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地域連携(保育アーカイブ)

ゼミ生たちと実践を語り合う

2023/08/02

今日はある大学の先生と保育所を目指しているゼミ生4人が見学にいらっしゃいました。午前中見学をしていただいた後、午後、主任を交えてディスカッションをしました。学生さん達をいろんなところに見学に連れていかれているそうです。

保育を見て感じたことを話し合う。他者の考えに触れ、自分の考えを振り返る。子どもの姿、園の環境、保育者の様子、子どもとの接し方、そこに流れている考え方、いろんなことが話題になりました。それは私にとっても勉強になる時間です。

目の前に展開されている光景の中から、どんな事例を拾い出して話し合うことになるのでしょう。それは、そこに集う、当事者たちの関心や印象的な出来事が話題の輪郭を作り上げていくことになります。

例えば園のパンフレットには「保育目標」として、子どもの姿が4つ書いてあるのですが、3つ目には「自分を好きになれる子ども(自尊感情を持てる子ども)」とかいてあります。

学生さんの1人から「どうやったらそうなるのか」と聞かれました。この保育目標を作ったのは私ですが、さぁ、改めて聞かれるとどう説明するか。私の代わりに主任がエピソードを交えて説明してくれました。それを聞いていて「なるほど」と感心しました。このような会話は、いつもいる園のメンバーだけではなかなか生じません。見学をしあったり、公開保育を行ったりすると、このようなことがよく起きます。

今週は屋上でのプールの入り方を変更しています。基本はカニやラッコ、イルカなど、いわば「習熟度別」に子どもが選択するのですが、今週は子どもの姿から3歳児だけクラスで入るようにしたのです。水遊びやプールが好きなはずの子どもが入りたがらないのを不思議に思ったからだというのです。これは、ざっくり言うと、子どもの姿に基づく環境の再構成です。

その話を聞いていて、人間関係の再構築ために選択の方法を変更したことになるのだなと想像していたのですが、主任の話は、もっと柔軟で微妙な広がりのある話し方をしていました。そこに、生き生きとした実践の深さのようなものが脈打っているのです。

それでも、言葉で語ることを放棄せず、実践に迫り続ける語りを積み重ねあうことの大切さを確認できた時間になりました。ありがたいことです。

高校1年生が保育体験に

2023/07/27

 

昨日は小学生でしたが、今日は高校1年生が3人、保育体験にやってきました。「夏休みの間に何かボランティア体験を」と言うのが、高校の宿題だそうで、将来保育や教育の分野に興味があるという3人でした。いろいろな意味で想像を超えていたらしく、子どもたちのエネルギーに圧倒されたようです。「楽しかったあー、またきたいです」。9時半から12時半までの、あっという間の3時間だったそうです。

にちよう開放 しずくの会

2023/07/23

今日は「にちよう開放」。しずくの会が開いてくださいました。

今回はすべてのフロアを開放して、乳児から幼児まですべてのクラスで過ごしてもらいました。

私は建築設備検査の立ち合いがあるので、ついでに開放したのですが、卒園児の親子とも久しぶりに再会できて、一緒に昼食を食べたりして楽しい時間になりました。

これは「しずくの会」作成の案内。毎回、素敵なデザインです。

屋上を都会のオアシスに

2023/06/28

昨日に続き、今日は屋上の日除けや目隠しのネットを張ってくださいました。プールの上にパラソルも出して、暑〜い夏に備えます。お父さんたちに少し早くお迎えにきていただき、夕方5時過ぎ頃から6時ごろまで、小一時間で完成。本当に助かりました。これで屋上の空間も色々なことに使えそう。

プール開放は例年通り実施しますが、それ以外にも使い道があるといいですね。子育ての仲間が増えるほど、子育ても楽しくなり、子どもたちにもいいことが増えることでしょう。屋上が都会のオアシスですね、と先日SNSで言われましたが、本格的なオアシスにしていきたいですね。

養成校の学生が見学に来て

2023/06/22

今日は二つの養成校(専門学校)から学生が見学と保育体験に来ました。学生といっても昨年まで高校生だった1年生もいれば、子どもが4人いるという40代の方も。それぞれ「保育士」を目指して就職先を探しています。最近の傾向として大規模な保育園は避けたい、小規模の方がいいという傾向が見られます。どこがいい保育園かわからない、就職してみないとわからない、だから派遣が選択肢になる人もいます。養成校には卒業生から就職先の情報が入るので、その情報が最も確実なのかもしれません。

ある大手株式会社は保育士を何千人(あるところは4000人だそうです)も抱えているので、一年中、大量の採用と退職が繰り返されているそうです。毎年ある程度の採用者を確保していく必要があるので、内定を出すタイミングが早い。この6月にも来年度の採用者が決まっていく場合もあります。当園のような小さな法人も、今ごろから来年度の採用数を決定していかないと間に合わない時代になっています。保育団体が主催する就職フェアもこの時期。昔は青田買いという言葉がありましたが、あまり聞かなくなりました。4月採用にこだわらないし、どの時期が早い遅いがわからなくなってきた、ということもあるからでしょう。

