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地域連携(保育アーカイブ)

木場公園での「ゾーン選択」

2019/06/19

■見通しをもつ姿がたくさん

にこにこ組は2回目、わらす組は4回目となる木場公園へのバス遠足でした。バスも道路も公園も、見覚えのあるモノや空間や風景なのでしょう、「あそこはこんなところ」「もうすぐこうなる」「こんなことをやってみたい」といった『見通しを持つ』という姿が、たくさん見られた遠足になりました。同じ場所に繰り返し通うことで、体験が深まっていくプロセスがよくわかります。一人ひとりやりたいことや楽しみ方が、明確な輪郭を持ち始めました。
■自分なりに、やりたい遊び
そのような成長の姿は、公園に着く前のバスの中で既に見られました。小林先生が「公園に着いたらみんな、どんなことをやってみたいですか?  こんなことやってみたいなぁ、こうやって遊びたいなぁ、そういうのありますか?」と聞くと、あちこちから元気よく「はい、はい、はい、はい」と手が挙がり、マイクを向けると「虫かごを持って虫を集めたい」「サッカーと虫探し」「蝶々を捕まえて持って帰りたい」「ゲーム」「ボール投げ」などと、自分なりの言葉でたくさん表現してくれました。
■公園でも「ゾーン選択」
公園に着いてしばらく走り回ったりした後、「虫探しグループ」6人が花壇やビオトープのある方へ遊びに行きました。その活動内容は、ホームページのクラス別ブログをご覧ください。これは公園の中での「ゾーン選択」です。やってみたいことを自然と広げていく保育の展開のことを、保育士の専門性としては「環境の再構成」と言うのですが、そのポイントは、子どもの興味や関心の延長線上に環境を再構成することです。これを就学前教育で大切にしている遊びによる経験カリキュラムと呼びます。
■学校の学習も興味や関心を深める学びへ大転換を図る予定
それとは反対に、子どもの興味や関心の延長線上ではなく、その繋がりをあまり気にしないで大人が体験させたい活動を、時間割通りにやる勉強が学校の教科カリキュラムです。ただし2020年度からは、学校も子どもの興味や関心に基づくアクティブラーニング=『主体的・対話的な深い学び』に大転換を図ることになっています。
■好きな遊びに熱中して
モンシロチョウやモンキチョウ、アゲハチョウが飛んでくると、サッカーやボール投げも一旦中断し、チョウを追いかけて走ったり先生を呼んだりしています。今日もまた、子どもたちのためにつかまってくれたチョウたちに感謝です。
この3月までいた保育園で、ドッチボールをやっていたと言う男の子は、当たらないように逃げるのが得意で、ボールを受け取ったり、投げ返したりする事は、今回私とのあいだで楽しむことを覚えました。
原っぱに座り込んで、シロツメクサを集め小さな花束を作ったり、それを材料にして、ままごとを始める数人のグループもあります。お皿は大きな葉っぱ、小枝がお箸やスプーンです。ズボンのポケットに木の実や小石をいっぱいため込んでいる子もいます。
にこにこ組の子どもたちも、好きな方に歩いたり走ったり、アリを見つけて立ち止まったり、虫かごに入っているチョウやバッタをじっと見つめたりしています。小枝や木の実を見せに来てくれたり、その子なりに感じたことや気づいたことを、私たちと共有しようとしてくれています。
■子どもたちの主体的、対話的な深い学びへ
バスの中や公園や地域にまでその保育「環境」を広げていく上で、子どもたちが興味や関心に基づく見通しを持ち「何々をやりたい」という意欲をもつことは「主体的な学び」の必要条件です。サークルになって話し合ったり、園に帰ってきて振り返ったりする「対話的な学び」も深い学びにとっては、必要不可欠です。
バス遠足が、子どものやりたい遊びの発展形として定着していきそうです。公園の中には、保育園などに貸しているサツマイモ畑もありました。その活用方法も、検討してみたいと思います。

すべてのクラスが散歩へ

2019/06/13

今日は午前中は爽やかな風が吹き、お散歩にはもってこいの日和となりました。すべてのクラスが散歩に出かけ、気持ちの良い1日を過ごしました。
私は午前中、千代田区役所の子育て支援課長に会い、ガードレール設置など3項目の要望書と皆さんからいただいた署名を渡してきました。また万世橋警察署には、3月下旬から同じ趣旨の要望を伝えてありましたが、今日改めて、同じ要望書と署名簿(写し)を届けてきました。 今回の要望書と署名簿によって、東京都と千代田区が協力して国道(都道)の昭和通りと区道の柳原通りの交差点問題を、再度、検討してもらえるものと期待しています。
ホームページの「お知らせ」もご覧ください。

