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園長の日記

午前4時現在、東京湾通過中

2019/09/09

東京電力の雨雲レーダーによると午前3時50分現在、台風15号の中心は、東京湾辺りを通過している模様です。都内はかなり強い風と雨が続いています。

 

もうすぐ関東へ上陸へ

2019/09/08

東京電力の雨雲レーダーによると、8日午後10時現在、台風15号は時速20キロでゆっくりと北上中。もうすぐ深夜に関東に上陸する模様です。

JR在来線、始発から朝8時まで運休

2019/09/08

本日8日午後6時の天気予報によると、台風15号は今夜遅くに上陸し、明け方3時ごろ神奈川県、昼前までに関東(東京)を通過します。

朝の登園時刻は、安全確保を優先して決めましょう。

◆記録的暴風となるおそれがあります。

◆明日9日の明け方までに、1時間で80ミリの猛烈な雨のおそれ。夕方までの24時間で250ミリ(多いところ)と予想。

◆雨、風ともに午後9時頃から明日朝にかけて警戒してください。

◆JR東日本は、全ての在来線で午前8時まで運休します。

◆雨雲の動きは、東京電力の観測レーダーも参考になります。

http://thunder.tepco.co.jp

 

 

今夜関東上陸、深夜に都心を通過か

2019/09/08

本日8日(日曜日)正午の天気予報によると、台風15午後は今晩9時ごろに伊豆辺りに上陸し、深夜2月ごろ都心を通過する予想ルートにあります。朝6時ごろは北関東に抜けているでしょう。

ただ猛烈な風が深夜から早朝にかけて吹きます。風速50メートルの風だと、トラックが横転、電柱やブロック塀が倒れています。怖いのは、耐震強度のない解体中のビルですが、確認すると、解体はほぼ1階の高さぐらいまで済んでおり、倒壊の恐れはありません。

今夜は午後9時以降の外出(歩行や車の運転を含む)は避けた方がいいでしょう。

( 1階の高さまで解体が済んでいる、隣のビル。写真は園の屋上から)

明日9日(月)台風15号の予想

2019/09/08

今朝8日(日)7時の天気予報によると、台風15号は今日の深夜、関東に上陸します。最大瞬間風速45メートルから60メートルの暴風圏が東京を通過します。猛烈な風や雨が襲います。登園時間帯には関東北部に抜ける見込みです。

ただし、夜間に猛烈に雨が降り風が強まります。今夜は外出を控えて下さい。また、それまでに対策は済ませましょう。私は神田川の水位が急上昇、風による電線の切断・停電が心配です。また電車の運行取りやめ(東海道新幹線は6時以降に取りやめ決定)などの最新の情報を確認しましょう。

保育園は通常どおり、開園します。台風通過後に安全を確保しながら、登園してください。

昨日から「園のニュース」で台風情報と園の対応方針を案内しています。これから約6時間ごとにお伝えします。

 

来週は晴れたら6時から屋上でお月見会です

2019/09/07

台風15号が過ぎてしまえば、真夏の青空が広がるでしょう。9月の日没時刻はだいたい、6時ごろです。天体望遠鏡を使って、親子で月面を観測しましょう!

 

(屋上からは、ビルに隠れて見えませんでした。写真は歩道橋の階段からです)

 

昨日6日の午後6時過ぎ、南の空に半月が昇っていました。上の写真です。西へ日の入りした太陽と、ちょうど90度の位置にあるので「お月様は、半分だけ日が当たっているから、半分だけ明るいんだね」。園児たちは、まだこの空間的な位置関係はわかりません。上弦の月なんていう言葉も知らなくてかまいません。しかし、お月様はじきに丸くなることを実体験してほしい。そのとき「出た出た月が、まーるい、まーるい、まん丸い、お盆のような月が」の歌詞の意味が迫ってくるはずです。

(今夜7日は、こんな感じでした。左の方がやや膨らんでいます)

月は毎日、少しずつ東の方へずれていくので、日没後に屋上から月が見えるでしょう。9日月曜の夜は、台風一過、綺麗な11夜の月を望遠鏡で観測できるといいのですが。13日(金)が満月の15夜ですから、ちょうど太陽はちょうど真西に近いところに沈み、月は180度反対方向の真東に近いところから昇ってきます。

 

 

自分を見つめる力

2019/09/06

一日の時間の中で、素晴らしい景色をたくさん見たときに、どの景色を絵にしようかと悩むのに似ています。何が似ているかというと、今日の日記に書く内容です。たくさんの素敵な出来事が起きています。園生活の中の、そうした人生の色模様の、どこをピックアップしたらいいのか迷ってしまいます。

◆謝れる勇気を持つこと!

