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東京すくわく(保育アーカイブ)

味わうという姿を探究しはじめる先生たち

2024/11/13

「味の探究って、どこまでが探究なんだろう?味わう姿って、その時だけじゃないようので・・」。午後の振り返りでは、そんな話し合いになりました。今日はレンコンでした。茹でたレンコンと焼いたレンコン。その美味しさに大人もびっくり、だったのですが、子どもたちは正直にその反応を示してくれます。

配り終わったらと思ったらすぐに「おかわり」とお皿を出し出したHちゃん。「今日はこれで終わりなんだけど・・」とシェフのそら先生(江口颯良)がいっても、じっとすわったまま移動しようとしない姿に、担任が可笑しくて笑っていました。

8月のナスにはじまって、9月のきのこ、10月のきのこピザ、そして今回はレンコン。2歳児クラスのにこにこ組の子どもたちは、だんだん慣れてきたのか、そら先生がくるね、というと「なんだかソワソワ、わくわくしているよう」だそうです。最初に机の上に登場したのは、蓮根の先端部分。これなんだろう?スライスしたレンコンを重ねていくと、だんだんそれらしくなってきて、全貌が明らかに。

つながったままの大きなレンコンを、さわったり、抱えたりしながら、そのずっしりとした重さも体感します。茹で上がったお鍋から湯気が立ち上がり、香りもします。一人ずつそれを見たり嗅いだりして、それらかいよいよ、たべてみた〜い!となって、目の前で切り分けます。湯気の立つアツアツのレンコンに塩をふって、小皿で配り終わるまもなく「おかわり」という姿になっていったのでした。

そのあと、こんどはソテーしてみます。鍋に油を注ぎ、ジューッと焼き始めます。これももう3回目なので、どんな音がするかな? どんな香りがするかな?というと、子どもたちから、いろいろな声。先生たちがそれを聞き取ってメモをしているのですが、少し焦げた香りがしてくると「いいにおい!」と聞こえてきます。

振り返りで話し合っていると、この時間に限らず、いろんな姿がつながっていることが見えてきました。始まる前も終わった後も、昼食のときの様子も家庭での姿も、はっきりとその影響とはいえなくても、きっと影響を与えていくでしょう。「すこし長い目で見てみよう、これを続けていくことで大きな変化につながっていくんじゃないか」というのが、今日の話し合いでした。

コンテで楽しく体をうごかす世界への冒険

2024/10/16

今日はダンスの日。芝田いづみさんと、宮崎知佳さんに来ていただき、乳児の健康診断もあったので、順番をかえて最初に「にこにこ」から、その後「ちっち・ぐんぐん」「わいわい」「らんすい」とダンスを楽しみました。ダンスといっても、音楽性のある空間のなかで、子どもたちが思い思いに体を動かす「遊び」です。何も難しいことはなく、赤ちゃんは、いつも楽しんでいる音楽をかけてもらい、それに合わせて口ずさみながら体をいろいろ動かしてみます。

にこにこ以降になると、床にマスキングテープを貼ったり(探検あそび)、人の体を人形に見立てて動かしてみたり(マネキンとデザイナー)、ダンサーの動きを真似して全身を動かしたり(鬼さん何するの)、手足や体を動かして穴をつくったり(トンネル遊び)、いろいろなものや身体への関わり方に気づいていきます。他人の体を動かすときは「優しくそっと動かす」とか、体をまっすぐに伸ばして寝返りをすると自分の体が棒のように転がるとか、うつ伏せで手足を丸めるとダンゴムシのように「ごろんと転がる」とか、そうした動きの中で、身体感覚が覚える面白さに気づいていく感じです。

身の回りのものには、床という平面があるのですが、普段はそれは歩いて移動する、あまり気にしていない「身近なもの」なのですが、マスキングテープを自由にはって、その形からイメージされてくる「動き」が誘発されます。海にうかぶ島々のように見えたり、線がぎゅっと詰まった場所は、広めに感じるので、そこで一呼吸できて「座る」ことや、「跳びはねる」動きも。

短い点の模様のようにみえるあたりは、爪先立ちでツンツンと歩こうとしたり、急に曲がった直角部分からは、いづみさんが「横歩きしてみようっと」と言ってちょこちょこと歩いてみます。

