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睡眠講座(保育アーカイブ)

子どもに最も大切な「睡眠」をプレゼントをしよう

2023/02/24

最近、急激に変わった環境(夜も電気がついて明るく、テレビやスマホで、寝る直前まで光を浴び続けている生活など)に、私たちの睡眠サイクルの異変を含む生活リズムに変調をきたし、子どもたちの心身に大きな影響を与えているようです。オキシトシン、セレトニン、メラトニンなどホルモンの産生バランスも崩れて、午前中に元気よく遊びに入れない状態になりやすくなります。遊び込めないですぐに空きてしまう、理由もなく機嫌が悪い、ちょっとしたことでイライラしてしまう、午前中にぼーっとしてやる気が出ない、夜ふかしになってしまう。そうした傾向は、生まれた後の経験の結果かもしれません。そうした傾向は、毎日の生活習慣を変えることで、軽減される結果が明らかになっていることなので、私たちはそこを警戒しています。

そんな話はどこかで聞いたことはある、でも現実はそうも行かないから、あまり大したことはないだろう、という大人の意識が、子どもたちの心身に悪影響を与えているかもしれません。「その危機感の希薄さがとても気になります」というのが、当園の園医さん「瀬川小児神経学クリニック」の院長、星野恭子先生です。

http://www.hayaoki.jp/index.cfm

星野先生は「子どもの早起きをすすめる会」の代表でもあります。日本人の睡眠の質の悪さは有名だそうで、国際比較でもそうなっているようなのですが、それが子どもの生活リズムにも影響しているといいます。これは結構、由々しき事態かもしれないのです。小児神経学の世界では、睡眠と発達(障がい)の関係を詳しく調べています。しかしいくら政府(文部科学省)が「早寝早起き朝ごはん」運動を通じて、睡眠の質の大切さを訴え続けていても、夜遅くまでの塾通いや子どもの睡眠不足が大幅に改善されているようには見えません。それよりも、寝る時間を削ってでも勉強したほうがいいという考えが強くて、多くの大人は子どもが夜10時以降も起きている状態が脳に良くないことに、あまりピンと来ていないように、私には見えます。

保育園にいるときに、その誤った考え方を修正しませんか。早寝早起きをしたほうが、統計的には学力もいいという相関があるようです。睡眠の質は、学校の勉強や自分の探究心、粘り強さなどに影響するのですから、そうだろうと思います。自覚的に学びに向かう意欲や、内発的なエネルギーが出やすい状態になるのですから、その意欲的なコンディションづくりと習慣を小さいうちに作ってあげましょう。

今の私たちの脳や身体は、何百万年ものあいだ、変化する環境に結果的に適応したものが生き残った結果です。長い時間をかけて変化してきた私たち人類の心身。10万年ぐらいの長さでも、寒い地域から暑い地域まで地球環境の違いに応じて、その自然環境に応じた皮膚がこれほど変化したのですから、チンパンジーとの共通先祖から約800万年の長い時間をかけて変異して環境に適応した私たちの特徴は、それだけの根深いものなのでしょう。確かに大きく生活環境が変わっても、私たちの身体は、その影響を大きく受けるものと、さほど受けないものがあるでしょう。

しかし、大きく影響を受けた結果の一つが、睡眠サイクルだと精神科医の専門家たちがいいます。夜も電気で明るいという生活は、つい最近のことなので、脳や身体はそれに慣れていないようです。テレビやスマホやタブレットから出ている人工的な光は、それまで人間が経験したことのないもので、長時間の利用や寝る直前までの視聴が、光への依存と覚醒を促し、睡眠サイクルを歪めています。日没と共に「夜は真っ暗」だった何百万年もの時間。その悠久の時間をかけて進化してきた(環境の適応してきた)私たちの身体と脳。それが急激に変わった生活環境の影響で、身体が異変のアラームを発しているというのです。

その危機感から、当園は開園した令和元年秋から、「睡眠講座」を開いてきました。今日は今年度20回目のズーム講座で、お二人のご家族が参加してくださいました。そして「瀬川小児神経学クリニック」にお勤めの睡眠衛生指導担当の永持伸子先生から「ぐっすりねんねのコツ」をたくさんお伝えしました。

