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東京すくわく(保育アーカイブ)

「探究」を探究し始めた先生たち〜とうきょうすくわく〜

2024/09/06

今週3日(火)の夜、青木尚哉さんを講師にして、先生たちが集まってダンスの探究を語り合ったのですが、その後も探究について先生たちの探究が続いています。その一端を1歳児の担任をしている先生が次のようなクラスブログを昨日5日に書いているので、皆さんにもご紹介します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

「探究心の芽」のやってみたい!

いま、園では、にこにこ組(2歳)やわらす組(345歳)を中心に食育やダンスといった活動を、子どもたちの「探究」という姿をテーマに、展開し始めています。 「探究」は、一人ひとりの子の中で起きている心の動きや感覚なのかな?と思うと、その言葉が指す核心的な子どもたちの姿を捉えようとするのは、なかなか難しい部分でもあるなぁ、とも感じるのですが、先日 職員同士で、そのことについて話し合う機会がありました。

その中で、「”もう一回!”と繰り返しやってみようとする姿」も、ひとつの探究という姿の表れではないかという話がありました。例えば、ダンスの時間に、「もう一回!」と何度も挑戦していくなかで、ちょっとずつ自分なりの工夫を入れたり、その子なりの色々な方法を試したり。楽しい、面白い、と感じた先に、すこし工夫したり考えたり試したりしながら取り組んでみるプロセスがあるようです。

子どもたちは、そうした「探究」を無意識に身体感覚でやっていくけれど、大人はどうしても頭で考えてしまう…という話も印象的でした。

・・・さて、ちっちぐんぐん(0歳1歳)の子どもたちに目を向けてみると、ひとつのテーマや活動の中での「探究」を捉えるのはなかなか難しく感じてしまうのですが、少し角度を変えて見てみると、ちっちぐんぐんの子どもたちの日常は、むしろたくさんの小さな”探究の芽”で溢れているように感じます。

あるひとつのものごとやテーマを継続的に突き詰めていくような姿はまだなかなか見られないかもしれないけれど、小さい子どもたちの生活は、むしろ、探究心の芽吹きの連続なのではないかな?と思うほど、見てみたい!やってみたい!試してみたい!もういっかい!の意欲で満ち溢れています。

 

◼︎モノとのかかわり

Sくんは、大人とギターで遊んでいるうち、ふと あることに気付きました。それは、ちからいっぱいはじくと、弦が振動すること。

最初はジャーン!と音が鳴るのが面白くて、弦を鳴らしてはケラケラ笑っていたのですが、ある瞬間にガラリと表情が変わって、弦の動きに注目し始めます。数回、弾いては眺め、弾いては眺め…。弦の揺れをじっと確認しながら、振動が止まると「…ない!(動きが止まった!)」と教えてくれました。

 

Sくんが実際に 見て、触れて、試して…を体験したからこそ発見できた面白さだったと思います。

 

◼︎生活の中でのやってみたい! Rちゃんは最近、ズボンを自分で履いてみようとする姿が見られます。まだ、自分で足を入れるところも難しそうですが、やってみようという意欲が素敵です!

 

 

ちょっと手伝うと、できる部分は、自分でトライ。こうして、実際にやってみようと挑戦する中で、試行錯誤しながら自分の身体を知り、コツを掴み、徐々にうまくできるようになっていくのでしょう…♪ そして、最近、幼児食へ移行したTちゃんとMちゃん。ぐんぐんさんの姿を見ていたからか、おやつ後の下膳に挑戦です。

(となりには、いつのまにかすっかりお手本のようなHくん。)

Mちゃん、おもわず、『できた!パチパチ〜!』と喜びの拍手!

 こうしてまわりのお友だちや身近な人の存在が刺激になって、同じようにやってみよう!やってみたい!という姿が引き出されることもあるのかもしれません。  

Kくんも、この日、食後にトレーを運ぼうと両手で持って立ち上がります。教えたこともないのですが、どこかで覚えたのか、自分でお片付けしてみようと思いついたようです。

 (後ろから応援するNちゃんもかわいいです…)

先生にちょっとお手伝いしてもらい、そのまま調理の鈴木先生のもとへ^^ 子どもの「やってみよう」の気持ちや姿を、良い塩梅で 支えたりフォローしたり見守ったりするのも、大人の役割かもしれません…!

