いかけること、この役割を交代しながら遊びます。この体験を十分にしていないと、レンジャーもの、戦いごっこに、悪者役がないと面白くない!と思いません。交代する鬼ごっこをいっぱいやらないとロールプレイになりにくいという、ここにも遊びの発達段階がありそうです。

◆「ハンカチ落とし、もう一回やる!」

タッチ以外にも鬼になったり 鬼から人間に戻ったりします。氷鬼やバナナ鬼のように鬼ではなくなる、解放される方法が、種類によっていっぱいあります。ハンカチ落としも、実は「鬼ごっこ」の一形態です。今日はそれを数人で楽しみました。遊び方を覚えると楽しくなって、先生がそろそろ別の遊びをしたくなったんじゃないかと聞くと「もっとやる!、ハンカチやる!」というので、こちらも嬉しくなりました。

◆知恵を出し合って協力する陣取り鬼ごっこ

ちょっと高度な鬼ごっこは、鬼に捕まらないように、考えたり声を掛け合ったりするものがあります。「宝集め」というものですが、これも「親子運動遊びの日」にやってみましょう。鬼ごっこは、知恵を使い、コミュニケーションを伸ばすことに役立ちます。このような遊びをたくさんするようになった時、きっと子ども同士の関係も変化していくだろうと思います。サッカーチームの指導者をしている区の方が「最初は鬼ごっこをいっぱいして遊ぶんですよ。サッカーをやるにしても、ほかのスポーツにしても、鬼ごっこをやっていないと、基本ができないんですよ」と言います。それほどに、大事な外遊びが鬼ごっこなのです。

◆和泉公園の3つのゾーン

というわけで、鬼ごっこをするには「和泉公園」はふさわしい芝生があること、しかも、疲れたり、ちょっと飽きたらアスレティック遊具や砂場もあって、それぞれでも遊び込めるようになっています。この公園はとても好都合なのです。何度でも言いたくなるのは、「子どもは隅っこと原っぱが好き」です。そして「子どもには知恵と原っぱを」です。

 

 

わいらんが木場公園で自分好みの遊具で遊ぶ

2019/10/02

冒険広場は、子どもたちにぴったりの遊びを選べるようになっていることに、今更ながら気づきました。それというのも、今日は「自分好み」の遊具を思う存分遊んでいたからです。この冒険広場はわい、らんにとって2回目です。ですから、前回はどこにどんな遊具があるんだろう?と、一通り、満遍なく遊んだ時間が長かったし、どんぐり拾いの時間も長かったので、「これだ!」と、やりたい遊びにぴったりのものをまだ見つけていなかったかもしれません。今日は、ターザンロープと、直方体のキューブに縦にロープが貫通したロープバランス遊具に人気が集中している時間がありました。

私たち保育者は、1つの遊びしかできない遊具よりも、多様に遊べるものが、いい遊具だというイメージを持っています。

ここには、傾斜や長さ、幅の異なる数種類の滑り台があって、わいわいのYちゃんは、階段を登っては滑り台を滑り降り、その後、わざわざ大回りをしながら走ってまた階段を登ります。それを何回繰り返したことでしょう。7〜8回はやっていたと思います。千代田せいが保育園には、どの園にもありそうな、滑り台とブランコがありません。Yちゃんは、ここぞとばかりに滑り台を満喫していました。「やっぱり、滑り台くらいはないとなあ」と、その遊ぶ姿を見て思いました。

「ちょっと難しそう、でも気になるなあ、できるかな、ちょっとやってみたいんだけど、できないと思うんだよあ、どうしようかなあ」。こんな呟きが聞こえてきそうなSくんですが、「そばにいてあげるから、やってごらん」というと、やってみて、楽しそうです。「やったね、できたね!」というと、にっこり笑ってから、また最初のところへ走っていきます。もう一回、やる!というわけです。

どんぐりも大粒でピカピカの、独楽やヤジロベーにしたらカッコ良さそうなのが所々に落ちていました。「ビニール袋ちょだい!」と何人もいうので、その子たちに取っては「自分のもの」というつもりで、集めていたようです。園に着いたらビニール袋に名前を書いてあげました。どんぐりは、冷凍庫で一度凍らせれば、中にいる虫も天国で凍ってくれるので、虫が心配ならそうするといいでしょう。

どんぐりは縄文人にとっては主食でした。約1万年間それが続いたのが、青森の三内丸山ですが、大きなどんぐりの大木でできた櫓が再現されています。スダジイの仲間やマテバシイなどの一部のどんぐりは、タンニンの含有率が低いので、渋みが少なくて炒って食べることができます。それ以外は、あく抜きをしないと食べられません。そこで縄文人は土器で煮込んでから食べていたと考えられています。あの過剰な装飾美が面白い火焔土器です。

この時代は、まだ農耕が始まっていません。米や麦を食べるようになる前の時代です。どんぐりは長い人類の歴史の中で、主食だった時代があるわけです。どんぐりを粉にして、クッキーなども作ってみたいと思います。

10月1日 後期の保育が始まりました

2019/10/01

◆より密度の濃い時間を過ごしたい!