子どもは「そういう感じか」ということを掴むと、それはある種の制約というかルールのようなものなのですが、慣れてくると、だんだん「じゃあ、こしてみよう」という感じで試したりしているように見えました。

私たちは身の回りにある物の意味は、固定されていてあまり揺れないのですが、このような遊びは新しい世界として立ち現れ、そのなかでどう関わるかという冒険のような楽しさがあります。略してコンテというダンス(コンテンポラリーダンス)は、そのような出会いを作り出す面白さのかもしれません。

毎月第二水曜日が「味・おいしさの探究」と「野菜・果物販売」です

2024/10/13

2つ星レストランでシェフだったフラン料理の調理師・江口颯良(えぐち・そら)さんが園に来て「味の探究」活動をするのは毎月第2水曜日です。

その日は午前中ににこにこ組、午後4時からはわらす組で食育活動をします。またその日の幼児の昼食のときに、ライブ・クッキングをします。旬の野菜を持ち込んでもらい、お昼ご飯の副菜をその場で調理してもらい食べます。

またその日に使った食材にちなんだ野菜か果物を、保護者のみなさんに販売します。予約は前の週の金曜日まで。販売する野菜は健康に配慮した低農薬や有機栽培の、安心安全なものを産地からの直送です。志の高い農家を応援する意味もあります。

現在のような購入希望者数なら、月2回へ増やせそうなので、近くアンケートをとらせてもらいます。

 

幼児たちの「りんごの食べ比べ」

2024/10/12

9日は「味の探究」の日。「これはどんな味がするのかな?」というアンテナの立て方を学ぶ日です。この日の夕方はりんごの食べ比べをしました。あきばえ、しなのどるちぇ、ときりんご、の3種類。

最初に少しずつ食べてみます。比べると味の違いがわかります。甘さや酸味、鼻に抜ける香り、食感などの違いに気づきながら、食べて見ます。

そのあと、子どもが何を食べたかみないように目を瞑っている間に、目の前のお皿に配り、目を瞑ったまま食べてもらいました。

「今食べたのは、ときりんごだと思う人?」と順番に手を挙げてもらい、江口さんが「正解は、、あきばえでした」というと「わあ〜い」と大体みんな当ててました。

一番人気があったのは「ときりんご」でした。ほかのものより少し甘味が引き立って感じるからでしょうか。しなのどるちぇは風味が強く柔らかい食感でした。

あきばえは、カリッとした歯ごたえがあり、酸味もほどよくそのバランスがいいですね。焼きリンゴにするなら、少し酸味のあるものがおいしくなるそうです。

ちなみに小さい子はうまく「もぐもぐ」(咀嚼)しないで、誤って喉につまらせてしまうということを避けるために、給食では出さないように指導をうけています。というわけで、よく噛み砕くことができる幼児で行いました。

 

にこにこでは「きのこピザ」づくりを楽しむ

2024/10/12

果物販売のあった9日(水)は午前中に「にこにこ組」で「きのこピザ」を作りました。8月から始めた「おいしさの探究」は、「とうきょうすくわく」に認められました。今回は3回目なのですが、前回の「きこの」を使って、それを生地に乗せる「トッピング」を楽しんだのです。

9月から「きのこ」には「しいたけ」とか「なめこ」とか「まいたけ」と「しめじ」かあって、それぞれの味を楽しんできました。また、それでできる料理の絵本もよんだりしています。

テーブルを囲んで座ると、小麦粉をまぶしたピザ生地がお団子のように、一つずつ目の前に置かれました。

これを手のひらで押して丸く平たくします。小麦粉ねんどで遊んできたので、それに似ていますが、それよりも水分が多めなので、こねてしまうとベタベタします。

平たくなったら、ソースを乗せてもらい、スプーンで広げていきます。その上に「きのこ」のほかに、トマトとアスパラガス、そしてチーズから好きなものを選んで乗せていきます。

・・・いろんなのができました。もうこれだけで楽しい!という感じです。さあ、オーブンで焼いてもらうのですが待ち遠してくて「まあだかかな?」と調理室まで覗きに・・10分もするとぷーんと「ああ、いいにおい」。

