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園長の日記

0歳からの入園をお勧めします

2022/09/23

全ての赤ちゃんが、0歳児クラスに入園してほしい。育児休暇が長く取れるようになったから1歳児クラスからでいいと思わないで、0歳から子ども同士の関わりを体験してほしい。そう思うことが、保育園をやっていると、強く思います。その理由はいろいろあるのですが、最も大きい理由は、子どもの成長、発達には満1歳前後からの、子ども同士の関わりが、とても大切な体験になっているからです。それは脳の発達からも人類の進化からも、自然なことになっているからです。そのようなことの積み重ねを、小さいうちから行っていくことがいかに大切なことかを、日本全国の子育て家庭に強く訴えたいという衝動に駆られます。

たくさんあるエピソードの中で、昨日のちっち組(0歳児クラス)のエピソードは、それをよく表していますので、いかにそのまま載せたいと思います。名前はイニシャルに、写真はイラストに加工しました。

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タイトル「取り合いっこも大切な経験に」

Yくんが、鏡を手に入れて遊んでいると、Rちゃんがやってきて、鏡をのぞいています。

するとだんだん、ふたりとも鏡で遊びたくなって…

『ちょうだ〜い〜‼︎』

でも、Yくんもまだ使っているので、再びしっかりホールドしています。

ゲットできなかった悔しさで大人のひざに顔をうずめにくるRちゃんでした。

「Rちゃんも、ほしかったのねぇ。。」
最近のちっちさんは、こんなふうにお友だちと玩具を引っ張り合いっこしたり、取り合って怒ったり…という姿が見られるようになってきて、春のころの小さい”赤ちゃん”から、だんだんと、ぐんぐんさんらしい姿も出てきたなぁと成長を感じています。自分の気持ちを思い切り主張し合えるようになってきたようです。

これからきっと、もっともっとたくさんケンカして、怒って泣いて、悔しい思いをして葛藤して…といろんな体験をしていくでしょう。
そんなときに、まずは、お互いの子どもの気持ちを言葉にのせて伝えてあげることを大切にしています。大人がジャッジしたり解決したりしようとするのではなく、あくまで、子どもたち自身が自分の気持ちや相手の気持ちに少しずつ気付いていくことができるよう・・・そして、子ども同士の気持ちのやりとりの橋渡し役となれるよう、支えていきます。
大人が「良い、わるい」…を判断して押し付けなくても、ほんとうは、子ども自身がよく分かっているのではないかな、と感じます。
実は、この取り合いっこの場面でも、Rちゃん、もう少し引っ張ったら鏡を取ってしまうことができたと思うのです。でも、すぐ引っ張るのをやめて、手に入れられなかった悔しさを大人に受け止めてもらいにきました。
こうやって、子どもたち自身、自分なりに(どうしようか)と選んでいるんだなぁと感じました。

気持ちを受け止めてもらったり寄り添ってもらったりしながら、その経験を重ねていく中で、子どもたちは少しずつ友だち同士でやりとりしていくことを学んでいきます。それは、とても時間のかかることですが、一つ一つが ちっちさんの頃からの積み重ねなのだと考えています。
そう思うと、ちっちぐんぐんの時期は、お友だちとのやりとりや関係を学び築いていくための、最も大事な時期とも言えそうですね。

このあと、にこにこ組のAちゃんとRちゃんが、ふたりでおしゃべりしながら鏡を覗き込んでいました。


この場面はこの場面で なんだかほほえましい光景ですが、このふたりも、これまで何度も何度もケンカして気持ちをぶつけ合ったり気持ちを通わせたり…という経験をちっちさんの頃から繰り返してきたはずです。

にこにこ組(2歳児クラス)の頃になると、こんな風にお友だち同士の関係もますます深まって、一緒に使ったり、取り合いになっても相談し合ったりできるような姿も見られます。
それは、ちっち組のみんなの数年後の姿でもあるのかもしれないですね。そんなことを考えながら、いまこの時期を、丁寧に大切に過ごしていきたいなぁ、と改めて思ったのでした。