 

◼︎お友だちと一緒に Wちゃんは、最近、先生の真似っこ遊びが好きです。

この日は、ビーズのついた板状の玩具をウクレレ?ギター?に見立ててかき鳴らしながら、「おてては ぱー、さんはいっ…」と歌を歌っていました。それを見た Lちゃんも同じ玩具を持ってきて隣で同じようにやってみます。

先日は、絵本の読み聞かせをしているような真似っこ遊びもしていて、びっくりしました。 Wちゃんはいつも気に入った歌や絵本を「もういっかい!」と何度も何度もリクエストしていますが、そうしてちょっとずつ自分の中に落とし込んで、再現しているようです。 いつのまにか、歌えるようになっていたり、絵本のセリフを覚えていたり…。子どもたちの「もういっかい」はすごいですね。 ・・・最近のようすをご紹介しました。

「探究」というテーマを考えるとまだまだ私たち自身、これから学んで深めていかないといけないな、と感じるのですが、子どもたちの姿をよく観察したり読み取ってみたりする中で 感じること・考えることは日々たくさんあります。 ほかにも、ここでは紹介しきれない それぞれの子どもたちのさまざまな姿がありますが、ぜひ、パパママ保育士体験なども通して実感しにいらしてください!

保育園が「美味しさ」を追求しにくい別の理由?〜とうきょうすくわく〜

2024/09/04

食べ物が「おいしい」というとき、美味しいと書くなら、味にも「美」を感じるということなのでしょう。その場合の「美」はとても広い意味であり「よい」という意味に近いのかもしれません。そう考えると保育の方向にも「よさ」があるので(というよりも人間はなぜかわからないけれども「よさ」を追求しているので)、美味しさを求めるということも大いにあっていいことでしょう。

というようなことを考えていた時に、先日9月2日に、大妻女子短大の栄養学の先生がいらして、次のようなことを話されます。その短大から実習生を受け入れているからです。(写真)

・美味しい給食づくりを目指しているのに、実際は栄養とメニューの工夫ということにどうしても力点がいきます。

・それはそれで大事なことなのですが、作るところまでで、実際にどう食べているか、どう食べてもらいたいか、そのためにはどうしたらいいか、というところまではなかなか届かない。

そしてこうおっしゃいます。「保育所に栄養士の必置義務がないから、養成校も保育所での食事の提供のあり方を教える内容が乏しくなってしまう」ということもあるそうです。なるほど、そうかもしれないと思いました。2年間養成課程の中で、高齢者や介護施設や病院や企業の給食も学ばなければなりません。

確かに一方で、こんな話もあります。「栄養士と調理師の両方を採用するといいよ」という方もいるのです。その趣旨は、調理師の方が美味しい料理を作れるという意味です。

しかし、実際に採用した経験があるのですが、確かに腕はよくて、早く調理できて、盛りつけも上手だったりします。ただ、たまたまそうだったに過ぎないのですが、長く飲食業界での修行経験者なので、味付けは濃く、上下関係が厳しく「昭和作法」で仕事を部下に求めます。若い人はついていけませんでした。

そのケースに限らないのですが、21世紀生まれの人への育て方を昔の経験者は教わっていないので、採用後のリスキリングでは間に合いません。

というような話をしたのですが、上の話は誇張気味だとしても、似たような話を聞きます。

ちょっと話はそれますが、保育所の調理業務というのは、栄養計算も必須で保健所に提出しなければなりませんし、その上で献立を作成し、そして食材を選んで発注し、実際に毎日、基本的にその日の朝早くから調理業務(離乳食から幼児食、食物アレルギーの代替食、延長保育の夕食や捕食まで)があり、食中毒予防などの衛生推進も怠ることもできません。

このような業務の上に「喫食指導」や「食育」があるという現実があります。期待したい業務を広げていくと、かなり保育所ならではの専門業務があって、もしかすると、食育を担う保育者としての「調理員」のあり方を、ちゃんと検討しているところがない、ということかもしれません。しかるべき「調理員」の姿が、それぞれの保育園に任せっきりでいいのでしょうか?そんな疑問が頭をもたげてくるのでした。