焼きたてのピザを頬張って大満足です。それぞれの子どもたちの味の探究の様子は、別のドキュメンテーションにしましたので、詳しくはそれをご覧ください。そこから3人の姿をちょっとピックアップすると・・

TYくんは頬張ったあとで、口の中の「もの」を「これなんだっけ?」というように取り出して見て「きのこ!」と確認してからまた食べてました。

TRちゃんは、ソースが手について嫌がったのですが、お友達の楽しそうな様子をみてまた戻ってきてトッピングを楽しみ、できたピザをおいしい!と食べました。YYくんは苦手なトマトがこれなら大丈夫だったようで「おいしい」と食べていました・・・

秋の味覚「きのこ」も、いろんな料理に使われますが、レストランでピザを注文するときに「きのこピザ」を食べたがる子どもたちになってくれるといいかも!ですね。

 

「あきばえ」は、焼きリンゴを「おやつ」にお試しあれ

2024/10/11

9日に提供した果物はいかがでしたか?

この「秋映」(あきばえ)というりんごは、長野市の「赤沼」で徳永さんが栽培しているもの。赤沼は100年続くりんごの名産地です。収穫まで葉を残すことによって、糖度が上がり、甘みが増すといわれる「葉とらずりんご」です。お迎えの時の試食では、この糖度の高い「あきばえ」を焼いて「焼きリンゴ」にして食べていただきましたが、甘さがが増して美味しかったですね。

保育園の食事では、食べ物を喉に詰まらせやすいものは避けています。こんにゃくとか、ミニトマトなども提供しにくくなりました。でも火を通して柔らかくしたりして、窒息や誤嚥をふせぐ工夫をしています。焼いて柔らかくすると、ジャムづぐりの一歩手前のようになって、そうしたリスクも避けることができますね。

おやつの代わりにためしてみてはいかがでしょうか。

ダンスの中に新しい刺激を求めて

2024/10/10

3歳の子どもたちは、面白い動きを見つけました。トンネル遊びがどんどん変形していくのですが、人が床に寝ていると、それがつながっていき、子どもがそこを跨いで歩き出します。それは前回までありました。今日はさらに自分も四つん這いになってトンネルをその上につくりだし、そのうちその四つん這いのトンネルが横移動を始めました。

4、5歳で列ができるほど人気になったのが、2段トンネルでした。足と手で2箇所に輪をつくると、頭から入って出たらもう一度続けて下の輪を通ろうとします。子どもは発明の名人であり、ちょっとでも変わったものや新しいもには目がないんですよね。

わらべうたダンス遊び「鬼さん何するの」は、青木さんの「これ何するの」をみて真似して遊びました。いろんな格好が即興で現れるのですが、それぞれを真剣に真似していました。ときどき、可笑しみを誘う格好もあって、おふさげっぽくて楽しそうでした。

午後からはおやつの後に、ダンスの撮影をしてみました。暗い空間をつくってスポットライト(LEDライト)の色をかえてみます。撮影した動画を子どもたちが見返してみて、何をどう思うのかを試してみました。赤がいい、青がいい、こうやって(2回重ねて)紫にしよう、でも暗いから、やっぱりこっちがいい、と証明係も楽しそう。ダンスの撮影会ごっこも今後の展開がちょっと楽しみです。

赤ちゃんのからだで音や言葉が共鳴しあう

2024/10/10

ダンス遊びも回を重ねるごとに、その場にいる子どもも大人も「音とからだ」で「コミュニケーション・ダンス」を楽しむ感じになってきました。まだ話せない赤ちゃんたちが、わらべうたや手遊び歌を楽しむ姿をみていると「歌い、共鳴することば」が空間を満たしていると実感できます。

大人は子どもから発された言葉だけが「ことば」だと思いがちですが、子どもにとどている大人の言葉はたくさんあって、さらに歌やリズムや旋律にのった心地よい「声」が、こどもたちの体に染み入っていきながら、自然と揺れたり、手を振ったり、立ったり、歩き出したりとまるで「からだ」で歌っているかのようでした。

話せる子どもたちからは、「ひげじいさん」とか「かもつれっしゃ」とか次々と好きなこと、やりたいことを思いつくようで、ほかの子どもたちも「次はなんだろう」と待ち構えているかのようでした。すでに体も視線もそんな様子なのです。

 

ライブクッキングで3キロの椎茸のをペロリ!

