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園長の日記

♪出た出た・・いもが・・

2020/10/02

すいすいの子どもたちの「芋掘り」の格闘ぶりを手伝っていると「こうやっていろんなことを学んでいるんだなあ」、「遠くまでバスでやってきて良かったなあ」と思いました。

まず芋が地面の下に、どんな風に埋まっているのか想像できていません。到着すると茎や葉っぱは切られて「さあ、どうぞ!」と農家の方が準備してくださっているので、子どもたちは「ん?このへん?」という感じです。まずは、そこからイメージを持ってもらうところから、芋掘りのスタート。

一人二株ずつ掘るように、「○○ちゃんは、これ、とこれね」と、掘る場所の前に座ってもらいます。このサツマイモ畑には、今日は10団体が車で来ていたのですが、団体や家族に掘ってもらうために作っているので、掘りやすくしてあります。予めも盛り土をした小山の中で大きくなっているのです。

土から赤いサツマイモの肌が見えると「あった〜!」と勢いが増して、どんどん掘り始めます。それでも芋の周りの土が固いところは、幼児の指では掘り返すことができず、「助けて〜」「取れな〜い」と先生を呼びます。

ほとんどのサツマイモはラグビーボールのような形をしているので、大抵は半分以上姿を見せると、あとは細くなっているので、子どもでも引くと抜けることが多いのですが、凸凹の長〜い形のがあったり、曲がっていたりすると、てこずっていました。

「見てみて!これちびちゃん!小さいよ、こんなに!」と、大きさを比べている子や、「大きい」とか「重い」とかを何度も口にしています。前日の雨が少し土に湿り気を与えて、土は比較的掘りやすい状態でした。

それでも5分、10分と頑張っていると「取れた!」「できた!」と嬉しそうに掲げて見せてくれます。地面の下に食べられるものがあることを知った人類が、偶然ではなく、意図して育て始めた栽培の知恵。その収穫の喜びの一端を体験できたようです。

わざわざ、広い農地まで足を運んで芋掘り遠足をするのは、作物を育てるという人々が生きていく上で欠かせない「食べ物を栽培して育てる」という文化的実践の「入り口に立ってみる」という経験になってくれたら、というのもあります。

また、すべても食べ物は、スーパーにいけば魔法のように手に入るのでないことを、あとで「勉強」して知ったとき、あの芋を掘った時の土の硬さ、芋の重さ、大きさなどの感覚的な体験がよみがえったり、知識として学ぶことに実感をともなった理解の支えになったりしてくれたら、という願いもあります。

中秋の名月は、満月ですから太陽とちょうど180度反対の方向にあります。西に日が沈んだ頃、月はやっと東に顔を出します。月は東に日は西に、です。今日の満月は屋上からも、昨日のようには見えませんでした。ビルの谷間からの観察はお迎えの時間にはかないませんでした。次のチャンスは運動会の前の頃になります。

中秋の名月はいかに?

2020/10/01

今日10月1日(木)から、新たな気持ちで後期保育のスタートです。

気分転換を図るために、玄関幕を付けました。「江戸っぽいですね」「相撲部屋ができたみたい」「何かのお店みたいです」などの感想をいただきました。私が気に入った子どもの表現は「網から旗になったね」でした。よく見ていますよね。

午前中から雨模様の、すっきりしない1日。室内で過ごしましたが、運動はバッチリでした。

にこにこはトランポリンを楽しみ、わらすは運動ゾーンでダンスに取り入れている動きを楽しんでいました。

夕刻になると雲も晴れて、中秋の名月がビルの谷間から顔を見せてくれたのは6時40頃。屋上に登ってお月見をしました。

3組の親子に望遠鏡で月面を眺めてもらいました。今週は初めての観察会の成立です。月の出の時刻はだんだん遅くなります。

 

 