おいしさの探究〜味わおうとする姿 〜とうきょうすくわく〜

2024/09/02

園だより「巻頭言」9月号より

 保育園の食事に限らず、子育て中によく話題になるのは単純化すると「なんでも良く食べるようになってほしい」ということですよね。少食とか偏食にならないように。当園の食事のしおりにも有名な「5つの子ども像」が書いてあります。①お腹がすくリズムのもてる子ども、②食べたいもの、好きなものが増えるこども、③一緒に食べたい人がいる子ども、食事づくり、④準備にかかわる子ども、そして⑤食べものを話題にする子ども・・・です。

先生たちも残食を気にして、よく食べることが良いことであり、残すのは良くない、もったいない、という考えが優先される傾向があります。それはセミバイキングにしても同じ方向を向いています。しかし、冷静に考えてみると、多少語弊があるかもしれませんが、子どもも大人も「美味しいなら食べる」のではないでしょうか。もちろん、お腹も減っていないとか体調が悪いとかなら仕方ありませんが、その文化に住んでいて美味しいとされているものは望むものでしょう。

 そこで美味しいと感じる要素を考えてみたのですが、まず食材のおいしさというものがあります。従来から「旬のものを」と言われてきました。産地や育て方の違いも影響します。そして調理法によって味はずいぶん変わります。「素材の味を生かして」というのも調理次第というわけでしょう。そして今回、当園が注目してみたいと思うのが子ども自味覚体験の質です。お腹が減っていると何を食べたのかもわからないほど、あっという間に食べてしまうや早食いの子がいます。それはそれで健康的とも言えますが、もう少し味わって話でもしながら食べてもらいたい。その食材や料理を「味わおうとする」という姿勢を育ててみることで、本人の味覚体験を豊かにできないか?と思うわけです。

従来から、子どもクッキングをしたり、野菜を育てたり、料理の準備にかかわったりなどが言われ、当園もそうしてきました。ただやはり決定的に足りなかったのは、もっと身近に大胆に食材と関わり、調理のプロセスを間近にじっくりと観察したり味見をしたり、いろいろなものを比較して食べてみたりというように、食べられるようになる過程をもっとしっかりと「体験」することじゃないかと思い至りました。先日、これを2歳児クラスで「なす」でやってみたところ、やっぱりそうでした。ナス、といっても色々あって、色も違うし大きさも重さも違います。焼き始めるといい匂いがして、パチパチという音、塩をまぶして焦げ目や湯気がたち、香りが立ってきて。「どんな味がするんだろう?」と興味津々です。

「味の探究」が始まりました〜とうきょうすくわく〜

2024/08/30

8月30日(金)から、にこにこ組(2歳児クラス)で味の探究が始まりました。これは「東京すくわくプログラム」の一環としてやるものです。以下は東京都に提出する事業計画を作成するときに検討した内容になります。

・・・

乳幼児が「おいしさ(味)」を「探究する」ということの意味

1.はじめに

人は子どもも大人も食べ物を「おいしい」と感じている。確かに、その味覚の機能は身体に備わっている。しかし、いろんな食材があって、いろんな調理法があって、料理されたものを食べるときに、乳幼児の食の営みの中に、「おいしさを味わう」という体験が希薄かもしれない。なぜなら、例えば、カロリーや栄養のバランスには気を使ったり、完食するということを目指したり、なんでも食べられるようになることを目指したり、マナーよく食べたりすることは多いかもしれないが、果たして味の違いに気づいたり、おいしさというものを追求するような食の営みが大切にされているだろうか?

2.味に気づくことは発達するのか?

味覚は視力などの他の感覚機能と同じように、小さいうちに、年齢的な経過に伴って、微妙な味の違いに気づいていくようになるだろう。だとするなら、空腹を満たすための食事ではなくて、小さいうちから食べ物をじっくりと味わうという体験を積み重ねることで、「味わう」ということも発達していくのではないか。そんな仮説を立てみるのは見当はずれだろうか?