木場公園が園庭と思えた瞬間

2019/06/12

■3回目の木場公園
木場公園へのバス遠足も今日で3回目になります。先週7日よりも、たっぷりと遊んできました。今日は道路もあまり混んでおらず、信号待ちも少なくて約20分で木場公園に着きました。わらす組の子たちにとっても見覚えのある景色が増えてきて、両国橋を渡るとき今日はスカイツリーが見えました。
■小林先生はホスピタリティのお手本
「わぁ、すごいなぁ、わぁ、珍しいなぁ」と、子どもの好奇心に訴えて、場を盛り上げたい、サービス旺盛な小林バスガイド。私が個人的に面白かったのがこの場面。流石の小林バスガイドの説明も3回目にして、はやくもネタ切れ?のはずもなく、わざと向かいからすれ違うただの普通のバスでも「あー、すごいね、あのバスみんな見えるかな、『回送』って書いてあるよ、わぁ、珍しいなぁ」と、時間稼ぎにでたトークに対して、海の「海草」と勘違いした子がいてくれて、子どもが笑いに落としてくれました。小林バスガイドを救ってくれたT君、ありがとう。
■子どもは乗り物が大好き
しかし、小林バスガイドの本領発揮の場面がやってきました。「ピーポーピーポー」とサイレンを鳴らして走り去った特殊車両が通ってくれた時でした。「とても珍しい車が走っていったね。パトカーでも、救急車でも、消防車でもない車でした。なんだと思う?」私も「!?」と引き込まれてしまいました。
「今のはね、血液ってみんなわかるかなぁ、人は体の中に血液が流れてるんだけど、動物もそうなんだけどね、その血液を急いで運ぶ自動車だったんだよ」
その車の正式な名称は「献血運搬車」でした。そして自然な流れとして、「はたらくくるま」の歌が口ずさまれます。
「♫働く、くるーまー、
♫ケンケツウンパンシャ!」
■はらっぱの引力を再確認
昨日まで雨が降っていた公園なので、土の表面がつるんと光っているところは「滑りやすいから気をつけて」といった程度の注意確認の話もそこそこに、広い原っぱに散り散りに飛び出して行きました。まずは大抵の子たちが走り出します。こんなに広いところは、隅々まで走り回らないともったいないとでも身体が感じ取るのでしょうか。面白いですね、虫かごを持っていても走っています。
サッカーが好きな子は、ほとんどの時間を友だちや先生を相手にボールを蹴って走り回っていました。虫がいそうな場所を探し回っているこもいます。公園に着くなり、最初に子供たちの群がりができたのは、大きな銀杏の木の根元に見つけた大きなミミズでした。鳥についばまれていたのか、ほぼ絶命状態でしたが、子どもたちは恐る恐る、興味深げに見入っています。
■モンシロチョウを追って
遊んだ時間も長かった上、かなり走り回わることになったのは、モンシロチョウのおかげです。ヒラヒラと舞い回わるモンシロチョウを捕まえてたくて、「あ、あっち、ちょうちょ、いた!」と追いかけます。モンシロチョウがこんな速いとは思っていませんでした。自分たちでは捕まらないと悟ったのか、見つけるたびに「先生!」と叫ぶようになっていた子どもたちでした。5、6匹は捕まえたでしょうか。小林先生と坪井先生の走行距離もかなり伸びました。次回は万歩計をつけてもらいましょう。
(「あとは、自分たちで、やってやって」とモンシロチョウを捕まえた網を子どもたちに任せる坪井先生と、それを見守る小林先生と古野先生)
■「いざこざ」が自然に包まれる
チョウが捕まるたびに虫取り網に、子どもたちが群がります。虫かごの中は子ともたちの宝物に変わり、それを誰が持つか、宝物の争奪戦も同時に勃発します。このようないざこざも、何度も続くと、狭い室内だったら大人もイライラしてしまうでしょう。ところがこのように大自然の真下で、自分の欲求をぶつけ合う姿を見ていると、怪我をしない限りは、どんどん気持ちをぶつけあったほうがいいんだろうなぁと、思えてきます。子ども同士の関係は、大自然に包まれて初めて育まれていくのかもしれません。
「さっき捕まえたのは紋白蝶だね、これは紋黄蝶って、書いてあるね。同じ仲間だけど、羽の色が黄色いのが紋黄蝶で今日捕まえたのは紋白蝶だね。」
■身についていたルール
水筒を置いているブルーシートの周りに鳩が寄ってきたときも、ずいぶんと長い間、鳩との鬼ごっこが続いていました。
鳩がサイクリング道路側へ逃げても、子どもたちは、そちらまで追いかけて行く事はありません。原っぱの中にとどまると言うルールを、きちんと守ることができていました。安心して見守ることができます。公園は何組も保育園の子どもたちが来ていて、目印としての緑の帽子が役立ちました。
走り回ってくたびれると、木陰に置かれた木枠の台に座ったり、立ち上がってアイドルのように体を揺らして歌う真似っこをする子もいました。
■園庭にいた感じを思い出す
最初にここに来た時、外に出てしまう子はいないかと、監視するかのように子どもの数を何度も数えていた緊張感に比べたら、今日は長閑です。園庭にいる時の安心感を思い出しました。こうなってきて初めて、子どもの傍らで一緒に生活している感じがしてきます。今回は、自然と「ですます調」で書いていることに気づきました。これが、ハラハラすることがなかった証拠かもしれません。
■帰路の車中も和やかに
いっぱい体を動かした後で、下町の玉子焼き屋さんや、たい焼き屋さんの前に赤信号で止まると、お店の人が手を振ってくれます。なんだ、妙に嬉しいですね。