わいらんすいの保護者会資料に、これから全体で進めていくことが箇条書きされています。

〈自律と自立〉

①心のコントロール(心の自律)

②自分のことを自分でやる(行動の自立)

〈自己確立〉

⑦自分を見つめてみる(個人内対話)

⑧自分の思いや考えを表出する機会の充実(対人対話)

〈保育方法〉

④発達に即した経験の充実(保育の基本)

⑥お手伝い活動を通して自身や自分を意識するような経験(人的環境としての異年齢保育)

⑤ピーステーブルの保障(シチズンシップを育てる空間環境)

③一人ひとりの姿を家庭とともに捉えてともに関わっていく(家庭との連携)

⑨バス遠足を通しての探求(保育環境の充実)

・・・

この中で、①心のコントロール⑦自分を見つめてみる、という体験を子どもがする出来事がありました。

朝の運動遊びで、他の子の自由を守らないで勝手に自分のわがままを押し通し、最初に守ると約束したことを、分かっていながらやろうとしない姿を叱りました。

独占したがり、譲り合えない幼さが集団の中ではばを利かすと、ルールを守る繊細な子たちが「保育園に行きたくない」と感じてしまいます。

自分のやっていることは許されないことだと理解した子は、謝りに来たので「よく謝れたね」とその勇気を褒めました。子ども同士の中で、相手がどう感じているか、共感する力を育てる必要があります。

◆幼児のプール納め

屋上のプールは今日のプール遊びで、一旦区切りをつけました。暑い日は、水遊びをすることもありますが、屋上は徐々に秋の遊び場へと切り替えていきます。

◆須田町二丁目町会の納涼大会

柳森神社の前からガード下あたりまで、町会主催の納涼大会があり、わいらんの子たちが「子どもコーナー」で遊びました。

 

色の探求が始まろうとしています

2019/09/05

皆さんは「色」がどうしてあるのか、説明できますか?この質問の意味がわからないかもしれませんね。聞き方がよくないですね。どうして、モノにはその色があるのでしょうか?こっちの方がいいですか? モノには色があるに決まっている、なんでそんなことを聞くんだろうと思われるかも、しれませんね。

では、こんな質問はどうですか。
空気はモノです。窒素や酸素や二酸化炭素でできています。では、どうして空気には色がないんですか?どうして透明なんですか?透明といえばガラスも透明です。水もそうですね。そこには「色」はないのでしょうか?雨は水です。水は透明です。では、どうして湯気は白いのでしょうか?水蒸気は透明なのにどうして雲は白いのでしょうか?どうして透き通った空なのに虹には色がつくのでしょうか?
モノを小さく小さくしていくと、なんでも分子や原子になります。ではその原子には色があるんでしょうか。もっと小さくして素粒子の世界に色はあるんでしょうか。ブラックホールって黒い色なんでしょうか。ホワイトホールと言うのもあるそうです。太陽からは地球まで、強烈な熱と光が届いていますが、その太陽は何色でしょうか。
私が何を言いたいのか、お分かりでしょうか。上の質問には、全て私なりに「説明」できます。でも、謎は深まるばかりです。色という世界が不思議でなりません。
今日、わい、らんの子たちが色遊びをやりました。いろんな色といろんな色を指で混ぜ合わせると、いろんな色になります。そして、知っている色の名前を呼んで、何かがわかったかのような気になって、そこで好奇心が止まってしまわないか、心配なのです。
でも、そんな心配はいらないようです。同じ黒に見えるけど、薄めると青や緑だったことに気づいたりしています。
最近の活動は「色」をめぐるプロジェクト学習のようになってきました。塗り絵の道具も多様化してみます。新たな色の世界の探求が始まろうとしています。