毎日ように派遣や紹介の会社から電話が入ります。養成校も生き残りをかけて学生の確保と養成と就職に必死です。人口減社会に入ってきた日本。働き手が色々なところで足りなくなると聞きます。保育園もそうなるかもしれません。その前兆はすでに見えています。このテーマが別々に見える事柄がつながって見えてくるのも時間の問題のように感じます。別々の島だったものが、水がひくと山脈だったことに気づくように。

小学校が授業公開し保幼小の先生が語り合う

2023/06/21

やっと実現しました。千代田区教育委員会主催の保・幼・小合同研修会。それぞれの先生が午後1時から45分の公開授業・保育(公立小学校6学年全部と付属幼稚園3学年)を参観したあと、体育館に集まって、その実践報告をきき、グループ協議に参加し、講演(青山学院大学の福元真由美先生)で学びました。私は初めて参加したのですが、毎年行っていた公立のみの幼小合同研修会から、今年度から保育園(公立だけではなく私立も)も加わったことと、グループ協議の時間を持ったことが新しいそうだ。

研修会のテーマは「幼児期の学びとその学びを生かした小学校の学び」。公開された授業と保育のすべての指導案に「10の姿」との関連が記載されている。私が参観したのは年長の「好きな遊び」(制作・鬼ごっこ)、1年生と2年生が合同の「生活科」(なかよし会~学校たんけん~」。遊びや活動のなかに見られる子どもの姿を10の姿でとらえ、そのつながり具合を協議会で語り合った。私も近隣小学校区のグループに参加し、卒園児がいたのでその子どもたちの姿の成長、変化を伝えました。

生活科のなかよし会は、1,2年生で4~5人のグループをつくり、1年生が学校たんけんで発見したことを言葉で伝え、2年生は用意した学校クイズを出して楽しむもの。会を進めるための「これから始めます。いいですか」など、あらかじめ決まったセリフもあれば、タブレットでの見せ合いが始まると2年生が1年生に「こっち向けて」と普段の口調で話している。いわばオフィシャルな会話(二次的会話)と日常会話がこうやって使い分けられていく。状況に応じて言葉を選んでいる。そのような芽生えは保育園のお集まりやお帰りの会などで、同じような区別は始めっている。協議会ではその様子を説明した。

4年生の算数の時間も参観した。いい授業だった。単元は「少数のしくみ」。「水がポットに1.75ℓ、やかんに2.64ℓ入っています。水はあわせて何ℓありますか。この課題を解決するために自力解決と相互交流をやっていたのですが、ノートに書いたものをタブレットで映し、電子黒板に映し出し、それを自分のブレットでもみながら、発表内容を交流しやすいようになっていた。このようにお互いの考えを共有しやすくなっているのか、と感心した。

このような先生同士の話し合いはありがたい。定期的に積み重ねていきたいものだ。架け橋プランを作るための会合ではないが、これでその前段階に入ったといえるだろう。

なつかしい保育園の友達と再会

2023/06/08

3歳児クラスの途中まで一緒に過ごし、昨年度4歳の一年半の間を海外ですごしたFさんが年長さんで戻ってきました。といっても今週の2日間だけ。最終日の今日は一緒にバス遠足も楽しみました。また海外の幼稚園へ戻ります。つかの間の数日間でしたが、Fさんは仲良しだった友達との再会もできて楽しかったようです。「また来たい」といいながら、嬉しそうに「バイバイ」と帰っていきました。日本にいっとき戻ってきた時に、こうして保育園が実家や親せきの家とおなじような仲間に入っているのがうれしいですね。

親子遠足で「屋形船&地域」を楽しむ

2023/05/20

地域の方々と創り上げていく保育。それは日々の保育が最も大事なのですが、ある意味で、今日のような親子遠足もわかりやすい例かもしれません。屋形船から見えた風景はいかがでしたか? 船から見える保育園、すぐそこに見えた神田川の川面、和泉橋や美倉橋の裏側、立ち並ぶ船宿、隅田川の流水の迫力、上部が雲に隠れた東京スカイツリー、隅田川テラス・・・保育園の前の防災船着場から屋形船に乗って浜町公園まで、短い時間ですが、普段と違う景色がおもしろかったですね。

第一便の皆さんには、乗船前にご紹介しましたが、今回の屋形船の行事ができたのは、多くの方のご協力の賜物です。

まずは「ちよだの水辺を魅力ある都市空間に再生する会」(略称:ちよだ水辺のNPO)の理事長、岡田邦男さん。開園当初の親子遠足で、屋形船を手配してくださって依頼の足掛け5年のお付き合い。この会の支援がなければ、一般開放していない防災船着場を使って、乗船することはできません。

https://www.chiyoda-rs.net

船宿は三浦屋さん。ちよだ水辺のNPOの大切な主役です。このイベントもご好意で成り立っています。

その間を取り持ち具体的なイベントプランニングを立ててもらっているのが、スリークロストラベルの堀内さん。旅行企画、とくに観光クルーズのバリエーションが豊富です。

https://www.threextravel.com/about-3

ちよだ水辺のNPOは、神田川、日本橋川、皇居の内堀、千鳥ヶ淵などの「水辺」を綺麗な魅力ある景観にするための特別非営利活動法人で、町会連合会の会長をはじめ、行政、区議会、観光協会など地元のまちづくりの主役が区の条例に基づいて活動しています。その一環に、保育園の行事「親子遠足」も、位置づけさせてもらっているわけです。