子どもは自然栽培の味噌の「おいしさ」がわかる

2022/09/22

今日の給食のお味噌汁は、自然栽培で作った味噌を使いました。すると、ある子どもが「おいしい」と言って、おかわりをしました。どうも子どもは、この「おいしさ」の違いがわかるようなのです。子どもの身体はまだ自然に近いので、この違いをキャッチするセンサーがあるのでしょうか。この辺りの人体をめぐる科学は、非常に遅れており、身体についてはわかっていないことが、山ほどあります。この今日22日(金)のエピソードを聞いて、次のような話を思い出しました。自然栽培で作られた作物やその発酵食品(この場合は味噌)は、私たちの人体を自然の生態系の一部に戻してくれるという話です。ちょっと長くなりますが、人体と自然との関係を考えると、うちなる自然環境は、実は胃や腸だという話に遡ることになります。

私たちの体の<内部>はどこか?というと、胃や腸は<外部>であって、内部でないと考えることができます。口から肛門までは筒になっていて、外の環境に開かれています。口から物を食べて、肛門から排泄する。その途中で色々なものを体内に取り込んで、体内から不要なものを外の出すわけですが、この通り道の筒は、体の内部ではなく外部だと考えることができます。私たちの人体を大きな一つの筒、トイレットペーパーやサランラップの芯のようは円筒だと思ってください。

その人体の円筒模型は、もっぺらぼうではなくて、ビオトープのような生態系になっています。口と肛門という蓋がつているので、空洞部分の中身は、私たちの意志で開けたり閉めたりできます。ただその円筒の途中にも、幾つも開け閉めできる門があって、その部屋は閉じられています。口腔、胃、小腸、大腸、直腸などの部屋に分かれていると思ってください。その生態系は、例えると、口腔は石畳の庭の入り口のようなもので、食道は草むらの細長い道のようなもので、その先の胃は、洞窟になっていて中はうねるような林です。

さらにその後の小腸はまるで密林のようです。その中には、色々な液体が雨のように降っているジャングルのように湿っており、いろんな生き物が棲んでいます。乳酸菌やフェカリス菌、アシドフィルス菌、ビフィズス菌など、有名なものから、聞いたこともないような不思議な菌類がいっぱい棲んでいます。

私たちは自分の胃や腸を内部だと思っているので、ちょっと見当はずれなことをたくさんしてしまっています。私たちの本当の内部から見たら、この外部である胃や腸の中を、もっといい環境にしてあげる必要があるのです。それは棲んでいる部屋の空間をよくするのと同じように、外部である胃や腸の中をよくすることが大切なのです。最近、よく言われるようになった腸内環境を良くしようというのは、このことです。

すると、腸には口から入れても実は胃のところで強酸で分解されてしまうので、ほとんどの菌はそこで死んでしまいます。先ほどの羅列した菌たちは、腸のビオトープまでは辿り着けません。では、どうやったら腸内環境が良くなるのかというと、腸内環境を含めた円筒模型の中身を、自然の生態系に戻すことが必要になります。そのために、私たちは筒の中だけを問題にするのではなくて、筒の厚さの部分、つまり私たちの肉体、身体そのものを、内側から自然なるものに作り替えていく必要があります。その方法は、自然栽培の世界と私たちの身体を繋いでいくことなのです。

 

おうちでダンスを楽しもう!

2022/09/21

楽しく踊ろう 〜ハンデがあってもなくても〜サニーフラワーダンス

9月25日(日)午前10時から12時まで

ズームでおうちで参加できます(無料)

ダンサーのしばたいづみさんも一緒だよ!

最初の1時間は、お絵描きもするよ

親子でぜひ、ご参加ください。

(9月はコロナもあって、スタジオの参加はありません。

時間も10時からに変更しました)

お申し込みは、ここ↓からどうぞ。

ハンディがあってもなくても楽しく踊ろう♪ 無料オンラインダンスイベント

 

台風14号からの教訓は?