にこわらすのバス遠足

2019/06/08

6月7日

■にこにこ組もバス遠足に参加

2歳児クラスの「にこにこ組」が昨日7日、初めてバス遠足に参加しました。3〜5歳の「わらす組」の子どもたちと一緒です。
にこにこさんたちが、バス遠足が可能かどうか、わらすさんたちの経験を踏まえて、木場公園の遊び場としての環境やトイレの位置、バギーの持ち込みや移動範囲、バス移動の時間などを検討した結果、「よし、一緒に行こう」となりました。とても楽しい、いい機会になりました。また、続けていきます。昨日、参加できなかったお友達も、またあるから楽しみにしてて下さい。
にこにこ組の保護者の皆さん、準備のご協力、ありがとうございました!詳しくは、各クラスのブログをご覧ください。以下は、私のドキドキ、ハラハラ日記です。書いていると「である調」になりました。ドキュメンタリーは、いつもの「ですます調」では、気分が乗りませんからね。
■雨雲よ、待て!!
手元には東京電力の雨雲レーダーがある。雨雲はまだ甲府あたり。関東一帯はまだ大丈夫だ。さて、出発の準備はできた。雨雲が時速60キロで迫ってきたとしてもまだ2時間はある。雨よ、頼む、降らないでくれ!
年中組のらんらんさんが先に山上ビル側に列を作っている。園舎の前に待機している大型バスが目に入ると、J君が目をまん丸にして叫ぶ。
「でっけー!」。
ほかの子もあまり意味なく「でっけー、でっけー!」とはしゃいでいる。
にこにこ組の子と、マンツーマンでベアを作り、そのペアがバスの座席にもなる。先生が「にこにこさんの手をつないで、バスまで行きます。しっかりと手を握って連れて行ってあげてくださいね」というと「はーい!」。
■巧みなバスガイドでワクワク
9時40分に園を出ると、10時過ぎには木場公園に着いた。その間、小林バスガイドの巧みな話術によって、バスから見える普通の景色が、遊園地に入り込んだかのように楽しいモノに変わっていく。
以下のやりとりのミソは、子どもの素直な「巻き込まれ感」と「おかし可愛さ」です。
小林ガイド「今ね、偶然だけど、水陸両用車が通ったよ。すごいなぁ、先生もっと早く気づいて教えてあげればよかったなぁ。ごめんねー」
子ども「いいよー」
小林ガイド「このライオン堂と言うお店はね、お相撲さんが洋服を作ってもらう場所なんだよ。みんなが4人ぐらい入れそうな大きな洋服を、お相撲さんのために作ってくれるんだ」
子ども「お相撲さんて、大きいんだよ」
小林ガイド「あ、右の方に消防署があるよ。すごいなぁ、消防士さんたちがこんなにたくさんいて、訓練しているみたいだよ。こんなの滅多に見られないよ、ラッキー」
子ども「あー、ホントだ、いいもの見たあ、ラッキー」
あー、なんて素直で、可愛いんだろう。こんな感じで、景色を楽しんでいるうちに、木場公園に着いた。
ところが、駐車場に入る頃、バスのフロントガラスに雨粒が。
小林ガイド「園長先生、雨です。どうしましょう?」