2024/10/09

本当にびっくりしました。今日のお昼ご飯のときのことです。幼児組の子どもたち20人が3キロの「しいたけ」をペロリと平らげてしまったのです。一人当たり平均150グラムも食べた計算になります。個人差があるので、もっと食べた子もいます。しかも主食の「カレーうどん」と副菜の「つくねハンバーグ」に加えて、です。

子どもたちの目の前で椎茸のソテーが始まると、キッチンカウンターから匂いがダイニング中に漂います。ふつうは厨房でできた献立は、食べるエリアにある配膳台にもってきて並べるのですが、今日はカレーうどんなどが並ぶお鍋のとなりで、生の椎茸が焼かれていくのを見ながら、出来立ての椎茸を皿に盛ってもらったのです。そのライブ感がさらに食欲をそそります。名付けて「野菜のライブ・クッキング」です。

子どもたちが喜んで食べたもう一つの理由は、先月9月11日に行った「味覚の探究」で、いろんな「きのこ」を食べ比べて、その美味しさを知ったから、ということもあります。満足そうな子どもたちのたべっぷりをみながら、こんな調子で野菜好きの子どもたちになってくれたらいいな、と思いました。

赤ちゃんたちは研究者

2024/10/05

今週のクラス別ドキュメンテーションを見直してみたら、外遊びがふえて春にやった同じ活動が復活しているのですが、前よりも変わっていることがあります。ダンゴムシをまた部屋で飼い始めた男の子たちは、以前の学びを活かしてすぐにおうちが完成しました。弱っているダンゴムシと元気なダンゴムシがいるそうで、その見分けがつくというのも大したものですが、土がない!と本当に泣きそうな顔で心配しています。

子どもの姿の目の付け所が変わってきた先生もいます。今年は子どもの「探究」する姿に着目しているからでしょう、子どものいろんな「気づき」に気づこうとしています。たとえば10月2日の個人別の日誌。

「Kちゃん(10ヶ月)は、日の光が差し込んでいるところまで探索にいくと、立ち止まって床を叩いていた。保育者も同じように手を当ててみると、他の場所よりあったかいことに気づく。温度の違いに気づいたのか、色の違いに気づいたのか、Kちゃんはどんなことに気づいて立ち止まったのか。子どもたちの気づきや発見に保育者もよく気がつき、感じていることを一緒に味わっていきたい。」

Nちゃん(13ヶ月)は背の高さにあったコンビカーを選んで探索を楽しんでいました。鏡のところまで行くと、ぶつかってしまい、どうしたら進めるのかな?と試行錯誤していました。

「コンビカーで鏡のところまで行くとぶつかって動かなくなってしまう。前に進めてみたり動かしてみたり、どうしたらいいのだろうと試行錯誤しながらやってみる中で、バックしたらいいのかもしれないということに気づき、バックして動かしていた。自分で試行錯誤するなかで、ものの性質について学んでいくため、物事にじっくりと関わる機会や時間を大切にしていきたい。」

昨日は朝急に雨がふったので室内散策に切り替えた時、「音」をテーマに、いろん部屋に楽器をずらりと出して置いて、好きなように関わらせてあげていました。

「園内探索の中で、楽器に親しむことができるように、探索先に様々な楽器を用意してみる。気になって手に取ってみて、触れてみたり、振ってみたりする中で、音が鳴り、その面白さを感じて、触れてみることを繰り返す姿があった。 3階ではお兄さんやお姉さんがハンドベルの演奏をしていて、その姿を見て同じように手にとって振ってみたり、触れると音が鳴ることに気がつき、様々なベルを鳴らしてみる姿があった。 探索先にさまざまな仕掛けを用意したりしながら、子どもの触れてみたい•関わってみたい気持ちを引き出していきたい。」

赤ちゃんたちが「まるで研究者のように」見えていたそうです。いや、先生たちも子どもたちに負けない研究者のようですよ。

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