10月1日。いよいよ今年度も「後半戦」が始まりました。マラソンなら折り返し地点を通過です。一月ひと月を積み重ねていくと、その1ヶ月の重みは、減っていきます。最初の一月は100%だったのに、2ヶ月で50%、3ヶ月で33%、4ヶ月で25%、5ヶ月で20%、6ヶ月で17%になります。この割合は、何を意味するものでしょうか。何かと相関している気がします。何かが希薄になっていく感覚です。

私はこの感覚に強く抵抗したい思いです。例えば、残された時間が減っていくように思いたい。洗練された時間の過ごし方をしたいからです。そのためには、この逆数を考えてみたい。返って密度が濃くなっていくような時間の過ごし方をしたいものです。6ヶ月の重み17%の逆数は約6ですから、1ヶ月目よりも6倍の密度で生命を燃やしたい。

◆工藤勇一校長は「信念の人」でした

そんなことを感じるのは、今日、麹町中学校の工藤勇一校長に会ってきたからかもしれません。午前中、藤森統括園長と苦情解決制度第三者委員の伊藤聡さんと3人で、1時間20分、歓談してきました。この日記でも紹介したことのある書籍『学校の「当たり前」をやめた。』は3人とも読み込んでいたので、そこには書かれていない麹町中学校の実像をお聞きすることができて、とても有意義な時間でした。

藤森統括園長も自身のブログ「臥竜塾」(園のホームページの下段にアイコンがあります)の7月28日から8月19日まで、長期間にわたって、この本の内容を紹介しています。

工藤校長は「信念の人」でした。本の帯にも書いてある「何も考えずに当たり前ばかりをやっている学校教育が、自分の頭で考えずに、何でも人のせいにする大人をつくる」ということへの公憤を持っている「挑戦者」でした。今日の話の中で、最も印象に残っているのは、「学校が変わらないと社会は変わらない」という力強い言葉でした。

◆乳児も戸外散歩の範囲を広げていきます

子どもたちはこの半年で大きな成長を見せてくれています。そこで、幼児の子どもたちが「和泉公園」への散歩が可能となってきたように、乳児もバギーを使って昭和通りを越えて、美倉橋児童遊園や佐久間公園、あるいは和泉公園まで出かけてみようと、計画しています。いくつかあるルートのうち、交通量の少ない安全なルートを選びます。

 

また岩本町の交差点を渡る時には、交番と連絡を取った上で実施します。無線機を携帯していますので、保育園との連絡をいつでも取ることができます。

◆署名要望(横断歩道への信号設置と歩道橋の手直し)への回答を要請しました

秋の交通安全期間でもあり、要望内容への回答を求めました。現在、千代田区として、正式な回答を準備中だそうです。もう少し時間がかかりそうです。

◆山上ビルの解体もかなり進む

隣のビルの解体は順調に進んでおり、残すところ、1階の瓦礫の運び出しまでになりました。これまで見えなかった園舎の西側が見えるようになりました。

「子どもの早起きをすすめる会」の研修会に参加

2019/09/30

29日(日)午後、国立オリンピック記念青少年総合センター(オリセン)で「子どもの早起きをすすめる会」主催のシンポジウムがあったので、小林先生と2人で参加してきました。

この会の発起人が、園医でもある「瀬川クリニック」理事長の星野恭子先生です。「すすめる会」は2001年発足で、来年20周年を迎えます。この会は、文部科学省が1996年に始めた「早寝早起き朝ごはん」全国運動を担う団体の1つで、現在約300の団体が協議会に加盟していますが、その中でも乳児の睡眠リズムの重要性を小児神経科の専門的立場から、実践に活かす活動を推進している中心的な組織です。

今回の研修テーマは、子育て支援者向けシンポジウムで「睡眠リズムは乳幼児から整えよう」というもの。今日の主なトピックは「夜泣きで困っている時どうしたらいいか」「何ヶ月から夜の授乳は必要ないのか」など、子育て中の親ならほとんどが悩んだことのある事例ばかりでした。

その医学的根拠については、足達淑子(あだち健康行動学研究所所長)先生から「赤ちゃん夜ぐっすり眠って〜新生児時期からのらくらく睡眠習慣づくり〜」と題して、また支援の実践事例については、清水悦子(茨城キリスつ教大学助教)先生から「赤ちゃんの眠り〜支援活動の国内動向にみる様々な支援のかたち〜」と題して、報告がありました。