バスのなかで雨雲レーダーをずっとみていたので、慌てない。でも正直おかしいと思った。こんなに早く雲が迫っているなんて。一時間4ミリメートル以下の雨雲の帯が、ちょうど木場公園のある東京東部まで延びていた。
小雨は覚悟していたが、雨が予定よりも1時間も早い。そうか!間違えた!台風なんかは時速20キロなんていうから、うかつにも、つい勘違いしてしまった。雨雲は沸き上がるんだよ、移動して来るんじゃない!あー、そうだった。でも、こうなったら、もう迷う余地はない。
「早く遊ぼう!」
■格別な開放感がある原っぱ
幸い、雨といっても霧雨程度。「これなら問題なし!気象の定義なら曇りの範囲だ!」そう自分に多少強がりを言って、みんなバスを降りて原っぱへ行く。
やっぱり、広い原っぱはいい。「子どもは隅っこと原っぱが好き」というが、大人だって、気持ちいい。心の背伸びができる。ぐっ〜っと、こころのシワも取れそうだ。なんの屈託もなく、気持ちの赴くままに、トコトコと足を運んでいい空間、座り込んでも、寝転んでもいい場所。暑くもなく風もない。霧雨も降ったり止んだりで、私たちのために、待ってくれている。
■茶色のサッカーボール
水を含んだ草むらを転がるたびに、サッカーボールは茶色く変わっていく。ボールが転がった距離だけ、子どたちも走った。ボールの色は、子どもたちの運動量そのもの。あの小さな体から、あんなに力が溢れて出てくるのは、広い原っぱとボールのおかげだ。堅苦しい解説はやめたいが、やっぱり子どもの潜在力を引き出すのは環境の力だ。ここに来ないとこんな運動にはならないし、思いっきり全速力を出すことなんてできない。
■優しいらんらんさん
にこにこさんの顔も明るい。らんらんらんさんのお兄さんお姉さんに優しくしてもらいながら、バスに乗って原っぱに来た。このことだけでも、にこにこさんにとっては大きな大きな体験になっている。先生たちの声や性格も大体わかっているから、様子を見ている表情が、いろいろなことを伝えてくる。M先生やU先生だけじゃない。わらすの先生も、わかっているから、安心して楽しめる。その上、困ったことがあったら、らんらんさんが先生に教えてあげる。そんな約束をしたらんらんさんたちは、しっかり守ってくれた。
■にこにこさんの「ぼくも、わたしも」
草むらに出ると、先生を安全基地にしながら、じわじわと思い思いの行動を始めていく。歩き始める子、走り出す子、座ってみんなの様子を眺めている子、虫かごを持ちたい子、虫を探しに行く子、転がっているボールに近づいていく子、色々な「自分も!」がいっぱい始まっていく。わらすの子たちの姿がモデルになり、刺激になり、にこにこさんなりの「私も!」が動き出していきます。その動き始める鼓動が聞こえてきそうで、あーここに連れてきて良かったと思う。
■そして梅雨入り
下見のとき、花が満開だった桜が、昨日は、すっかり青葉の茂る大きな木の傘となって、私たちを迎え入れてくれた。まもなく降り始めた雨は、梅雨入りの雨となった。梅雨前線と競争したバス遠足は、私たちの逃げ切り勝ちだった。