わらすの保護者会を終えて

2019/09/05

昨日4日は、わらす(わいわい・らんらん・すいすい)組の合同保護者会でした。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。クラスブログでも担任が「自律」などについて、大切な考えを述べていますが、私からは参加されなかった方のために要点をまとめて報告します。そのため順番は少し違います。また、昨日の内容の補足もあります。

<これまでの子どもの姿とこれから大切にしたいこと>

保護者会の冒頭のあいさつで、私からは今の子どもたちが「自分らしさ」がくっきりと表れているとお伝えしました。今その子一人ひとりが、どんなテーマを持っているかがよく見えてきます。好きなゾーンを明確に主張し、やりたいことをやろうとしています。その中に、一人ひとりの発達のテーマがよく見えます。それを、どんどん伸ばしてあげるために、必要な環境を用意して、充実した園生活ができるようにしながら心を豊かにしていきたい。

そして、これからどんな子どもになってほしいかというと、いろいろなことを期待したいところですが、その中でも最も大事なのは、自信を持つことです。自分自身が好きで、やろうと思えばやれそうに思え、いろいろなことに挑戦したいという意欲が湧き出てくる源になる自信です。何ががわかったりできたりしたからつく「条件付きの自信」ではなく、自分がそのままの自分でいいという「無条件の自信」です。そこを大切にしていきたいです。

<現状報告と今後の展望>

担任の小林から、プリントの内容に沿って、4月からの園環境、友達、保育者との関わり方の成長について説明しました。

これから全体で進めていくことは、心のコントロール、自分のことを自分でやる、一人ひとりの姿を家庭とともに捉えてともに関わっていく、発達に即した経験の充実、ピーステーブルの保障、お手伝い活動を通して自身や自分を意識するような経験、自分を見つめてみる、自分の思いや考えを表出する機会の充実 バス遠足を通しての探求などです。

<食事の様子についてビデオ視聴>

普段あまりご覧いただいていない食事の様子を、担任が撮影した動画で見てもらいました。

<幼児クラスのこれからの行事について>

◆園長から「保育体験と給食の試食」を提案

食事の様子を動画で見ていただいた後、私は保護者の皆さんに給食を試食してもらいたいという気持ちがあり、それができる方法の一つとして、半日の保育体験を検討中である、とお話しました。幼児クラスなら保護者がそばにいても大丈夫なので、保育士の仕事を体験してもらいながら、一緒に過ごしてもらい、食事も一緒に食べるという半日です。希望制で、受け入れ可能な日にクラスに一人か二人まで。改めてお知らせします。

◆9月の保育計画から

○ 9日(月)からの週は、午後6時ごろが日の入りなので、暗くなってから晴れた日は屋上で天体望遠鏡による月の観測をします。暗くなってからのお迎えの方は、親子で天体望遠鏡での「お月見」を楽しみましょう。曇りでお月様が見えないときは中止です。10月にも実施します。ちなみに十五夜は13日(金)ですので、その日は「お月見」にちなんだ給食です。

○バス遠足は11日、18日、25日でいずれも水曜日。公園をフィールドにして、いっぱい秋を見つけてきます。

○20日の引き渡し訓練は、地震を想定した防災教育、防災訓練をします。また詳しいお知らせをします。

◆10月30日(水)の保育参観はバスで木場公園へ
保護者専用のバスを用意しますので、木場公園へ一緒に行きましょう。にこにこ組と合同です。

 

◆親子運動レクリエーション(10月26日)について

日程が変更になりご迷惑おかけしました。祖父母の方の参加も大歓迎です。園庭がないので、普段思いっきり走り回ることができていないので、和泉公園で思いっきりかけっこを楽しみましょう。また親子運動遊びには、伝承遊びの要素を入れたいと検討しています。祖父母の方が懐かしと思ってくださるような内容になるといいですね。

◆お泊まり会

らんらん組だけでもお泊まり会をしたい、川遊びに連れていきたいと考えていたのですが、色々と見通しが立たないことが多くて、年中さんによるお泊まり会は見送りました。来年の年長さんでは、ぜひやるつもりです。ちなみに姉妹園でも、お泊まり会は、年長さんだけです。