乳児の夜の睡眠は、細切れだったのが、だんだん夜にまとまってきます。足達先生によると、赤ちゃんは生後6ヶ月で「午前と午後に1時間程度の昼寝をして、夜の睡眠時間は12時間程度に」まとまって寝ることができるそうです。夜に授乳の必要はなく、夜泣きがあってもすぐに抱っこや授乳をしないで様子を見て、また寝るようならそれでいいそうです。

睡眠リズムは子どもだけではなく、母親も夜の睡眠不足や乱れにつながっていることもあります。母親への支援のあり方について、清水先生は「正論は返って親を追い詰めて負担になったり、傷つけてしまうこともあります」とあくまでも個々の子ども、赤ちゃんの様子をしっかり把握することを大切にしてほしい、と言います。

今日の学びの要点は、こうなりそうです。まず、確かに赤ちゃんにとって望ましい睡眠リズム、生活習慣というものがあります。そうでなけれは、国民運動など必要ないでしょう。それには相当の医学的な根拠、社会学的なエビデンスが揃ってきています。その一方で、これまでの日本での常識や習慣、あるいは助産師会や保健所の指導内容などと異なるように聞こえる部分もあります。どっちを信じたらいいの?という戸惑いが生まれることもありそうです。

そうすると、これらの知見を整理した上で、安心して子育てができるように、それぞれのオーダーメイドの生活習慣作りが大事だなぁと思います。保護者のみなさんと、率直に話し合いながら、一緒に考えていきましょう。

運動会について

2019/09/29

◆運動会シーズン

運動会の季節です。昨日28日(土)は、和泉小学校の運動会でした。土曜日の保育に来ている子どもたちが、見てきました。千代田せいがの子どもたちも何人かいたようです。

また姉妹園の運動会も昨日でした。新宿せいが子ども園です。私はそちらで「雑巾掛けリレー世界大会の審判員レフリー」として参加しました。もちろん「ごっこ役」の中での話です。新宿せいがの運動会は13回目になりますが、毎年、園の隣にある落合第四小学校の体育館を借りていましたが、数園前に定員が1.5倍に増えたことをきっかけに、小学校の隣の、より大きな中学校の体育館に変わりました。

◆乳幼児期の運動会は体育館がふさわしい

体育館で行うのは、赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちなどもあるので、砂ほこりや暑さ対策、雨の時の級な会場変更なども苦労が大きいからです。乳幼児の運動会は、体育館がふさわしいと考えています。そういう判断から、社会福祉法人省我会の運動会は、現在4園とも小学校、あるいは中学校の体育館で行っています。気象変動の影響もあって、台風の多い9月や10月に、なぜ風物詩的に運動会を行うのかという「当たり前」を疑うことも必要です。

◆参加すると運動がもっと楽しくなるように

そんな議論を経て、私たち省我会は、運動会の目的と内容を、常に見直してきました。運動会は、「運動の会」です。この行事で最も大切にしなければならないのは、この行事を通じて、普段から楽しんでいる体を動かすことがもっと楽しくなるようにすることです。運動会の時期が近づくと、幼稚園や保育園に行きたくなくなるというのは、全く本末転倒です。運動会がくるのが楽しい、運動遊びをもっとやりたい!という気持ちになってもらいたいと思います。また、運動会が楽しかった、またやりたい!、もっとやりたい!という意欲的な気持ちが育つような日にしたいと思っています。

◆十分な運動遊びがあってこその身体の育ち

千代田せいが保育園には、園庭がありません。近くに野山もありません。里山があるわけでもありません。そんな環境があれば、普段から鬼ごっこやかけっこ、かくれんぼをしたり、芝生の上で転がったり、土の斜面を駆け登ったり、山道をふうふう言いながら登ったり、急な坂道を綱を引っ張って登ったり、高いところから飛び降りたり、こぶしや桜の木に登ったりできます。

こんなことをたくさんやっていたら、運動会で運動面の発達を見せることに意味があります。開園してまだ半年です。4月はほとんど外に出ることができず、5月6月7月にやっと外遊びを増やしてきました。また暑すぎる夏は、そこに出ることすらできない天気が続きました。そして9月中旬になってやっと気持ちよく外に出て遊べるようになってきました。和泉公園に散歩に行けたのが、9月19日です。

(この日は、いろいろな意味で、開園から半年の現在地点を図る、メルクマール、基準点になっています)

◆個人競技

さて、このような現状の中で、今年は姉妹園がやっている通りの運動会を開くつもりはありません。昨日の新宿せいが子ども園の運動会では、平均台や巧技台を駆使して、バランスをとったり、雲底でぶら下がったり、鉄棒を前回りしたり、跳び箱を跳んだり、マットの上で前回りしたりします。