「睡眠は借金や負債は溜まるのに、貯金(寝貯め)はできない!」「オキシトシンが出やすい、ダラダラした時間を5分でもいいから寝る前にもとう」「子どもは疲れて寝るのではなく安心と満足から寝る」「昼寝を含めて11時間になればいいというのは大きな間違い」「昼寝をするから夜寝ないということはない。昼寝をしても夜は寝る、役割が違うからです」「8時半には布団に入って朝7時にはカーテンを開けよう」「帰宅から就寝までの逆算マネジメントを」「晩御飯を凝りすぎない。軽く済ませて大丈夫」など。

子どもが9時までに寝てくれる生活づくりは実現可能です。保育園の保護者の多くの方が、それを手にしています。大人は子どもが寝た後に自分の時間を持てます。これも大きなことです。夕方6時までにお迎えができれば2時間あれば、十分に睡眠にまで誘うことができます。それはヨーロッパの睡眠先進国がやっていることです。日本だけができない理由はないのです。それを信じてやってみましょう。子どもは健康になり、貴重な午前中のゴールデンタイムが毎日、充実する1日を子どもにプレゼントしましょう。怪我も少なくなり、充実した時間になります。自分からいろんなことができるようにイキイキとした活動的な振る舞いに変わっていきます。親が乳幼児期の子どもにやってあげることの中で、これほど大事なことはないと、私は思っています。

アキバ分室で初めての睡眠講座

2021/09/01

9月1日(水)、今年4月に万世橋にできた「子育てひろば」で、初めての睡眠講座を開きました。講師はお馴染みの永持伸子さん。子育てひろばは、基本的に毎週水曜日の午前中に開かれているのですが、そこでいつものようにZOOMでリモート講座を開きました。ただパソコン画面をプロジェクターで映し出し、音声もスピーカーで流して、そこへ赤ちゃんと一緒のお母さんたちが、一緒に講座を受けることができるようにしてみました。

会の始めに会場の方から睡眠のことで聞いてみたいことを尋ねると・・

「夜の授乳をそろそろ終わらせたいのですが、どうやったらいいですか」とか「昼間のお昼寝はどんな状態が好ましいのですか」など、いろいろな?(はてな)がいっぱいでした。

多くの人にこの講座のことを知ってもらうためにも、感染対策を講じた子育てひろばで開催してみたのですが、睡眠講座を開いてみると、はやり「対面」のよさが分かります。画面越しでは伝わりにくいコニュニケーションがあることがよく分かります。ただ、コロナ禍や距離を気にしないで済む、家から参加できる、夫婦で一緒に参加できるなどリモートの良さもあります。

今年度前期は9月7日(火)と21日(火)で一旦終了します。リピーターの方もいらっしゃいます。子どもの成長に従って睡眠のポイントも変わります。気軽に何度でも参加してみてください。お申し込みは千代田せいが保育園のメール(c.seiga@chiyodaseiga.ne.jp)までどうぞ。

光・見守る・スクリプト

2021/07/20

人は色々なことにベスト3とかベスト5などを作りたがるのはどうしてでしょう。古くは「三種の神器」やキリスト教の「三位一体」に仏教の「仏法僧」、江戸時代の「御三家」や戦後の「3大財閥」など、何かと3つ揃って初めて何事かが成立するというような<3要素>を発明してきました。相撲でも三役揃い踏み、が土俵の華になります。実は私も3大要素なるものを見出しました。それは夜の睡眠の質についてです。

今日は第4回目の「睡眠講座in千代田せいが保育園」をズームで開きました。参加者は3名で、千代田区からも2人のオブザーバー参加がありました。これまで何度も聞いてきた内容なのですが、良質な睡眠を子どもに保障するには、いくつかの3大要素があるような気がしました。一つは「光と闇」です。私たち人間が地球上の生物として進化してきた必然性からくるものです。特に光とホルモンの関係を良くすることです。具体的には朝日とともに起きて日没と共に眠る。朝に光を浴びてセレトニンを生み出し、それが夜の睡眠を誘うメラトニンの材料になります。また睡眠時間は長さもさることながら、時間帯が大事といった、人間が生き物であり地球の自転という生態系の中で生きてきたことによります。体内時計もそうやってできました。

二つ目は「睡眠も見守る」ということです。親子関係の要素です。たとえば、まだ夜にまとまって寝続けられない数ヶ月の赤ちゃんの時期、夜に何度かよる目覚めてしまう時に、「赤ちゃんは寝たがっている」と思ってあげて、安心させるだけにする。自分でまた眠りにつく力があると信じて、おっぱいなどのご褒美はあげない。夜の授乳欲求と睡眠欲求を分けて対応すること。これを一緒にくっつけてしまうと、ご褒美がないと寝ないことになってしまいます。欲求は満たしてあげることで情緒は安定するので、必要な養護=ケアなのでですが、肝心なのは、睡眠欲求と食欲をまぜこぜにしないことです。助産師さんたちのアドバイスとちょっと違うかもしれませんが、お母さんの健康を保つためにも、そうした方がいいでしょう。