神田淡路町保育園を見学

2019/06/06

6月6日その2

■神田淡路町保育園に行ってきました

今週月曜日の四番町保育園に続き、今日の午前中は「区内保育所見学会」の2回目に参加してきました。当園から歩いて10分足らずの神田郵便局隣「神田淡路町保育園大きなおうち」です。4階建てで確かに「大きなおうち」でした。2年前に開園し今年度が3年目。千代田区で初めての社会福祉法人です。園長の菊池恵子先生とはずいぶん前からの知り合いです。菊池園長先生のお子さんのイケメン男性保育士「マー先生」は、保育界では有名ですから、ご存知の方もいらっしゃることでしょう。近いので「大きなおうち」から当園に転園してきた子もいます。
■幼児は異年齢でコーナー保育
菊池先生は、保育の質向上に熱心に取り組んでこられた方で、現在、東京都民間保育園協会の研修部長を務めていらっしゃいます。法人は現在、東京や千葉に19の施設を運営しており、本部は新宿です。
園舎のデザインコンセプトは「大きなおうち列車にのって」。これは、明治時代、東京の中心地としてにぎわった国鉄万世橋駅前に近いことから、鉄道と駅をあしらったものになっています。
保育環境は、1階のエントランスに砂場があり、ガラス張りの調理室とランチルームが隣接しています。2階の乳児0歳児は独立した部屋で、1歳児と2歳児はつながった空間です。3階が3〜5歳児が一緒に生活するオープンルームでした。4階には広いホールとスタッフルーム。屋上が園庭になっています。
こうした建築空間は、海外によく見られるものと同じで、遊ぶところや食事をするところが最初から分かれていて、遊ぶところは活動の種類によってあらかじめ遊具がセッティングされています。乳児の保育室の色彩は、シュタイナー教育のテイストが生かされており、幼児の保育環境は、モンテッソーリ教育の環境設定と似ていました。
■園児の交流を約束してきました
子どもたちが散歩に慣れてくれば、この保育園までは歩いて行くことができそうです。お互いに散歩先としての相互受け入れや、子どもの交流をやりたいですねと話してきました。またひとつ、子どもたちの体験を広げる機会が作れそうです。

区主催の園見学会に参加

2019/06/03

■千代田区主催の保育園見学会

今日3日は午前中、千代田区立四番町保育園を主任と2人で見学してきました。市ヶ谷駅からすぐの、以前、日本テレビがあった場所です。3階建ての園舎に約100人の子どもたちが生活していました。見学者は千代田区内の園の主任や看護師などリーダー格の職員が全部で8人、案内は四番町保育園の園長先生が、直接なさって下さいました。
区が主催するこの見学会は、お互いに園を見合うことで、見学者がよいと思ったところを吸収しあったり、情報交換したりできます。これを積み重ねれば、知り合いも増えて区内に保育者ネットワークができていくかもしれないので、一年を通して十数回ある機会はすべて申し込みました。
■仮園舎とは思えない建物
今日はその1回目。いろいろな感想を持ちましたが驚いたのは、この園舎が仮園舎だったと言うことです。古くなった園舎を建て替えるために、この仮園舎を新たに建て、昨年3月から新園舎ができるまで(平成34年度中、つまり令和4年度中)の5年間を、ここで保育し続けます。仮園舎の建設まで含めたら、ざっと10年計画です。本来の園舎設立計画とは、これぐらいの時間と資金がかかるものなのでしょう。
■屋上が園庭に
参考になったものの一つは、屋上です。仮園舎だからなのか、園庭がありません。そのかわり屋上に芝生と砂場とプールがあります。屋上の広さは4〜5倍あるので、同じことは出来ませんが、こんな素材ならこうできるという参考になりました。
■保育参観は変装して
明日から保育参観ですが、「子どもに見つからないように見てもらう」という配慮は同じでした。ただ「変装セットも用意」しているそうですが、実物を見ることができませんでしたが、どんなものかと言うとメガネやマスクや帽子などだそうです。部屋にいても誰かわからないようにしてみてもらっているそうです。参考にしてみてください。

(巻頭言)子どもの心の世界を見つめながら

2019/05/30

園だより6月号「巻頭言」
 雨がやんで日差しがのぞいた昨日の朝、ちっち組がバギーで散歩に行くことになった時のことです。先生が「ちっちさん、散歩に行こう」というと、何人かがその気になって赤いドアの方へ向かいます。廊下を過ぎても玄関へ向かわず、階段を登るのが楽しくなって、四つん這いで登り始める子もいました。先生が「そっちじゃなくて、お散歩に行こうよ」というと、止まって振り向きます。でも、先生が近づくと安心したのか、また階段を登り始めます。2階まで登った後、立って降りるのはまだできないから、結局、玄関まで抱っこしましたが、この間の子どもを「見守る」中に、育ちを保障するための大切な時間が流れていました。