園児と楽しむための科学実験12カ月

2020/09/15

毎年8月に実施してきた保育環境研究所ギビングツリー(GT、藤森平司代表)主催の研修会「GTサミット」が今年は、コロナ対策のため規模を縮小して、オンラインでも参加できるようにしながら、昨日と今日の2日間にわたって開かれました。会場は、新宿区高田馬場にある東京富士大学の記念講堂。

今回のゲスト講演には、今園児向け科学実験が大人気の川村康文さん(東京理科大学の教授でエネルギー科学の博士)をお招きして「園児と楽しむ おもしろ実験 12カ月」のプランを学びました。

乳幼児の頃から、科学的なものの見方や考え方を身につけることが可能なのか、またそれはどういうことなのかをじっくり考える2日間になりました。早速、今月から実践に移していくことにします。

 

ビルの上から秋葉原駅の電車が見えたよ!

2020/09/14

秋葉原駅を行き来する電車には、新幹線、東海道本線、東北本線、山手線、京浜東北線があります。それらの電車が通過する様子を、ビルの上から見てきました。

ちっちとぐんぐん11人が、「あ、でんちゃ、きた」「しんかんちぇん」と大興奮で、窓にかぶりついていた姿の微笑ましいこと!

また、その後、交代して同じ場所に立った、わらすの子どもたちも10人も、いろいろな電車が走る様子に見入っていました。

電車に限らず「保育園も見えるね」「あ、ヨドバシカメラ」と駅周辺の展望も楽しかったようです。

どこのビルかというと、柳森神社の向かい、電車のガードのそばに立つクリスタルビルの11階です。

このビルのオーナーである株式会社斎藤興業(斎藤社長は須田二丁目町会の会長)のご好意で、エレベーターホールをお借りしたました。

地域に1つ、貴重な散歩先が増えました。

そして、さらに大切なこと。遊びが発展しました。

散歩から帰ってきた、ちぐの子どもたちが早速始めた遊びは・・・

 

稲刈りを実況中継

2020/09/09

毎日のように食べている主食であるお米。9月になると全国で稲刈りが本格化します。そこで今日は、20年以上前から神宮司さんが交流を重ねてきた千葉県神崎町にある田んぼの稲刈りに参加してきました。そして、その様子をZoomで、わいらんすいの子どもたちに伝えました。

いま時、カマでイネを刈り取る「稲刈り」ができるところはそうはありません。この田んぼは、日本で昔から行われてきた「不耕起栽培」の田んぼです。稲刈りの時は水を抜きますが、そのほかの時は一年中水をたたえています。しかも全くの無農薬で、水田の中に生き物がたくさん棲んでいます。

イネを借り始めると、虫を食べるためにツバメが飛び交いはじめ、地面にはトウキョウダルマガエルがピョンピョンと飛び跳ねます。こんな場所で遊ぶことができたら、楽しいだろうなと思いました。

ミミズが作る土がバケツ2杯にも

2020/09/08

子どもたちに自然を体験させたいのですが、森や林や里山が近くにあるわけではないので、どうしても自然の一部を断片的に体験するしかない、という限界があります。でも、その一部分であっても、子どもたちが、好奇心や探究心を持って関わっていくことができるようにすることができれば、ただ自然の中で遊ばせるだけよりも、もっと素晴らしい保育になります。

その1つに「ミミズによる土づくり」があります。幼児クラスの子どもたちの中には「ミミズの餌やり」をやったりみたりしている子がかなりいます。ミミズが野菜クズなどを食べてせっせと作り出している土が、バケツ2杯になりました。実はミミズが土をつくていることを最初に研究したのは、チャールズ・ダーウィンです。その話はまた次回。

 