防災船着場の前には和泉橋出張所がありますが、ここに移転する前は当園がいまある場所に建っていました。この春から所長に異動された宮原智紀さんも朝から駆けつけてくださり、ご挨拶いただきました。桟橋の前の階段のある空間は、実や「佐久間橋児童遊園」という公園でもあり、園児はいつもここでも遊ばせてもらっています。出張所のすぐ裏、神田川川です。

ここの花壇の花植え(アダプト)が年2回ありますが、ちよだ水辺のNPOが、お茶の水ロータリークラブと佐久間橋一丁目町会と協力して実施しており、当園も参加させてもらっています。花植えは5月と10月の土曜日です、その都度、ご案内しますので、ぜひ親子でご参加ください。

ゆくゆくは浅草や竹橋のような水上バスの乗り場になれば、秋葉原からお台場や、浜離宮あたりまで、保育園の日常の水上バス遠足を実現させたいと思っています。区の条例ができるように、皆さん応援よろしくお願いします。

今回は、このようなルートでしたが、親子遠足は私たちの住む街を知り、住む街への愛着を深めようということを大切にしています。いろんな場所に行ってみましょう。同時にご家族同士の親睦も深めてもらう機会になってもらえたらと実施しました。第3便の到着がお昼頃になってしまいましたが、みんなで輪になってミニレク「ここはせいがのひろば」を楽しんでもらいましたが、いかがだったでしょうか。

気になる場所や団体、応援したい活動など、ぜひご参加ください。どんなテーでも、皆さんの小さな支えが大きな動きになっていく源です。興味があったら気軽にお声掛けください。お互いの関係と世界を「いい感じ」で気持ちよく広げていきましょう。

午後は、晴れ間も増えて、保護者の方が主催した第3回春のピクニックも、のんびりした懇談の時間となってよかったですね。卒園した子どもたちと一緒に遊ぶ姿を見ていると、いろんな意味で「いい感じだなあ」と本当に嬉しく、最後までお邪魔させてもらいました。ありがとうございました。いろん方とおしゃべりができて、楽しかったです。また、ぜひ続けましょう。雨模様の時や乳児の親子には保育園も使ってくださいね。

バンドネオンとダンス

2023/03/11

今週を振り返ると、大学との連携に関することがいろいろありました。保育実習生が来ていることもありますし、栄養士になるための保育体験も受け入れたり、大学へ出かけて外国の保育者養成校の学生と交流したりもしました。そして今日は美大でダンスと映画に取り組んでいる学生と話も出来ました。この二人は、当園のダンス指導に来てもらっているコンテンポラリーダンサーの青木尚哉さんの教え子で、海老原商店での今日のイベントに来ていた方です。

今日のイベントは、青木さんが主催している「EBILAB」の26回目で「バンドネオンとダンス」と題し、珍しい楽器バンドネオンの演奏に合わせて即興ダンスをするというコラボレーションでした。10代から80代まで、20人ぐらいの幅広い年齢層の人たちが、音楽と踊りを楽しみました。

バンドネオンの調べは、どこか懐かしく、国籍を超えたノスタルジックな色調を帯びるから不思議です。それが日本の伝統的「看板建築」の海老原商店とよくあうのです。バンドネオンの音が伝統空間の中で光と音と時間を融合させ、それを青木さんのダンスがさらに「意識を見えるもの」にしていきます。何が見えたのか? もちろんそれは人ぞれぞれですが、私には歴史の時間が見えました。

キリストのチャーチ(教会)を持てなくても讃美歌を歌たいたいという民衆の力が、この楽器を産んだと言います。信仰から必要とされてドイツで生まれた楽器が、南米に渡って受け継がれ、それが日本にたどり着いて、この空間で奏でられているという文化伝承のつながりの中に、楽器がたどってきた歴史を感じました。そしていかにも「昭和な」建物の中の「ネオン」に照らされて、私たちが忘れている意識のどこかを、この楽器は呼び覚ましてくるのです。その呼び覚まされる意識に導かれながら、青木さんの身体が空間を刻んでいくのです。

https://www.instagram.com/stories/nao_ya.aoki/3057988809170839114/

このタイムトリップしたかのような場。それを日常のように思えるのは大いなる勘違いでしょう。なぜなら、難解な演奏スキルを必要とされ、そこから悪魔的楽器という異名をとるバンドネオンが実際に目の前で生演奏されていることさえ、至って稀有なことなのに、建物自体が伝説のような空間で、コンテンポラリーダサーの青木さんの身体が舞うのですから。こんな贅沢な一回きりのどこにも残らないアート作品。そう、人生の生きる時間はどこにも残らないものなのでした。

 

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