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地域連携(保育アーカイブ)

「月白風清」青山で尺八とダンスのぶたい

2020/10/03

「満月の夜に、尺八とダンスのしらべ」。こんなタイトルのイベントに2日(金)に参加してきました。

ダンスはご存知、青木尚哉さん。日本のコンテンポラリーダンスの第一人者です。保育園の24日の運動会をいま構成してくださっています。この夜は尺八とのコラボレーションです。

舞台となったのは、表参道駅から5分ほどの公園内にできた小さな野外ステージ「ぶたい」。都営団地の再開発「北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト」でできた高層マンションの裏手。遊歩道に作られた小さな雑木林にせせらぎが流れ、虫の音と秋風が気持ちいい夜でした。夏井敬史さんによるエレクトロニクスの環境音楽が、尺八とダンスを引き立てます。

 

尺八は黒田鈴尊(れいぞん)さん(37歳)で今、注目のアーティストです。人間国宝の二代鈴木鈴慕と三代青木鈴慕に師事、国際尺八コンクール2018in Londonで優勝しています。プログラムによると、幼少よりピアノを学び、武満徹の「November Steps」を聴いた事が契機になり20歳で尺八に転向したそうです。青木さんが今回の企画に共演を誘ったそうです。

(この写真は黒田鈴尊さんのホームページより)

人の体は、それ自体美しいと思うのですが、動きがさらに美を生み出すためには、それにふさわしい環境が必要だという事に、このイベントで実感しました。これは当たり前のようでありながら、忘れがちです。秋の満月の夜の野外。風と光のなかに響き渡る音楽を、身体が即興で「それ」を見えるようにしてくれます。もちろん、青木さんがダンサーだからできることなのですが。環境と会話しながら体を自在に動かすことの美しさ。

尺八の音はまさしく「和」なので、月や雑木林にふさわしいのですが、青木さんのダンスは、その和に溶け込むような舞いでした。舞台で見る西洋的なダンスではなく、日本の舞踊やアジアのエスニックテイスト、モダンなステップなどを感じた方もいたでしょう。私が一番「ぞくっ」としたのは、やっぱり「間」や「呼吸」でした。高揚と静寂を沈黙がつないでいくのです。見事でした。

青木さんは、舞台演出もされる方だということも強く再認識しました。光や照明も大切な装置です。

このようなイベントは毎月、満月の夜にイベントを開催するそうです。主宰する「ののあおやま」(2020年5月オープン)の水野さんは記念すべき第1回を青木さんに依頼しました。その理由は「なぜ、ののあおやま、という名前にしたのか」という解説でわかりました。

「のの、という言葉は、日本で伝統的に使われてきた言葉です。自然の尊さに包まれ、その有り難さを感じられる場所になること、そして感性を磨いて共感する仲間たちを集め街に新しい魅力を育てていくことを願っています」

月が毎晩、少しずつ姿を変えるように、自然と人生に同じ日はありません。その日しかいない風や姿に日本と美しさを感じることのできたひと時でした。

 

 

♪出た出た・・いもが・・

2020/10/02

すいすいの子どもたちの「芋掘り」の格闘ぶりを手伝っていると「こうやっていろんなことを学んでいるんだなあ」、「遠くまでバスでやってきて良かったなあ」と思いました。

まず芋が地面の下に、どんな風に埋まっているのか想像できていません。到着すると茎や葉っぱは切られて「さあ、どうぞ!」と農家の方が準備してくださっているので、子どもたちは「ん?このへん?」という感じです。まずは、そこからイメージを持ってもらうところから、芋掘りのスタート。

一人二株ずつ掘るように、「○○ちゃんは、これ、とこれね」と、掘る場所の前に座ってもらいます。このサツマイモ畑には、今日は10団体が車で来ていたのですが、団体や家族に掘ってもらうために作っているので、掘りやすくしてあります。予めも盛り土をした小山の中で大きくなっているのです。

土から赤いサツマイモの肌が見えると「あった〜!」と勢いが増して、どんどん掘り始めます。それでも芋の周りの土が固いところは、幼児の指では掘り返すことができず、「助けて〜」「取れな〜い」と先生を呼びます。

ほとんどのサツマイモはラグビーボールのような形をしているので、大抵は半分以上姿を見せると、あとは細くなっているので、子どもでも引くと抜けることが多いのですが、凸凹の長〜い形のがあったり、曲がっていたりすると、てこずっていました。