2022/09/20

台風14号は九州に上陸したあと、福岡あたりで進路を北東へカーブしだした頃から、台風の熱量は下がり勢力は低下し始めました。進路も関東直撃を免れた形となって、今日20日(火)は心配した状況を避けることができました。ただ、今回の台風は、備えの再点検を促しました。

千代田区は16(金)から情報連絡体制を構築したそうで、昨日19日(月)の夕方から災害対策課が、その後の夜からは道路公園課が区役所へ参集しています。市街地の点検は、青パトを使って道路や公園、土木事務所などを回り、雨水桝や排水溝を調べて道路冠水や街路樹の倒木などがないかを巡回したといいます。

保育園は、園内への浸水に備えて自動ドアの外側のシーリングと土嚢(水嚢)を用意しています。避難訓練は地震や火事を想定しているのですが今回のような風水害を想定した避難は、ライムラインに沿って、数日前から準備を始めて準備していくことになります。登園しないで自宅待機や遠方への避難などになりますので、計画的な見通しをもった避難行動のシミュレーションをしておくといいですね。

 

過去に例のない大型台風の接近に備えて

2022/09/18

9月18日(日)午後3時8分

保護者の皆さんに連絡アプリで以下の内容をお知らせしました。

「台風14号が関東に接近する明日19日(月)、千代田区は「状況」によっては、区立の全学校・園に休校等の指示をします。そうなったとき千代田せいが保育園も、区と相談のうえ休園とするかもしれません。もし、明日19日の間にその決定に至らなくても、20日(火)の朝6時の時点で、特別警報等が千代田区に発令された場合は、休園になるかもしれません。想定している「状況」とは、園児の通園の安全確保に支障をきたし交通機関の混乱等が予想される場合です。」

 

リメンバー・ミー

2022/09/17

今週水曜日の朝、事務室の近くで、「これ、かわいい〜」と言い合っている女の子が二人いました。何が可愛いんだろうと気になって話を聞いてみたら、チラシやパンフレットに載っているイラストや写真です。じゃあ、かわいいを探して何ができるか考えてみたら、というと、さ〜っと3階へ向かって昇っていきました。何人かの子どもたちにとって、「かわいい」は、興味関心のテーマになっています。幼児の先生にそれを伝えると、早速、イーゼルのホワイトボードに「かわいい」が真ん中の保育ウェッブを、子どもたちと作っていました。

ちなみにこの子たちは、その日のダンスでもかわいいものを探しているように、私には見えました。ダンスを見ながら、お絵かきをしていたり、参加しないパートでもにっこり笑ってかわいい、と言っていたからです。お支度コーナーには、切り抜かれたチラシが落ちていて、なぜかバーコードも丸く切ってありました。これも可愛いなのかな?と思ったり・・・

今週を振り返ってみると、納涼会の余韻を楽しむ、ということや大規模災害を想定した避難訓練や、子どもの興味関心をいかに「つながるようにするか」という園内研修など、いろんなテーマが並行して流れていた1週間だったなあと思います。その中でも、私にとって一つ共通して「心に刺さった」ことは、子どもも大人も「思い」が物事を前に進めるという当たり前のことです。

というのも、それがどこかで止められたり、誤魔化されたり、無視されてしまったりしていることが多いからです。言い方を変えると、人の思いはしっかり受け止められたり、聞いてもらえたりしないと、この世界で活かされるように「つながらない」ということです。その秘訣は「リメンバー・ミー」、忘れないで覚えてて!ということに尽きます。それがないと、人と人はつながらず、いつも最初からやり直し、ぼんやりと表面的な行動ができる、できないで終わる1日になってしまいます。

今週は人の思いの熱い方、共感力の強い方、情が深い方にお会いして話を伺うことができて、この人間性が保育の前提だなあ、ということを実感しました。他者の思いは思い出の中で生き続けると言うことです。「ねぇ、私の方を見て」と言う思いと、「ねぇ私のこと覚えてるよね」は、同じだと言うことです。しかも、思いの強い人だけに反応するのではなくて、子どもの些細な思いにも共感し、覚えている大人でありたいと思ったのでした。

その「強い思いが世の中を変える」という事実について、不思議なんですが、改めてそのことを受け止め直しているようなことが、私の中で続いています。今月に入って、同じようなことが続いているのです。物事を推し進め、課題を乗り越え、道を切り開くのは、このようは方々なんだな、ということが確認できたとでもいうのでしょうか、このような方々から心を動かされ、インスパイアされて世界が変わっていくんだろうと思います。