三つ目は、体の習慣化。本人がその気になることから、何も考えなくても体がそうなっていくようにしてあげること。よく「スクリプト」と言いますが、それが出来上がると子育ては楽で楽しくなります。これには、夜遅く帰ってくるお父さんが混乱させているケースが多々あります。ぜひ、ご夫婦で夕方から夜の過ごし方を「子どもにとって」という視点で見直すことが大切です。例えばですが、夜ご飯はさっと軽く済ませてテレビは消して、お風呂に入り、上がったらダウンライトになっていて絵本タイム。だらだら楽しいお話タイムで他愛のない安心と満足の時間を5分でも10分でも作る。毎日同じ順番にして体が次を予想してそうしていくようになっていきます。赤ちゃんの頃から、そうしげあげると子どもも親もとても楽に生体リズムを作りやすくなります。この習慣は一生の宝物です。

光、見守り、スクリプト。この三要素が良質な睡眠の要のようの思えてきました。

日体大教授の野井真吾さんは「光・暗闇・外遊び」を提唱しています。7月6日の「園からのニュース」(保育アーカイブ「早寝早起き」)も参考にしてみてください。

第2回睡眠講座で思ったこと

2021/06/29

6月15日からスタートした今年度の睡眠講座ですが、今日6月29日(火)は2回目になります。参加いただいたのは6か月の赤ちゃんとちょうど1歳の赤ちゃんのお母さんお二人でした。参加された方は「睡眠の話は保健所などでも聞いたことのない話でしたし、睡眠のことはあまり意識したことはありませんでしたが、こんな話を聞けてよかったです」という感想を話してくださいました。いろんな悩みの解決に糸口が見えたと、喜んでいただけました。

これまでも同じような感想をたくさんお聞きしてきたので、どうにかして千代田保健所の事業として、出産前の子育てシリーズの一つとして「パパママになるための睡眠講座」(仮称)を実現させたいと考えています。

大人も子どもの世界最下位なのが、夜の睡眠時間。学力がちょっと下がるとあんなに大騒ぎするのに、若者のうつ病が増えると多くの方が心配するのに、コロナ自粛で若者の自殺が増えたといって特集番組をやるのに、これらの問題と睡眠や生活リズムの崩れが関係してないとでも思っているのかしらん??? なんて、思ってしまいます。

そうなんですね、繋がっていると思っている方が少ないんですよね。大学の先生や入試制度を考えている研究者も、政治家もお医者さんも、自殺予防活動を展開しているNPOの方々も。いえ「子どもの早寝早起きは大事」とは聞いたことはあるし、あるいは知っているのかもしれないし、いろんなことと関係してそうだと、薄々そうかな?と想像しているかもしれませんが、もしからしたら「エビデンスがない」と思い込んでいるからか、積極的に取り組まないということなのかもしれませんね。

これを書いている夜9時30分。世界的には子どもなら最も熟睡していてほしい時間です。寝入りに最も深く質の高い睡眠になっていることが、子どもも大人も大事なことだと言われています。果たして、どうでしょうか。まだ起きている子どもがいたとしたら、夢に誘うメラトニンが、あまり有効に働かない生活環境や生活リズムになっているかもしれません。朝日を浴びて午前中に体を動かすことや、寝る2時間前にはテレビは消して白い光を浴びないようにしたり、安心と満足の心理状態で、眠くなっていくような、生き物本来の生活リズムを保障してあげることが、難しい時代になっています。お母さん、お父さんだけでは、どう考えたらいいのか、どこから始めたらいいのか、わからないかもしれません。

子どもの人権条約(と私は訳すべきだと思うのですが)に批准している日本は、子どもの最善の利益を優先する政策の実施に躊躇すべきではないのです。これは国民的に議論してほしいテーマです。保育界では非認知的能力とか情動的スキルという言葉は浸透しました。同じように、保育における睡眠の質も早く常識化させたいものです。