「見てみて!これちびちゃん!小さいよ、こんなに!」と、大きさを比べている子や、「大きい」とか「重い」とかを何度も口にしています。前日の雨が少し土に湿り気を与えて、土は比較的掘りやすい状態でした。

それでも5分、10分と頑張っていると「取れた!」「できた!」と嬉しそうに掲げて見せてくれます。地面の下に食べられるものがあることを知った人類が、偶然ではなく、意図して育て始めた栽培の知恵。その収穫の喜びの一端を体験できたようです。

わざわざ、広い農地まで足を運んで芋掘り遠足をするのは、作物を育てるという人々が生きていく上で欠かせない「食べ物を栽培して育てる」という文化的実践の「入り口に立ってみる」という経験になってくれたら、というのもあります。

また、すべても食べ物は、スーパーにいけば魔法のように手に入るのでないことを、あとで「勉強」して知ったとき、あの芋を掘った時の土の硬さ、芋の重さ、大きさなどの感覚的な体験がよみがえったり、知識として学ぶことに実感をともなった理解の支えになったりしてくれたら、という願いもあります。

中秋の名月は、満月ですから太陽とちょうど180度反対の方向にあります。西に日が沈んだ頃、月はやっと東に顔を出します。月は東に日は西に、です。今日の満月は屋上からも、昨日のようには見えませんでした。ビルの谷間からの観察はお迎えの時間にはかないませんでした。次のチャンスは運動会の前の頃になります。

リンドウ 花言葉は誠実!

2020/09/27

9月24日(木)、9月の誕生会で、読み聞かせをしていただいた福田さんから、9月の花「りんどう」を誕生祝いにいただきました。「りんどうは9月の花で、花言葉は誠実なんですよ」と教えてくださいました。

皆さんは、日常生活の中で「誠実」を意識することって、ありますか?

前の保育園で先生が「○○くんは、正義感が強いので、お友達の間違った行動が許せないんです」といった言葉を聞いたことがあります。3歳の子どもでした。子どもは生活や遊びの中でいろいろな「きまり」を守ること覚えていきます。そうしたルールを守ることは、特に自分が一生懸命、守っているときに、それを守らない友達がいると許せなくなります。

その基盤はいつ頃からできてくるのかということを研究している分野があるのですが、最新の研究では、赤ちゃんは「利他性」と言って、他者を助けるような行動を好み、邪魔をするような行動を嫌います。この傾向は「学習」ではなく、先天的なもの、持って生まれた能力だそうです。

大人になっても誠実な生き方に接すると、勇気づけられることがあります。またそれを守る姿を見ると、胸がすく思いになるものです。そんな生き方を忘れないようにしたいものです。

創造力を育んでいるダンス遊び

2020/09/25

創造的にダンスを楽しむ子どもたちーー。保育園にいると、子どもたちの溢れ出る意欲の旺盛さを毎日、目の当たりにしています。登園からお迎えまでの間、どの子も自分のペースでやりたいことがいっぱいで、友達と関わり、いろいろなことをやるたびに発見があって、それを表現して伝え合います。汲めども汲めども枯れない泉のように、溢れ出る意欲が賑やかな生活をつくりだしています。

今日25日は、その意欲が体を通じた創造力を育む様子をたっぷりと確認することができました。今日はダンサーズ青木チームによる「ダンス遊び」の日でした。9時50分から12時まで、2歳、0〜1歳、3歳、4〜5歳という順番で4セクションに分かれてダンスのワークショップを楽しみました。3〜5歳にとっては昨年から数えて6回目、今年度は4回目のダンス体験になりました。

回を重ねて慣れてきたことから見えてくる「育ち」にも気づきます。スキップで走ってきて途中で「ポーズ」を決めたり、見られていることを意識して演じている姿が垣間見えたりと、そこにちょっとした心の余裕も感じさせるほどになりました。人気の活動になっている「マネキンとデザイナー」も、自分で両方ができるようになってきました。

このように「体を動かすこと」は、体育でも体操でもスポーツでもないことがはっきりします。自分なりに想像することが先にあって、そのイマジネーションが身体の動きを生み出しています。イメージから生み出される創造的な動きです。単に「ポーズをとっていいよ、好きなようにやってごらん」と言われて、大人だってすぐにできるものではありません。それが子どもたちは、自分なりのポーズを創り出しています。このような意図的な身体の動かし方は、「アート表現としての身体運動」だと言っていいんだろうと納得します。