◆交流保育

姉妹園の新宿せいが子ども園(高田馬場)、せいがの森こども園(八王子市別所)へは、この秋、バスに乗っていきます。また、近くの保育園との交流も計画中です。

◆芋ほり(10月4日雨の時は18日)

小田急多摩川線「黒川」あるいは京王相模原線「稲城」近くにある黒川東営農団地(くろかわ あずま えいのう だんち)(川崎市麻生区)へバスでいきます。広々とした、気持ちのいい高台にある農園です。お弁当の用意をお願いします。

◆ギャラクシティ(足立区・西新井)11月19日(火)

大型アスレチック(丸い体験ドーム)のある施設。

◆お楽しみ会(12月7日)と餅つき、クリスマスデー、成長展(2月29日)

乳児は生活の再現遊び、幼児は劇遊びや合奏、合唱などを楽しむ様子をご覧いただきます。暮れには餅つき、サンタクロースがやってくるクリスマスデー、そして年が開けて2月の成長展と続きます。

<最後の質疑応答から>

◆昼食やおやつの喫食状況を知りたい

保護者1 昼食をどのくらい食べたか知りたい。それによって家庭での夕食の時の対応も変えていきやすいので。

園長 それは個人的にはやっていきたいと考えています。アンケートでもそのご要望がありました。ただし職員の業務負担になってほしくないのでいい方法を検討します。

保護者2 先生たちの負担にならないように、マル、サンカク、バツなどで簡単な印でもいいかもしれません。

<補足説明>

昨日の懇談の中では、あまり時間もなく、うまく説明できませんでしたが、基本的にはこう考えています。食事の量に限らず、何をして遊んだか、どうやって過ごしているか、お昼寝をしたかどうかなど、基本的には子どもが保護者の皆さんとお話をして理解しあえるコミュニケーションや親子関係を作っていきましょう。

例えば、お迎えの時に展示食を見ながら

「今日のご飯、これは美味しそうね、食べた?」

「うん、全部食べたよ! ピカピカ」とか、

「ううん、少しだけにした」

などという「会話」が成立していくと好ましいですよね。それが年長さんぐらいの目指す姿です。そのためには、展示食の位置が高すぎますね。すぐに子どもと一緒に見ることができる高さにしましょう。

でも、実際のところ、昨日の話にあったように、わいわんさん(3歳児クラス)やらんらんさん(4歳児クラス)ぐらいでは、まだ「子どもに聞いてもよくわからない」ということがあリます。昨日の保護者会の後、先生たちと話し合ったところ、現在はこれまでも、あまりにも食べなかった時は、お便り帳でお知らせすることにしています。でも、どの子も全員について、どのくらい食べたかを全員お知らせするのは、結構大変です。

自分たちで、簡単に示す方法とか、個別の対応を基本にさせてもらいたいと考えています。一律に全員の喫食状況をお知らせしていくのは、やはり職員の負担が大きいかな、と考えます。でも、子どもが一緒に伝えていける方法を探ってみます。

◆お昼寝の選択制について

私の方から、生活リズムを整えたいという提案をさせてもらいました。子どもの24時間の生活リズムをきちんと作っていきたいという話です。特に夜の睡眠時間、睡眠時刻が大事です。よく「早寝早起き、朝ごはん」が大事と言いますが、軽く考えないでほしいと申し上げました。2時間の延長保育をやっている保育園が、8時に寝てくださいというのは矛盾した話ですが、でも子どもの発達のことを考えると、基本は8時、遅くとも9時の就寝を心がけて欲しいのです。夜の10時から深夜2時の間はぐっすり寝ていて欲しいコアタイムです。この時間帯に成長に必要なホルモンなどの分泌なども活発になります。

人間は長い歴史の中で、明るくなったら起きて活動してお腹が減れば食べて、陽が沈んで暗くなったら寝ていました。長い時間をかけて体のリズムがそうできています。電気ができて夜もこうして過ごすことができるようになったのは高々この100年ぐらいのことです。そうした生活習慣の結果、様々な発達の問題が生じています。園医の瀬川クリニックの先生も、とても心配されていて、ぜひ早寝早起き、朝ごはん、運動などを大切にして生活のリズムを整えてほしい、そう訴えていらっしゃいます。

