◆「ちよだせいがぶんこ」の蔵書方針
今年はこの7月ぐらいの間、ずっと保育における「言葉」について考えてきました。大学生にそのテーマで15回分の資料を作ったからです。その中には、絵本などの児童文化も含まれるのですが、保育園で使う絵本の他に、お貸しする「ちよだせいがぶんこ」もあるので、絵本についての考え方を少しお話しします。絵本に関して「別冊太陽」の特集など、いろいろなものがあるので参考にしてきましたが、毎年、幼児向けの図書は3000点も出版されているので、星の数ほどある絵本の中から、何を選ぶのかは大変です。そこである程度、ロングセラーとなっているものや有名なものから選ぶことになるのですが・・・。
◆よい絵本の3条件
まず、よい絵本とはなんでしょうか? 長らく保育の世界で仕事をしてきた私としては、この質問については、次のように答えてきました。良質な絵本と言われているものは、大抵は大人が良かれと思って選んだものであり、子どもに聞いて決めたことはほとんどありません。そうなってしまっているのは、もちろん子どもに聞いてもわからないから、という事情もあります。そこで私が「よい」絵本だと思うものは、次のような特徴があります。
その1つは、まずは子どもがそれを「好む」ということです。2つ目は良質な物語(ストーリー)があり、絵本の絵や言葉が「アート」である、ことです。3つ目は大人にとっても魅力的であることです。大人が魅了されていないと子どもに伝えようと思えないからです。いい絵本というものについては、細かな条件がいろいろありますが、大きく分類すると、この3つの要素が重なり合っているように思えます。子どもにとってという視点、それから中身、内容のよさ、そして大人にとっても「これはいい」と思えること、この3要素があってほしいのです。
◆全国学校図書館協議会(SLA)
実際にどんな絵本があるのか、どうやって選べばいいか、いろいろなものを紹介していきたいと思いますが、まずは安全パイになりそうなのサイトであり、困ったときには、このサイトをお勧めしています。全国学校図書館協議会(SLA)のホームページです。ここには「よい絵本」の選定基準と絵本リストの解説が出ていて、とても便利です。
https://www.j-sla.or.jp/recommend/yoiehon-top.html