思うように体を動かせることは、上手にスキップができることではありません。これがスキップだと思う自分なりのスキップで構わないのであって、それを楽しそうにやっている姿が、とても美しいのです。顔が輝いています。ちょっと恥ずかしそうだったり、自信たっぷりだったり・・・。想像力から動いていく運動です。イマジネーションが豊かになることが、体の動かし方も豊かになることに気づきます。

和泉小学校の体育館を下見

2020/09/23

 

10月24日(土)に予定している「親子運動遊びの会」(略称・運動会)は、昨年と同じように和泉小学校の体育館(上の写真は昨年のもの)をお借りするのですが、その2回目の下見と打ち合わせのために今日23日夕方、同小へ運動会係の先生と2人で行ってきました。もともと園庭のない保育園なので、千代田区もそうした行事を行う時は、教育委員会が窓口になって、地域の施設などを貸してくれます。当園と同じように園庭のない保育園が千代田区は多いのですが、あい保育園も10月に同じように体育館を借りて運動会を開くそうで、今日23日の打ち合わせでは一緒になりました。

当園の運動会は、よくある運動会とはちょっと趣が違います。かけっこや親子演目やお遊戯などで構成することが多い幼稚園や保育園の運動会ですが、当園の運動会は、親子で運動を楽しむということを基本としています。今年は、体を動かすことそのものの楽しさを感じてもらいたいので、アーティストで振付師のダンサーをお招きして、コンテンポラリーダンスを楽しみます。ある意味で「ダンス」の根本を楽しんでみようというわけです。

一方、運動会とは別の機会に、子どもの運動面や身体面の発達をお伝えすること方法も検討中です。開園してからこの1年半、子どもたちの身体的な成長はめざましいので、それをお伝えしていく「可視化」も工夫してみたいと思います。

 

 

柳原堤

2020/09/20

先週は2度、クリスタルビル11階に登って秋葉原駅周辺を一望しました。「江戸名所図会」(上の写真)を見ると、天保5年(1834年)の頃の「柳原堤」は、和泉橋を町人が行き交い、柳原通りにならぶ店の前には侍や旅人が描かれ、柳森稲荷を参る人もいます。その図会の角度は、ちょうどクリスタルビル辺りからの展望と一致する図柄です。ちょうど江戸城のある方から、神田川の南側から北側を、ドローンでも飛ばしたかのように北北西に向かった眺望を描いているのですが、当時はそんな高いところはありませんから、想像で遠近法を用いて描いています。

それと重ね合わせて、現代の風景を眺めてみると、目の前にホテルや高層ビルが立ち並び、その向こうの遠い風景を望むことはできません。もっと高いところからでないと、風景の奥行きが取れません。それでも秋葉原駅を南北に通過していく電車を、子どもたちはたっぷりと堪能できました。

ビルが立ち並ぶと、そこを歩いている人々や生活の生業を風景として眺めることはできないのだな、と再確認してました。

人が見えるのは、ふれあい橋を行き交う人と、眼下の柳原通りを歩く人だけです。そのほかは建物で隠れて見えません。大都市の風景は、高いところに上がっても建物や道路や鉄道などは見えても、そこで生活する人々の風情や表情までは見えないのです。

江戸時代の図会も、それは想像で描いています。その場所、あの場所ででみた人々の様子を頭の中で再構成して、つないで一枚の絵にして描いたのですから、子どもたちも、きっと同じことをするに違いありません。見えてないけど「そこにはこれがあるんだよ」と描いたり、作ったりするでしょう。人間は心動かされたイメージを再現したがる(表象)からです。

ビルの上から秋葉原駅の電車が見えたよ!

2020/09/14

秋葉原駅を行き来する電車には、新幹線、東海道本線、東北本線、山手線、京浜東北線があります。それらの電車が通過する様子を、ビルの上から見てきました。

ちっちとぐんぐん11人が、「あ、でんちゃ、きた」「しんかんちぇん」と大興奮で、窓にかぶりついていた姿の微笑ましいこと!

また、その後、交代して同じ場所に立った、わらすの子どもたちも10人も、いろいろな電車が走る様子に見入っていました。

電車に限らず「保育園も見えるね」「あ、ヨドバシカメラ」と駅周辺の展望も楽しかったようです。

どこのビルかというと、柳森神社の向かい、電車のガードのそばに立つクリスタルビルの11階です。

このビルのオーナーである株式会社斎藤興業(斎藤社長は須田二丁目町会の会長)のご好意で、エレベーターホールをお借りしたました。

地域に1つ、貴重な散歩先が増えました。

そして、さらに大切なこと。遊びが発展しました。

散歩から帰ってきた、ちぐの子どもたちが早速始めた遊びは・・・

 

運動遊びとダンスの違ってなんだろう?