3.「おいしい」と意欲的に食べようとする事実はある

子供たちの様子を見ていると、確かにおいしいと意欲的に食べようとする姿、そういう事実はある、

・それなら「おいしい」と意欲的に食べようとする姿が増えるような活動を工夫する。具体的には、食材の段階からそのもの注意を向かせて、料理のプロセスもじっくりと見せて、食べ物への関心を高めながら、何をいま口にして食べているのかという意識をそれに集中させることで、味覚体験の密度が高まるようなことを積み重ねる。

・色々な野菜を「おいしい!」と感じて意欲的に食べる体験=事実を積み重ねることで、その子どもにとって何が「おいしい」ということかが、感覚的に洗練されていくだろう。その姿をどのように捉えていくか。

4.「おいしさ」の体験が積み重なる要素を抽出する。おいしいと感じるための要素には、以下のようなものが考えらる。

・食材そのもののおいしさ(低農薬のおいしい野菜を選ぶ)

・調理法の違い(素材のおいしさを引き出す調理ができるプロのシェフが調理する)

・味わうことに注意を向けた喫食行動(今回のプロジェクトで大切にしている当日の活動の流れ)

・関連する他の体験(料理や野菜に関連する活動や、同じ食材の販売を通じて、家庭での食事と連携を図るなど)

5.子どもの姿の変化を、色々な側面から眺めていく

・その時の体験の熱中度と積み重ねから見られる姿の変化を、数ヶ月、数年の単位で追いかけてみる。

・・・

30日には3種類のなすを、じっくりと観察したり、会話をしたりしながら、注意を向けるような問いかけをして、食べてみました。どんな味がするだろうと、まさに味覚を探究しようとする姿勢が見えました。

観察した様子は、詳しくまたお知らせします。

8月30日野菜販売「なす&とうもろし」

2024/08/24

低農薬あるいは自然栽培の安心・安全な野菜の販売を始めます。

初回は「なす」と「とうもろこし」です。

農家からの直接お取り寄せなので、おいしくて安いです。

販売の日には、昼間に同じ食材をもちいた食育活動をします。

子どもたちが「野菜大好き」になってほしくて、食育活動と野菜販売を一体的に始めます。

ダンサーとの話し合いから〜とうきょうすくわく〜

2024/08/22

昨日21日(水)はコンテンポラリーダンサーの芝田いづみさんと宮崎知佳さんにきていただき、子どもたちと運動を楽しみました。数あるダンスの種類の中で、なぜコンテンポラリーダンスなのかという話は長くなるのでまた別の機会にしますが、簡単にいうと「環境を通した保育」に適しているからです。子どもが楽しくなる、思わずやりたくなる身体的、音楽的、空間的な環境を作りだすことで、普段あまりない世界を子どもが体験できます。思わずやりたくなる、というのは子どもの方がやるかやらないか、それをその都度思いつきでやる主導権があるということを大事にできからです。(そういうのであれば、ダンスは何でもいいんですけれど)

この辺りは「振り付けのないダンス」という説明をしていたことに通じます。言ってみれば体遊びなのですが、戯れ遊びや鬼ごっこやわらべうたや体操やスポーツとも違う、新しい体の動きを発見していくような、身体の探究になっているような身体的な遊び、というといいでしょうか。ダンスの方からの言葉で言うとインプロビゼーション、即興的ということなのですが、子どもたちはそこに面白さを感じてノリノリになっていくのです。

子どもたちとのコミュニケーションのために、いろんな動きにわかりやすく名前がついているのですが、それぞれにやる目的というか意味があって、それはやるたびに発見されて、エクセルの表にまとめているものに、どんどん発見された子どもの姿が書き込まれていっているのですが、やるたびに子どもの経験が積み重なり身についていくので、それがまた新しい動きや思いつきを誘発させていて、午後はダンサーの芝田さんと振り返りながら長い間話し合いました。

たくさん話したのですが、その中の一つに、わいわ組(3歳児クラス)のISさんが「トンネル」を潜り出した時に、そばにあった椅子の下もどうなるか潜ってみたいと言い出し、その気づきが面白いね!いいね!と、それを試してみたのですが、ともて自分の体が通らないことがわかって、そのあと反対に椅子をトンネルのように覆う仕草をしていたのです。物との関わり方を試すということなのですが、そういう試行錯誤的な思いつきの体の使い方や世界の取り込み方が、即興的にどんどん生まれていく面白さが、この活動にはあるよね、という話になったのです。

0歳から3歳児以上の幼児クラスまで、全て動画を撮ってその分析をしながら、何が子どもたちに「起きているのか」を振り返ってみると面白いだろうと思っています。この日、午後の振り返りの中で、都内の中学校の保健体育でダンスを指導しているいづみさんと、幼児の時期にこのようなことを体験しているのとしていないのでは、何が変わると思うか?という話になったのですが、自分からこんなに表現していいんだという、自由に自分を出す体験の積み重ねは、そういう感覚を体験しているかどうかだから、かなり変わっていくと思いますよ、という話で同感したのでした。