このことは、今日17日もある講演を聞いて、またそう思いました。その講演は大好きな西山厚さんという帝塚山大学文学部の客員教授の講演ビデオだったのですが、半蔵門ミュージアムでまた聞く機会を得ました。今日は「ブッダの涅槃図」の解説でした。以前もどこかでこの話をしたかもしれません。お釈迦様の80年の生涯には、誕生、成道、初転法輪、涅槃という、4つの大事なことがあるのですが、その最後の涅槃(ニルバーニャ)についてです。

お釈迦様が亡くなった時の様子を描いた絵「涅槃図」には、お釈迦様といつも一緒に行動した十大弟子の一人阿難(あなん)が、愛するお釈迦様が亡くなって悲しくて悲しくて失神して倒れている姿が必ず描かれています。「悲しさ」が仏教の心情の原点なのです。だから仏教は人に優しい。

母親摩耶夫人はブッダを産んで7日目に亡くなるので、ブッダは母親を知らずに育ちます。私が生まれなかったから母親は死なずにすんだ、私が生まれたから母親は死んだ、そう考えて悲しみ苦しんだに違いない感受性の強いブッダは、人の生の苦悩に共感し、そこから解放される道を探したのでしょう。それが悟り、つまり成道に至るのでした。・

・・そんな話を聞きながら、私たちは誰もがいつか自然に還える存在です、誰でもそれが早いか遅いかの違いでしかなく、死んでも心に残り生きていることを実感します。子どもたちも、そんなことを少しでも感じ考えることができるようになってもらいたいな、と考えたりした今週でもありました。

世界は人の思いの網の目でできている

2022/09/16

私たち人間を突き動かしているエネルギーは、人との関わりやつながりの中で生まれてくるものなんだ、ということを今日16日は体験的に実感しました。やはり人との出会いが感動的な人生を創るのですね。もうこれは間違いない人生の真実です。これがあるから、人生は豊かになるんだということを、実感した1日になりました。

朝は明日で終わる実習生と話し合い、保育士を目指して勉強を始めた専門学校の学生に実習を迎える心構えを伝え、流山市から見学にきた園長先生と主任の先生に保育園を案内しながら、子ども自身が見通しを持って意欲的に生活を作り出すために必要な保育者の意識と役割を見てもらいました。その大事なエッセンスは、今日のぐんぐん組(1歳児クラス)のクラブグログで描かれています。この子ども同士の関わりからうまれる成長の様子をぜひ見てほしいと思います。

その後、大急ぎで医療的ケアでお世話になっているフローレンス(神田神保町)へ。主任と看護師と出かけて、これまでとこれからのことについて、それぞれの思いを分かち合いました。とても有意義で濃密な、忘れられない時間になりました。急いで園に戻り、今週からきている実習生の日誌を読みながらコメントを書き、千代田区主催のブロック園長会にズームで参加して情報交換。小学校との連携、接続のあり方について約1時間話し合いました。

私からは、自分の中にある保育園、小学校、中学校と繋がっていく一人ひとりの学びのイメージに基づき、個別最適な学びのスパイルアップの道筋そのものが、架け橋プランになっていくようなカリキュラムづくりを提案しました。

夕方には区立のこども園を見学させていただき、千代田区のこれからの保育ビジョン作りについて情報交換しました。ちょうど昨日15日に千代田区主催の「就学前カリキュラム策定委員会」が開かれ、千代田区の保育の今後について4つの視点から話し合ったばかりだったので、千代田区が目指そうとしている子ども像と関連する「未来のための今のあり方」に関する保育の考え方を語り合うことになりました。

その後はまた別の場所に移り、保育の仕事を始める前の職場で一緒に仕事をした元同僚を交えての夕食会となり、現在の日本での新しい学校づくりの動向について情報交換したのでした。