第1回 睡眠講座「Mam’s Salon」開く

2021/06/15

今年度初めての睡眠講座「Mam’s Salon」を開きました。参加者は保育園の保護者の方と、地域の方の2名でしたが、これから連携をとっていきたい千代田区社会福祉協議会のアキバ分室の方もオブザーバー参加していただきました。この睡眠講座の内容は、日本人の多くの大人が知らないことが多いものです。しかも、何も知らないで子育てを始めてしまうと、当たり前と思ってやっていることが、実は違っていたということが結構あるのです。ぜひ、一度は聞いていただきたいと切に思います。詳しくは、このホームページのアーカイブ「睡眠講座」や「早寝早起き」をご覧ください。

疑った方がいい「当たり前」とは、たとえば「寝かしつけ」がそうかもしれません。子どもは赤ちゃんの頃から、自分で寝る力を持っており、なんとか寝たいと思って、むにゃむにゃいったり、指しゃぶりしたりしながら眠ることができます。あるいは寝ようとしているのです。そこを大抵の日本人の親は、誤解してかまってしまいます。このことは、なかなか理解してもらえない、最大のポイントかもしれませんね。今日の講座でも、最後にその話になりました。このテーマほど、「もっと早く聞きたかった」となる話なので、妊娠したらぜひ押さえておきたい子育てのポイントの一つのようです。

東社協保育部会の保育研究大会

2021/06/03

今日6月3日は、午後から東京都社会福祉協議会の保育部会が開催している「保育研究大会」に参加しました。参加といってもオンラインでの参加です。当園からは「いま改めて「早寝早起き」の習慣づくリ〜赤ちゃんの睡眠リズムを中心に〜」の実践を報告しました。参加者は5月11日から公開されている発表動画を事前に視聴してから今日のライブ協議に参加します。今日はそのライブ分科会が開かれたのです。

5月の日本保育学会でも感じたのですが、事前収録を視聴できる形のリモート開催は、事前にじっくりと内容を理解できるので、とてもいいと思います。ライブ参加だけの時は、聞き逃したらそれで終わり。視聴し直しができません。それに引き換え、録画されているものなら、都合のいい時間に視聴できるので、とても勝手がいいのです。

一方でライブでのグループ討議もあるので、リアルな話し合いの感覚も体験できます。参加者もリモート方式に慣れているのか、それほど違和感も感じません。一年前に比べるとかなり馴染んできたという感じでした。

さて、実践内容の方ですが、当園は開園して2年が経ちましたが、生活リズムづくりは、この間1年半に渡って取り組んできましたが、いま見えてきた風景は、子どもにとって何がいいのか、保護者のみなさんと一緒にじっくりと考えていこうという、長い道のりの風景です。その道は、それぞれの子どもの実際に合わせて歩んでいく道です。今日の話し合いではその長い道の歩み方は多様であることを確認できた気がします。今年の睡眠講座は6月15日から始めます。

収録録画は以下から見ることができます。

https://eqm.page.link/68po

子どもの早寝早起きをすすめる会

http://www.hayaoki.jp/video_qa.cfm

 

 

朝日と運動がセロトニンを増やし夜の睡眠の質を高める

2021/04/08

今年度初めて、朝の運動タイムの担当をしました。新わいわいさんが伸び伸びと体を動かしています。ネットを2段階にしているだけですが、首を入れてから肩を抜き、お尻も持ち上げて、全身がネットの上側へ入っていく流れを見ていると、「あれ、いつの間にこんなに上手になったんだろう」って、びっくり。その動作の中だけでも、関節を動かし力を入れる方向が体の体幹を支える内筋に「効いているだろうな」と思えます。いっぱい使われている筋肉は、いわゆる身のこなしの滑らかさや姿勢の良さに必ず結びつきますから、これは身体にとっての宝物です。本人は「高い方に登れたよ」と嬉そう。

しかもクライミングも中程まで登ってしまいます。トランポリンも楽しそうです。1、2、3と数えてながら跳び、・・58、59、40、41・・と何度か40から59を繰り返して、ポイっとお友達と交代。とにかく笑顔が絶えません。いい朝の迎え方ですね。

朝7時までには起きて、朝日をしっかり浴びること。午前中にうっすらと汗をかくくらい運動すること。これでセロトニン全開です。このホルモンが高まるからこそ、それが睡眠ホルモンであるメラトニンの産生につながって、質のいい睡眠をもたらすのですから、朝日と朝運動は「金」です。この二つは良いことづくめです。

今日は永持伸子さんによる睡眠講座の研修をしました。「夜のテレビやスマホの光は身体への影響がとても大きいので、寝る2時間前には消して欲しい」という話に、私たち日本人は、あまり気にせずに、子どもに白い光を当て過ぎていることにもっと敏感にならないといけないと感じました。先日の「すいすい組の保護者会」で、テレビやゲームの見過ぎややり過ぎが話題になりましたが、その話とは別の次元で「白い光の悪影響」について、もっと勉強しないといけないようです。