2020/09/11

世の中には子どもだからできないことと、子どもだからできることがあります。大人ができることを子どもができるようになるのではなく、大人ができないのに子どもができることを見つけるのは楽しく、同時に人間の奥深さに驚きます。

今日11日(金)は、ダンサーの青木さんたちが来てくださり、クラス別に体を動かして楽しみました。ちっちやぐんぐんの子どもたちは、これまで何度か会っているので警戒心も緩んでいたようで、ダンサーの面々と握手したり、抱っこされたりして触れ合いを楽しみました。

にこにこの子どもたちは、前回に続き動物の鳴き声からその動物になったつもりで四つん這いになったり、飛び跳ねたりと、元気に体を動かしていました。子どもは何かになったつもりになることが、こんなに好きで、やりたがります。これは大人にはできません。

わいわいの子どもたちは、青木さんが持ってきた人骨を見せてもらいながら、関節という動くところと、骨のところは棒のよいうに動かないという説明を受けて、自分たちの体の中には「骨が入っている」「体が動くのは骨が動いている」ということに興味深げでした。

3〜4歳で音楽に合わせて体を動かし、音楽が止まると体を止めておくというのは難しいことです。走って行って「ポーズ!」をとってみる。そのつもりになってやってみて「すごい!できたね」と言われてとてもうれしそうでした。なんでもやってみたい!という子どもたち。彼らの心臓は好奇心でできているようです。

らんらんとすいすいの子どもたちは、音楽のリズムや動く映像に合わせて、体を揺らしたり、動かしたりと、感じたイメージを身体で表現するという、まさにコンテンポラリーダンスができていました。きっとこれまでの積み重ねを通じて、瞬間的な反射的判断の中で、自分の体を「こんな風に動かしてみたらどうなるだろう」という、体を動かしてみることへの好奇心が、体に芽生えているのかもしれません。

運動ゾーンで朝、遊んでいる体の動かし方と、このダンスの違いはなんだろう。それは、きっとダンスという言葉では収まらないほど広い運動になっているのは間違いありません。それは頭の使い方の違いと言って良いかもしれません。健康よりも表現の方に比重を置いているのは間違いありません。

そしてダンスという限り、「見られる、見てもらう」ということが暗黙の前提になっている要素があるようです。その自意識が自由な表現の発露を邪魔をしないように、体を動かすことを楽しんでいきたいと思います。

 

 

千代田区の看護師さんと情報交換

2020/09/10

(写真は7日の朝のお集まり。つむじ風についての紙芝居)

今日10日は千代田区の大江看護師さんがいらして、保健関係の情報交換をしました。毎月訪問していただいているのですが、区全体の感染状況や感染予防の方針や方法を確認できる貴重な機会になっています。千代田区は、日頃の手洗いマスクなどの習慣が功を奏して、感染病が例年にないほど少ないようです。

これから暑さが和らいでくることを見越して、少しずつ散歩や郊外活動を増やす予定です。10月1日(木)には、年長(すいすい組)で「芋掘り」に出かけます。また大きな公園の散策もしますが、移動手段としてのバスについて、密にならない乗車方法やその密集度などを確認しました。

子どものインフルエンザの予防接種は必ず行ってください。保育園の職員も園として実施します。新型コロナウイルスの予防のためにもインフルエンザの予防接種は大切になります。東京都の感染者は徐々に少なくなってきましたが、またいつ変転するかわかりませんので、引き続きこれまでのように三密を避ける習慣を緩めないようにしましょう。

稲刈りを実況中継

2020/09/09

毎日のように食べている主食であるお米。9月になると全国で稲刈りが本格化します。そこで今日は、20年以上前から神宮司さんが交流を重ねてきた千葉県神崎町にある田んぼの稲刈りに参加してきました。そして、その様子をZoomで、わいらんすいの子どもたちに伝えました。

いま時、カマでイネを刈り取る「稲刈り」ができるところはそうはありません。この田んぼは、日本で昔から行われてきた「不耕起栽培」の田んぼです。稲刈りの時は水を抜きますが、そのほかの時は一年中水をたたえています。しかも全くの無農薬で、水田の中に生き物がたくさん棲んでいます。

イネを借り始めると、虫を食べるためにツバメが飛び交いはじめ、地面にはトウキョウダルマガエルがピョンピョンと飛び跳ねます。こんな場所で遊ぶことができたら、楽しいだろうなと思いました。

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