ずっと一緒に見てきた担任も次のような感想を書いています。「毎年やっているので、年々、表現のバリエーションも増え、その時々の感情やその子らしさが見えてくるような気がします。ダイナミックに表現する子もいれば、よく見ていると、手先が動いているような、そっと表現するような子もいたり、輪に入って参加している子もいれば、見ている子もいたり、それぞれの距離感で表現遊びを楽しんでいます。」

 

野菜販売始めます!8月30日スタート〜とうきょうすくわく〜

2024/08/20

Naoraviチラシ 千代田せいが保育園

保育園の食育の目的は、以下の5つがあるのですが(書類「保育園の食事2024年」をご覧ください)、その2つ目の「食べたいもの、好きなものが増える子ども」のために、今月から美味しい野菜の味を探究する活動を始めます。その一環として、野菜の試食と販売を8月30日から始めます。

安全安心な給食づくりは、開園1年目からのテーマだったのですが、この間、味噌や醤油などの調理料は天然栽培のものに切り替えたりしてきたのですが、今後、野菜も少しずつ変えていく予定です。そのために旬の野菜を選りすぐりの産地から手に入れます。

子どもたちや親御さんにも、その野菜のおいしさを体験してもらいたいので、フランス料理のシェフである江口そらさんが開発した食育体験プログラムを取り入れて、野菜のおいしさと簡単な調理法を体験しながら試食するという「味覚探究活動」を始めることにしました。

今年度は月1回、毎週第二水曜日に行います。そのプレ開催として8月30日(金)に、群馬産の「ナス」を使った食育活動と、夕方の試食&販売(長野県上伊那産のとうもろこしもセット)をしますので、ぜひ試食してよかったらご購入ください。どんな調理法がいいかもライブでお伝えします。購入はその場でPayPayで。(早めに使えるように準備をお願いします)

<味の探究の日>はこんな流れになります

毎月第二火曜日(場所は全て2Fのダイニングで)

10:00〜11:00  「にこにこ組」で味の探究活動*東京すくわくプログラム

11:45〜12:30 ライブクッキング(昼食として副菜を調理)

16:00〜17:00   「わらす組」で味の探究活動

17:00〜18:00 野菜の試食と販売

<食育の5つの目標>

(1)お腹のすくリズムのもてる子ども

(2)食べたいもの、好きなものが増える子ども

(3)一緒に食べたい人がいる子ども

(4)食事づくり、準備にかかわる子ども

(5)食べものを話題にする子ども

身体的コミュニケーションとしてのダンス〜「東京すくわくプログラム」〜

2024/07/11

今年は「東京すくわくプログラム」を始めています。保育園ではたくさんの活動が同時にいろいろ動いているのですが、大きくは三つのテーマにスポットを当てて、継続的に取り組んでいこうと考えています。その一つはこれまでも取り組んできたダンスです。ダンスというと、実に様々なものがあるわけですが、当園ではコンテンポラリーダンスを4年間続けてきたので、その強みを活かして、身体と環境(他者や空間や音楽も含む)の様々なかかわりの側面にスポットを当てます。

講師は皆さんご存知の青木尚哉さんです。赤ちゃんから年長さんまで、発達に応じたプログラムを開発してくださってきたので、これをさらに良くしていきながら、進めていきます。今日は昨日10日に行った活動を、青木さんを交えて振り返りました。昨日のダンスは動画や写真で記録しているのですが、これを元にできるだけ全職員で共有していきたいので、今後の進め方も含めてクラスごとに話し合いました。

今日の振り返りの目的は大きく二つありました。一つは「子どもの経験している意味」について、保育士からみえていることと、ダンサーの青木さんからみえていることを交流し合うことです。

子どもの気づきや試行錯誤の様子をどのように捉えたか、それを出し合うことで、子ども理解を深め、次の活動の手立てや方向性を明確にできます。今日はいろいろな視点が交わされたのですが、やはりもっと掘り下げてみたいのは「身体的コミュニケーション」とでも言ってよさそうなところです。