コスモスとスズムシが届ける秋

2020/09/07

関東にも警戒と俄雨をもたらした台風10号が去った今日7日、玄関の花壇に子どもと一緒にコスモスを植えました。各フロアでも楽しみます。

そして今日は、スズムシを各フロアで飼いはじめました。にこにこの子どもたち、わらすの子どもたちに、それぞれ目の前で「飼育箱」を作るところから見せました。

どんな都会でも少しの草むらがあれば、スズムシやコオロギの鳴き声が聞こえてきます。街路樹の下や小さな植え込みなどにも、しっかりと秋が届いているようです。

夕方、東京港に虹がかかりました。

 

 

夕立のあとに虹がかかって

2020/08/13

ゴロゴロと雷がなるたびに、数人のぐんぐんさんが「こわいよ〜」と先生に抱きつきます。先生が「かみなりさんはね、おうちには入れないから、心配しないで、だいじょぶ」と安心させています。

空が明るくなり、雨が上がると、東の空に虹がかかりました。わいらんすいの子どもたちも3階で見つけました。屋上のひまわりも雨で潤いでいます。夏ですね。

 

モンシロチョウを追って・・

2020/06/26

木場公園に出かけてみると、子どもたちがまず立ち止まったのは、目的地として想定したた芝生広場ではなく、そこへ着くまえの、駐車場と道路の間にある大きな樹木並木の根元でした。駐車場のアスファルトから黒土の地面へ足を踏み入れると、7人のらんらんさんは、どの子も枝や葉っぱを拾い始めたり、ワラジムシやダンゴムシを見つけたり、何の実だかよくわからない丸いものやら、根っこに土が絡まったモジャモジャした塊などに「何かあった」「みて、これすごいよ」と子どもたちが群がります。この姿に、子どもたちの「いま」をみる気がしました。バスの中で「今日何したい?」という小林先生の質問に「ダンゴムシ探し!」「蝶々をとりたい」と答える子どもたちだったのですが「ナルホド、もう、ここでそれが始まるんだ!」と妙に感心しました。

芝生広場に着くと、子どもたちをずっと惹きつけ続けたのは、やっぱり「蝶」でした。モンシロチョウの仲間のチョウが、ひらひらと芝生の中を蜜を探してとんでいるのを見つけると、走り出す子どもたち。それがずいぶんと遠くまで、飽くなき追跡が始まるのです。T君やK君が追いかけ始める後を私がついていくと、緑の帽子を網ががわりにして、葉の上の止まった蝶に帽子をかぶせて生け捕りにしようとします。が、そう簡単に捕まらないのが蝶の舞です。その蝶との鬼ごっこはかれこれ40分以上は続いたでしょうか。どうしても自分でとるんだという執念に近い情熱を感じます。この気持ち、わかりますか? 私も少年時代に確かにあったな、という感覚を思い出しながら、虫を捕ることにひたすら没頭した子どもたちのこの時間は、他では代替できない時間であることは間違いありません。

虫に興味のない方のために、日本で代表的な虫好き3人男(養老孟司・池田清彦・奥本大三郎)の鼎談を『虫捕る子だけが生き残る』(小学館101新書)からご紹介しておきましょう。

池田 「自分でいろいろ工夫して、我慢して、やっとの思いで捕れたときの喜びって、何物にも代えがたいですよね」

奥本 「標本を買っても嬉しいんだけどね」

池田 「欲しいものが手に入ったという意味では嬉しいですけど、自分で捕ったらやっぱり喜びもひとしおで」

奥本 「それは比べものにならないね」

養老 「そいういう喜びを、今の子どもたちにも味わってもらいたいということです」

この本の「まえがき」で池田氏は「虫捕りには、創造性、忍耐力、反骨精神などを養う、すべての要素が詰まっている。もし、あなたが、あなたのお子さんの人生を楽しく、有意義なものにしたいと願っているのなら、是非「昆虫採集」と「昆虫収集」を薦めたらよいと思う。(あなたではもう遅い)。金持ちになるかどうはか保証の限りではないが、幸せになることだけは約束しようではないか」と述べています。

虫が捕れた子も、捕れなかった子も、それぞれに喜びや悔しさを味わった1日でした。

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