睡眠講座で気づいた「おやすみなさい」の意味

2021/02/22

今日は16回目の睡眠講座が開かれたのですが、私は乳児の「記憶力」の発達にあった援助について学ぶことができました。6ヶ月ぐらいの赤ちゃんは、数日しか記憶がないそうで、1歳を過ぎていくと1ヶ月前のことも覚えているようになっていきます。すると「寝ているから気づかれないようにそっと寝かしてあげる」方法が通用するのは6ヶ月ぐらいまでで、それ以降になると記憶力が発達して、目が覚めた時に起きている時のことを思い出して「寝るつもりじゃないかった」子にとっては、目覚めると「起きようとしてしまいがち」だそうです。ですから、寝る前のことを覚えているようになる頃からは、寝るときに「おやすみなさい」とちゃんと声をかけてあげて、これから寝るんだよ、というメッセージを伝えた方がいいそうです。

睡眠講座は毎回「そうか、なるほどなあ」と気づくことがあるのですが、そんなことを考えていたので、次のようなことにも気づきました。

昼食を食べ終えて本や紙芝居を読んでもらうと、ちっち・ぐんぐんの部屋から、「父さん眠れ、母さんも、兄さん、姉さん、赤ちゃんも、ねんねしな、ねんねしな、ねんねしな」の歌が聞こえてきます。すると、歌い始めると、すぐに布団の方に移動するYちゃんや、最後まで聞き終えてから、立ち上がって布団に移動する子など、自分たちで自然と眠りに行きます。それこそ自発的なゴーツーベッドです。

これは毎日繰り返している習慣になっているからでしょうが、よく考えると、絵本や紙芝居という遊びから、歌を挟んで睡眠へ自ら気持ちが動いていく様子は、睡眠講座でも永持さんがポイントにあげていたことと同じです。それは「これから寝るよ」というメッセージを子どもにちゃんと伝えることです。保育園の場合は童歌ですが、それと同じような区切りのサイン、これから寝るよ、のサインをご家庭でも用いてみるのもいいかもしれませんね。

食事の後は絵本を読み、歌を聞いて眠りにつく。それぞれを声かけでやらせようとするよりも、それぞれが子どもにとって「好きなこと」を順番に並べてあげるという感覚で、毎日、同じ順番や流れを作ってあげるといいのかもしれません。

睡眠の質を良くする安心感と満足感

2021/02/18

月に2回のペースで開いてる睡眠講座「マムズサロン」は今日で15回目になります。今日は4月の入園が決まった保護者の方の参加がありました。子どもは成長していくにつれて、睡眠に関する課題も変わってきます。特に保育園での生活が始まると、家庭とは違った環境での過ごし方になります。家庭とは違う環境での「午睡」もあります。子どもの睡眠の質を良くするには「安心・満足」な気持ちで睡眠を迎えることができるといいでしょう。それは保育園の午睡も同じかもしれません。

保育園生活に「慣れる」には、次の3ステップが必要になります。まず、起きている時間に「遊び」を通してお友達や先生と仲良くなること。次に保育園の「食事」に慣れること。授乳や食事の味や食べ方も家庭と違うかもしれません。

そして、3つ目が「午睡」です。家庭と異なる場所で親御さんと離れて寝ることができること。こうやって、遊び、食事、睡眠のぞれぞれに違った「慣れ」が必要なことを感じていただけると思います。それぞれが「安心・満足」なら素敵です。そうなるとき、遊びも食事も午睡も、質が高い営みになることでしょう。睡眠講座では、毎回、睡眠インストラクターの永持伸子さんが、この睡眠の質を高めるためのコツを、詳しくやさしく説明してくださいます。

今日は夕方に雛人形を飾りました。子どもたちも綺麗な赤い布を敷いたり、人形を並べたりすることが楽しくて、せっせと手伝ってくれました。場所は昨年と同じ3階から屋上へ向かうところで、階段をひな壇代わりにしました。ただ、まだ完成していません。というのは、お手伝いをしてくれていた子がお迎えの時間がきて「やりたかったお人形を並べ終わること」ができなかったので、あえて五人囃子の楽器を手にするお供えを明日に残してあります。明日19日がお雛様を飾るのに、ふさわしい日でもあります。

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