1日のうちに園の職員以外の10人を超える保育関係者の、「熱い思い」に接すると、その思いの背景にあるそれぞの人生の重さを感じます。これらの相互作用が実際にどのようなことをこの世界に引き起こしているのかは、それぞれの個人からは俯瞰するはできませんが、世界がビリヤードの台だとしたら、球はダイナミックにぶつかりあって、動いています。目には見えないし音もしないものですが、確実に何かが動いているのだと思えます。よさに向かって修正されながら。今日の日記のタイトルは、副題があります。「そして、思いの強さが網の模様を大きく変える」です。

いつものダンス遊びを親子遊びにする「親子運動遊びの会」

2022/09/15

私たちの保育園で大事にしていることを徹底していくと、行事も従来のものとはかなり異なるものになっていきます。大事にしていることとは、まずは「自分らしく」という、一人ひとり違うよね、という部分。これが保育のベースになっていると考えています。小学校以降の学びでは、一斉授業がベースだった時代が長いので、あえて「個性化」といういい方をすることがあります。個性に「化」をつけないといけないあたりが、そもそも個性から出発していないことを表してしまうわけですが、それはともかく、これが大事です。なぜなら、その大事さの根拠は、個人の「尊厳」にたどり着く話だからです。この「自分らしくある」ということを保育の根底に据えます。すると、健康であることも、人との関わり方も、いろんな環境との接し方も、外的文化である言葉の内面化の過程も、そして自分らしさを表す表現も、どれもが自分らしくあることを大切にしていくことになるわけです。

今日からダンスの活動について各クラスのブログに、その様子を紹介しています。それは、このダンスという身体表現も「自分らしくある」ことを大事にするからこそ、実に個性的なものになるのです。誰一人として同じ形の振り付けにはなりません。思い思いの内面が外に現れていくからです。身体の声と言ってもいいものに、私たちは耳を澄ますと、そうなんです、その子らしさが現れていて愛おしい。上手に踊れるって、何を持ってそういうのでしょう。同じ型通りに身体が動くことだとしたら、それはロボットの方が上手ということになってしまうかもしれません。かけがえのない、その瞬間の体の心地よさや、溢れ出てくる楽しさ、面白さ、そういった感情を伴う身体表現は、やりたくてしょうがないからやるという意欲に満ちていて、その繰り返しの中で、自信に溢れてた動きが生まれていくプロセスが、まさに現代アートになっているようなダンスなんです。

その変化の面白さを、今日からのクラスブロクの写真と説明でのドキュメンテーションでお伝えしていきたいと思います。普段のダンスの楽しさを、10月22日の「親子運動遊びの会」では、親子で楽しみたいと思います。

新しいプロジェクト型保育の模索

2022/09/14

今日は夕方から園内研修をしました。テーマは「保育ウェッブマップ」の活用の可能性。保育の見える化のためのツールとその活用方法について、プロジェクト型の保育をモデルにした、ある書籍を読み込むということをしました。保育の可視化、というテーマはこの10年ぐらいでしょうか、日本では「プロジェクト型の保育」を考えるとき、必ず登場するテーマになりました。

保育の可視化は、歴史的に遡ると、イタリアのレッジョ・エミリア市の保育が世界的に注目された時代がその嚆矢と思われますので、かれこれ30年以上も前から、保育界で模索され続けていることになります。その頃ドキュメンテーション、ディスコース、デザインという「3つのD」(秋田喜代美)が注目され、その中でもドキュメンテーションが突出して日本に輸入された経緯があります。

ところが実は、3つのDのうち、残る二つのDがないと、うまくいかないことは当時から指摘されてきたのですが、ここにきて、別の文脈(幼小連携や社会情動的スキルの育成など)から改めて「プロジェクト型の保育」が再評価され始めており、そこにマッチした手法が「保育ウェッブマップ」というわけです。

このテーマは、かなり専門性の高い話に入り込んでしまうのでやめますが、最大のポイントは保育のプロセスが子どもも保育者も保護者も共有できるということにあります。これができると保育が大きく飛躍できます。やり方によっては、いろいろな要素(現代的な新しい保育テーマ)を総合的に含み込むことができるので、学びの質は高まるでしょう。これからの時代に求められる子どもの力の伸長にも役立ちます。この試みに着手するために、今日はその考え方を確認しました。

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