お散歩に行こうよ、という「保育者の願い」と「こっちに行ってみたいもん」という子どもの願いが、柔らかく行き交っていました。ちっちさんは言葉ではなく、目配りや表情や仕草でそれを伝えています。先生は言葉で言ってもわからないだろう、なんて素ぶりは全くなく、穏やかな雰囲気の中で「あれ、そっちにいくの?」と、赤ちゃんの気持ちに寄り添いながら、外へ誘うタイミングを見計らっています。そんなことがしたいのね、と認めながら、ゆったりとした気持ちで接しています。0歳の赤ちゃんにも、もちろん人間としての尊厳があり、その意思や気持ちを尊重しながら、生活を作り上げていく。こんな時間が流れる日常になってきたんだなあ、と思うと、感慨深いものがあります。子どもたちの心が、だいぶ落ち着いてきたようです。

 ちっちやぐんぐんさんは、私と目線を合わせて手を振ると、手を振って返してくれることが増えました。こうして言葉にならないうちから、赤ちゃんとの「心の通い合い」と「挨拶」が成立していきます。挨拶は心を通わせることが大切だと思うので、いろんな心の通わせ方が、いろんな形の挨拶を生んでいます。
にこにこ組の子は、顔を見るとおもちゃを渡しに来たり、手を振るとちょっとだけ手をあげて「やあ」とやってくれたりします。幼児になると、やりたいことを一緒にやりたがります。「挨拶」と「一緒に遊ぼう」が一瞬で融合します。挨拶なんて、どこへやら、親御さんはハラハラかもしれませんね。でも、子どもの気落ちは分かっていますから大丈夫です。先日も子どもから「園長先生さようなら」と言われた時、「もっといてほしい」という気持ちが届いたので、少し遊びました。

ここに述べたことは、私と子どもたちとの関係ですが、園生活が始まって2ヶ月がたち、親子の関係、先生と子どもの関係が上手にバランスをとりながら、一人ずつの子どもの心の居場所が広がってきたようです。意欲的な姿を大切にしながら、子どもの「やりたい」の向うに目線を送りながら、人と物と空間の環境を整え、発展させていきたいと思います。

 園外保育、暑さ対策、水遊びの場所作り、交通環境の改善、隣のビルの解体、心痛む悲惨な事故報道など、色々なことが子どもを取り巻く環境にはありますが、子どもの心の世界をしっかり見つめていきたいと思います。

涼しい地下道から秋葉原公園へ

2019/05/27

■汗を上手にかく身体に
汗をかける夏モードの体に。猛暑日が続く異常気象の中で、「まだ体が冬モードで汗をかきにくい体のままでは熱中症になりやすい」とニュースで注意を促しています。
夏モードの体にするには、歩いてうっすらと汗をかくくらいの有酸素運動をしたり、毎日お風呂に入って汗をかくなどが有効だそうです。
でも、子どもはまだ十分に汗をかく機能が発達していないので、熱が身体に溜まりやすく、暑過ぎる日に外にでるのは危険です。環境庁が毎日、刻々と公表している「暑さ指数」(WBGT)を参照しながら、外遊びの可否、散歩先の選定をします。
■涼しい地下道を歩いて
今日のように暑い日は、午前中でも長く外を歩くのは危険です。予定の美倉橋東公園への散歩を変更して、冷房の効いた地下鉄の地下道を散歩しました。和泉橋を渡り、日比谷線の5番出入口から地下へ。「さあ、ここからは一本橋だよ」と小林先生が言うと、2人で繋いでいた手を離して一列で階段を降りていきます。
書泉ブックセンターの交差点の横断歩道は渡りたくありません、地下が安全です。地下道の壁に「スイミー」を発見。その「まとまると強い」というメッセージを見て「わらすのみんなが、まとまって歩くと車に強いって、坪井先生が言ってたよ」という話に。
バス遠足が雨になったら、上野の科学博物館に行く計画もあるので、今日は乗り降りの練習も兼ねてエレベーターに乗ってみました。乗ったら跳ばない、ドアを触らないなどのルールを上手に守って、地上へでます。
■秋葉原公園で初めて遊ぶ
幸いなことに、秋葉原公園は人がいません。通勤ラッシュの時間でもなく、月曜日の午前中、しかもこの暑さ。自転車もほとんど通りません。子どもたちは、木陰でお茶を飲んで休憩した後、自然とちょっと、鬼ごっこぽく走ったり、花壇でてんとう虫やモンシロチョウを見つけたり、植木の囲い棒に座って休んだりしました。
また、一つ、地域の居場所が見つかりました。子どもたちの集団行動スキルは、どんどん向上しています。