そうした話をさせていただいたところ、「お昼寝をさせないということはできますか」という質問がありました。基本的にお昼寝も、その子の持っている生活リズムに合わせて、園でお昼寝をしないで済む場合はそれでも構いません。幼稚園はお昼寝がないわけですが、保育園だからお昼寝を必ずしないといけないわけではありません。

基本的生活習慣の自立には、望ましい姿があります。睡眠の自立のイメージは、自分から布団に入り心地よく眠りにつき、心地よく目覚めると言うイメージです。いつまでもトントンしたり擦ったりしなければ眠れないと言うのは、本当の自立した睡眠の姿ではありません。布団に入って眠くなっても、甘えの欲求や、遊びの欲求が睡眠の欲求に勝ってしまうことがあります。私の子どもを私が寝せるときは、私も一緒に9時に寝てました。小林先生はブレーカーを落として、真っ暗にしているそうですよ。

<補足説明>

私の姉妹園の経験から言うと、お昼寝がいらない子どもは、3歳児で2割、4歳児で4割、5歳児で6割、6歳児で8割ぐらいです。ただ年長児でも、夏の水遊びやプール遊びをしている時期などは、普段お昼寝をしない子どももよく寝ていました。お昼寝をしなで起きている場合は、パジャマには着替えて、絵本を読んだりして静かに過ごします。それで眠くなるようだったら、お昼寝が必要です。小学生になるとお昼寝はしなくなります。そこで園生活でも就学する3ヶ月前、つまり年長の1月からは全員お昼寝をしません。

実際にお昼寝をしないで過ごしてみて、家庭ではどうだったか、早く寝るようになってよかったとか、あるいは夕食前に寝てしまって、返って夜寝なくなったとか、いろいろなことが起きます。園と家庭と様子を伝え合いながら、1ヶ月くらいかけて、園のお昼寝をどうするかを探っていくぐらいの気持ちで「午睡の選択制」は進めていきましょう。身体のリズムは、そう簡単には変わらないからです。

◆そのほか

清潔の自律で大切な事は、やった後にきもちよかったさっぱりしたと言う心地よい感覚から、毎日の習慣になると良いのです。最近顔を洗うと、気持ちが良いと言うようになったという話がありました。きっかけはわかりませんが、それはとても良いことです。気持ちが良いからやると言う動機は、習慣になりやすいのです。うがいや歯磨きも、さっぱりして気持ちが良いと言う感覚に注目するように促すと良いでしょう。

ちっち組の保護者会を終えて

2019/09/04

昨日3日は「ちっち組」の保護者会がありました。担任から、これからも大切にしたいことの説明がありました。それは、赤ちゃん同士、子ども同士の関係を大切にしたいことと、また心と心を通わせながら生活していくことを助けていきたい、そんな趣旨のことでした。もう一度、どうしてこの事が、そんなに重要なのか、再確認しましょう。