ちっち組からすいすい組まで、自分にあった高さや難しさを「どっちにする?」選んでから、やります。らんらんさん(4歳)ぐらいの跳び箱は、走っていって両足を広げて、跳び箱の上に乗る、というところぐらいまで。すいすいさん(年長)になると、4段や5段を飛び越える子どもが増えてきます。

これらは「個人競技」といって、一人ひとりの運動面の発達の姿を、その種類ごとにじっくりと見てもらう種目です。競うこともしません。「僕(私)、こんなことするのが好きなんだよ」という感じで、やっていくのですが、それは、千代田では、今からもっと、いろんな遊びをたくさんやってから、来年の運動会でやりましょう。

◆かけっこ

もう1つの種目に「かけっこ」があります。赤ちゃんから幼児まで、クラスごとに順番にやっていきます。寝返り、ずいばり、はいはい、つかまり立ち、手押し車、かけっこと、「人が立って歩き走るようになるまで」を見ていきます。すいすいさんはリレーで「勝負の世界」を体験します。年中ぐらいになると勝って嬉しい、負けて悔しい!という気持ちを味わうことができるようになります。実は、わいわいぐらいまでは、あまりそれは実感できません。年長ぐらいになると、勝つために作戦を考えたり、練習をしたい!となったりします。

◆親子競技

そして3つ目の種目が「親子競技」です。これはクラスごとに「親子で体を触れ合って楽しむ」ものです。車に乗ったり、何かになったり「つもり」「ごっこ」の世界で楽しみます。また幼児だけは、お昼のあとに午後のレクリエーションも楽しみます。

◆10月26日(土)の運動会は

そこで、千代田せいが保育園では、まずは、もっともっと、体を動かして遊ぶことが「こんなに楽しいんだ!」ということ、存分に体験したいと思います。そのためには、その楽しさを保護者の方も、実際に「親子で」体験していただこうと思います。イメージしやすいのは、5月の親子遠足の午後、和泉公園でやったレクリエーションです。基本はあれを存分に楽しみましょう。

繰り返しますが「運動会」は、せっかくご家族の方がたくさん参加されるので、親子で、あるいはご家族で運動遊びを楽しむ機会にしてもらうつもりです。千代田せいが保育園の運動会は10月26日ですが、今のところ「和泉公園」で親子運動遊びを楽しむ予定です。芝生や土の上で運動しますので、ご家族の方も、身軽に体を動かしやすい、汚れてもいい格好で、お越しいただくつもりです。

◆まずは体を動かす運動の伝統的な遊びを体験しましょう

当日は鬼ごっこや相撲など、日本ならではの、また地域ならではの遊びや運動を楽しみたいと思います。今のところ「いろんな物はいらない。原っぱさえあえば遊べる!」「子どもには知恵と原っぱを!」の基本を確認できるものにしたいと思います。天気が怪しくなったら、和泉小学校の体育館です。いくつかの普及団体コラボを予定しているので、その内容によっては、最初から「体育館」になる可能性もあります。

 

半年の垢と埃をキレイ、サッパリ

2019/09/28

 

28日土曜日は、この半年の間に汚れた天井の換気扇を全部、分解して清掃してもらいました。トイレの中も含めて換気扇が10台あります。24時間、ずっと動いているので、キレイにしました。

また、お昼寝のマットや遊びのゾーンに敷いてあるカーペットも洗濯洗浄しました。また10月から清潔な環境で過ごしましょう。

10日の「コーヒーでも飲みながら」は、まず「わらす組」

2019/09/27

保育の質は、子どもの姿で決まります。それは今の姿であり、その姿に「その子らしく意欲的に」何かに向かい合い、取り組んでいるものがあれば、その子は、生きていく力を育てていることになります。しかも、それが関わっている仲間や友や家族と「共にあるという心」をと持ち、周りの世界がより良くなることに貢献することができたら、幸せなことです。「思いやりのある子ども」とは、人や世界がよりよくなるとこを喜べるこころをもった子どものことです。

こういうことができる仕組みを持っていることが、組織マネジメントとしては必要であり、保育の質を評価するときの柱になります。

ところが何故か、子どもの心の育ちを問う理念や視点を吟味しないで、どんな遊びや活動をやっているかだけで、つまりカリキュラムだけで、保育の質が語られることがよくあります。「子どもにこんなこともさせてほしい」「こんな体験も大事だと思います」と言った語りです。

そのとき注意したいのは、そうしたカリキュラムや体験を、子どもの実態や状況を抜きにして「させよう」とすると、子どもがやることが嫌になり、意欲をなくしてしまうという事態が起きやすいことです。保育とは、どの子にも体験させたいことを、子どもには偶然かのように出会わせてあげることです。環境を通した保育は、やるタイミングを子どもに選ばせることを大切にしているのです。

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