青木さんの言葉では「関係性遊び」という表現をされていました。「マネキンとデザイナー」は、一方がマネキンになってデザイナーが10回のカウントのリズムに合わせて、手足を1箇所ずつ動かしていく遊びです。手や頭や腰や足をゆっくりと優しく動かすのですが、その時に、動かしてもらうマネキン役も動かすデザイナー役も、相互に協働して動かしているのです。能動的に動かす方と受動的に動かされる方という区分ではなく、そこに身体を通じたコミュニケーションがあって、「こっちに動かしてみよう」「あ、そっちなのね、いいよ」という了解し合う意思疎通が生じています。

園生活には多くの身体的な接触があります。抱っこやおんぶ。膝に座ったり側にいたり。じゃれあい遊びや鬼ごっこのタッチや手繋ぎ。いろんな場面でいろんな接触があるのですが、幼児なら改めて自分やお友達の「からだ」にもっと意識的になってみること。手で腕を「触る」ということと「掴む」ことと「押す」ことは違う、そういうことも含めて体験していく遊びになっています。

乳児の場合は、先生や友達との心理的な距離や大人が醸し出す雰囲気、また好きな歌やダンス、なりきり遊びの種類などによって様々な体の動きが生じています。

もう一つ、どのクラスでも話題になったのは、これまでもそうだったのですが子どもによって「あ、それ面白そう」と思ってやることが異なっていること。この活動には赤ちゃんから年長さんまで、実に多くの動きや身体的接触のバリエーションがあるので、子どもから見た時の「面白そうだからやってみたい」と意欲的になるものと、そうでないものが含まれています。その選択は基本的に自由にしています。そばで見ている、別場所で遊んでいる、でもその時だけは参加する、といったことができることが前提です。

そこで、「もっとやりたい、今度はこうしてみたい」という子どもたちが多いので、その機会を増やして深まっていくように、活動プランを少し練り直すことになるかもしれません。例えば、その時の子どもの意欲を見て、小グループでの選択活動が週案に入ってくるイメージです。

また関わり方とその意味を深めるために、青木さんからまとまった時間を使って研修会を開きたいと思います。これには保護者の方も興味がある方は一緒に参加してもらおうと思います。できれば、小学校の先生もご招待したい。

そしてこれらの活動の振り返りは、資質・能力の三つの柱で子どもの姿を捉え直していくことになるのですが、非認知的能力でもある「学びに向かう力」の、いわばエンジンになるところがパワーアップしていくようになるといいな、と思います。探究の意欲が、いわば「身体的な関わりの美に向かう活動」の一つになっていくように。

ごっこ遊びは「探究」のかたまりでは?〜とうきょうすくわく〜

2024/07/06

以下の写真は、先日7月2日に動画でお知らせした「お寿司屋さんのごっこ遊び」です。

・・・今日の2時頃から始まった、寿司屋さんの様子です♪

昨日今日で作ったお寿司を使って、お寿司屋さんを開店していました。

この様に、みんなで製作で盛り上がったものがごっこ遊びに広がっていくのはほんとに面白いですよね☺️

・・・

先生たちと保育中に語り合って気づいたのは、子どもの遊びの中で頻繁に見られる「ごっこ遊び」と探究の関係です。

「東京すくわく」の事例紹介では「もの」との関わりがほとんどだったのですが、子ども同士の関係があっても良いはず。

そこで展開されている姿を定点観測的に取り出して比較すると、そこには成長や発達と押さえていい変化が見られます。その中に「気づきと試行錯誤体験」の繰り返しと変化が、確認できるのです。それを成長展で1年間をまとめて可視化したいと思いました。

幼児の担任の一人は「たとえば春先のラーメン屋さんと最近のお寿司屋さんでも、変化がある。あの時は見ているだけたった年少の子どもも、今回は参加したり、顔ぶれも変わってきた。道具の使い方も慣れて、作るものが上手になったり、家族ごっこも発展している」そうです。おそらく、その活動の中に見られる知識・技能とそれを活用した思考力や判断力の変化が、ごっこ遊びの中のいろいろな表現の中に見られるからです。

でも、すぐに分かるのは、ごっこ遊びはいろんな要素がたくさん入り込んでいます。役割を分担して交代したり、言葉を交わしたり、使うものを制作したり、見ててるものを工夫したりと、多くのことが複雑に入り込んでいます。

先生曰く「このように振り返ると、ブログなどで記録をとっていることで、振り返るとその深まりや広がりに気づき、わかりやすくなるかも」という話になってきました。

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