◆アロ・ペアレンティングとしての保育園
最近の人間科学は、脳科学や進化人類学からの影響が強まっています。心理学へも社会学へも影響を与えています。保育も例外ではありません。その動向にいち早く反応して保育実践のための理念構築に活かしているのが藤森統括園長です。これまで、私が学んできた概要を説明します。
まず、ホモ・サピエンスは子ども同士の関係のなかで成長してきました。親子関係がこんなに重視されるのは、つい最近のことです。何十万年もの間、ヒトは子育てを「産みの親」だけではなく、村中の人が助け合ってきました。とった食べ物も分け合ってきました。「共にあるという心」(山極寿一・京都大学総長)が、ヒトを人間にしてきたからです。
子育ては核家族でやるものじゃない。そうした認識が、社会にもっと広がるといいのですが、世の中のステークホルダー(政治と行政と経営者など仕組み作りのキーマン)に、まだ、そうした認識があまりないのです。
最近やっと【ペアレンティング(両親による子育て)から、アロ・ペアレンティング(両親だけではない子育て)へ】という言い方がよくなされるようになってきていますが、その根拠になっているのが進化人類学などの研究成果です。
実は昨日は午後、千代田区役所で「虐待防止に関する実務者会議」が開かれて、そのグループディスカッションの中で、私は「虐待が起きやすくなる核家族のあり方に焦点を当ててほしい。両親だけで子育てをせざるを得ない社会環境を見直しましょう。アロ・ペアレンティングのコミュニティを創りましょう」と提案してきました。
◆相手の意図を理解する
ちょっと脱線してしまいましたが、赤ちゃんが9カ月の頃、「9カ月革命」(マイケル・トマセロ)が起きます。
これは赤ちゃんが、「相手のやることは意図を持ってやっている」と気づけるようになります。「私のオモチャを取ろうとして近づいてきたな」「エプロンをつけようとしているんだな」「先生はミルクを飲ませてあげたいと思っているんだな」。こんな風に、こんなに小さいときから、相手の意図を読み取り、判断しています。
泣いて何かを訴えているときも、先生が気づいてくれないことに気づいていることが多いので、「なんでやってくれないの」っていう抗議の感情を感じること、ありますよね。これは画期的な発見です。従来から「心の理論」と言って、サリーとアンの人形実験の結果を引き合いに、子どもは4歳ごろに相手の心が想像できるようになると言われてきましたが、それは狭い意味の理解であるという限定がなされるようになってきました。私たち保育現場の実感と違い過ぎるからです。
◆注意を向けさせる行為としての指差し
この頃、よく指を指します。自分がそれに関心を持っていることを、相手にも伝えたくて指をさします。「あっち」といって、ママやパパが行った方に「連れてって!」という依頼だったり「行っちゃった」という確認だったりします。テーブルを叩いて「早く〜」と、ごはんをせがんだりします。
このことを、マイケル・トマセロは「自分の関心のあることへ、相手に注意を向けさせている」と捉えて、注意をくっつけていると考えました。英語では、ジョイント・アテンションです。日本語では「共同注意」と訳されてしまったので、子どもの持っているコンピテンシー(状況によって引き出される能力)のダイナミズムが伝わらなくなってしまいましたが、大事な意味は、子どもの方から能動的にジョイントさせようとするという自発性が含まれているということです。この原動力が、模倣という素晴らしい行為を生み出す力の源であり、自分が原因になって世界と関わっていくという話(ド・シャーム)になり、幼児のブログで小林先生が書いていたように、安全を満たした欲求が人との繋がりの中で自己実現を遂げていくという話(A・H・マズロー)と繋がります。
◆離乳の時期も9ヶ月ごろから始まっていた
そして霊長類の仲間の中で、人だけが離乳して妊娠できる生物学的進化を遂げています。他の霊長類は多産ではありません。子だくさんの家族を形成できたのは、家族同士の支え合いがあったからです。今ではとても想像できませんが、子どもがたくさんいても親が子どもに虐待をするなんてことはありえませんでした。その代わり、赤ちゃんの死亡率も高かったのですが。藤森先生によると、次の子どもを産むために離乳する時期が9ヶ月頃だったそうです。
◆脳の感受性の発達ピークも1歳前後
さらに、経済協力開発機構(OECD)などが注目する脳科学の知見が、今回の幼稚園教育要領や保育所保育指針の改定議論で使われた資料に見られます。そのグラフは次のものです。
このグラフを見てもらうとわかるように、ここで取り上げられている脳の感受性の発達のピークが1歳前後になっていることです。特に注目して欲しいのは「感情のコントロール」(ピンク色の曲線)です。人類は歴史的に子ども同士の関わりが生じていたから、その関係の中で「感情をコントロールすること」をいっぱい経験するようになっていったことと相関しているのでしょう。
◆子どもたちの関わりの中での学び
心を通わせていくとき、相手の意図を認知的に理解していくと同時に、相手と自分の感情の交流、つまり楽しくて笑顔で笑いあったり、面白くて声を出しあったり、できたことが嬉しくてパチパチと手を叩いたりしていますよね。
その反対に、困ったり、寂しくなったり、怒ったり、怖がったり、子ども同士の関わりの中で、いろんな気持ちを出し合ったり、共感しあったりしています。こんな経験をいっぱいしながら、感情をコントロールすることを身につけています。
このようなことが0歳児クラスの間に、あるいは育児休業中に起きています。子ども同士の関わりを豊かにしていく社会づくりが求められていると言えます。長く育児休業があるもの大事ですが、育児休業中に、毎日数時間でも子ども同士が楽しく過ごし、心を通わせる仲間があるといいですね。
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