親子遠足こぼれ話し

2019/05/26

■果樹園
「ここに果樹園があるよ」。遠足のルート探しの時のこと。表札屋さんの店主が通りに出てきて教えてくれたとき、内心「やった〜、やっぱり歩いて探せば、おいしいスポットがあるじゃない!」と思い、「どこだろう?こんなところに、果樹園が」と、小林、遠藤、牧野、私の4人は、あたりをキョロキョロ。件の店主は、どこみてんのさ、といった風に「これ、これ」。私たちが立っている目の前の木を指差して「これが甘夏、巨峰、そして・・」と説明してくれた。「もっと早く来れば、下の方にいっぱいなってたんだけどなぁ」と、キョロキョロと気づかない私たちの方が、もしかしてイケナイ?かな、とチラリと感じてしまい「ああ、これが果樹園ですねー」と、いいもの見タァ!感をメいっぱい出して「あー、なるほど、そういうことですね〜」って店主のユーモアに笑って感心してました。しばらくして、牧野先生が小さい声で「園長先生、ブドウって言っちゃ、ダメですよ」、と言ってくる。「ブドウがあるなんて、楽しいなぁ」っていったら即「巨峰」って修正されたらしい。笑。ダイジですね、そういうことろ。失礼しましたぁ!
■リバーサイド万世橋
万世橋警察署の中を貸してもらえるかどうか。「貸してもらえたら、すごいよねー」と、係とハシャイでいたときは「ダメ元で聞くだけ聞くか」と電話してみたら、あっけなくOKが出て、ちょっと拍子抜けしたぐらい。
聞いてみなければわからないことは、それに留まりません。ピーポ君はてっきり「ピーポーピーポー」の音が由来だと思い込んでいたら違うというし、(確かにあの音は救急車なんだから、消防署でしょ。答えは、ピープル・ポリスの略です)警察版ゆるキャラ・マスコットは、47都道府県別に全部あると言うし、びっくり!その名前もまた謎です!!
さらに聞いて「へーっ!」って思ったのは、警察署の各階フロア案内版に「リバーサイド万世橋」の文字が上部階に並んでいます。実はこれ「住宅フロア」なんだと。警察署の上が住宅。これは絶対泥棒に入れられない究極の安全地帯。どんな人が住んでいるんでしょう。興味津々です。この話、私は知っていたので、一緒に行った先生に聞いても「えっ〜?なんだろう?」と思いつかない様子。正解を警部補に教えてもらうと、住んでいるのは警察署職員だと。なーんだ、独身男性警察官の宿舎ってことかぁ。ちょっと、私の早合点でした。

親子遠足で生き生きと輝いた人と街

2019/05/25

5月25日親子遠足
保育園ができる前から何度も歩いたこの地域が、同じ地域なのに、私には人と街が生き生きと輝いて見えた一日でした。以前と受ける印象が全く違いました。モウモウとタバコの煙が立ち上ってた喫煙所が親子遠足のスタート地点になり、万世橋警察署の玄関ホールが休憩所に変わり、馬の水飲み場が涼を取る場所となり、和泉公園が弁当を広げ、親子触れ合いレクを楽しむ場所になりました。秋葉原で保育ができるんだろうかと考えていた時期が、嘘のようです。やってみれば楽しいものでした。皆さんはいかがでしたでしょうか。地域の再発見と先生や保護者の皆さん同士の親睦の機会に、多少なりともなったでしょうか。体調を崩して参加できなかったご家庭もあり残念でしたが、また楽しい行事を用意しますから、楽しみにしてください。
今日は暑いなか、お疲れさまでした。今日、明日とゆっくり休んで疲れをとってください。月曜日、また元気にお会いしましょう。
 
■ファミリーバザールの会場が、こんなに混んでいるとは!「初日の午前中は大丈夫でしょう」の言葉を信じたのが大間違いでしたね。ごめんなさい!事情をよくご存知の方に教えてもらうようにしなきゃ。これが反省の一つです。
■たっぷりとのんびりの2コースを選んでもらいましたが、今日のように暑い日は、短いルートにするといった用意をするべきでした。
■神田リバーサイドプロジェクトとの連携を強化して、フェリーでの親子遠足をやってみたいと思いました。フェリーでどこかへ出かけて、フェリーで戻って来れたら最高ですね。
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