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2020年 6月

社会の中で意思決定できる力を育てる

2020/06/20

6月からの園再開から3週間が経ちます。新しい生活様式の中での保育を考えるとき、子ども同士の関係が分断されないかと心配でしたが、乳幼児の感染リスクが少ないことがわかって、これまで大切にしてきた保育スタイルを大きく変更することなく、継続できることにほっとしています。写真は、幼児クラスで、朝、何をして過ごそうかな?と遊びのゾーンを選んでいるところですが、「何もしなくない」というのを「選ぶ」こともできます。あるいは、既存のゾーンだけでは収まらない活動ももちろんあるので、そういう発展的な活動を提案してくる子供もいます。そうした主張は意思決定力であり、他者との関わりのなかで育っていく大切な能力です。

当園の保育方針は「自分らしく意欲的で思いやりのある子ども」です。前半の「自分らしく意欲的で」というのは自由意志を育むテーマであるともいえます。また後半の「思いやりのある」というのは責任のテーマでもあります。その営みは、数日前の日記でお伝えしたように、赤ちゃんの頃から自由な選択行動や他者への配慮が見られます。このような関係発達が人の発達の基盤にあることをいかに守り抜くか、それがこれからの「新しい生活様式」の中での、日本の保育界、教育界の大きな課題だと考えています。

数日前の日記で、意識していないのに思わず真似をしながら遊んでいる中で、周りの文化を取り入れているものがあることを書きました。何でもやりたがる「自分で」という意志が強まる2歳ごろ、そして「僕はね」「私がね」と一人称を使い始め、自意識がはっきりしていく幼児の頃、そして小学生、中学生となっていく過程で、もう一度自分のアイデンティティーを確立しようとする時期がきます。思春期です。その頃の基盤が乳幼児の時期の経験が大切だということは、発達を学ぶと必ず出てくるものです。

教育や保育の勉強すると、最初の頃に「発達の意味」を考える科目と出合います。成長とか発達には、どんな価値があるかというテーマです。発達に良いとか悪いとかがあるのか。何を持ってそう判断できるのか。かなり重いテーマです。ですから議論はすぐに教育哲学のテーマになります。その中で必ず検討することになるのが、「自由」をめぐる価値判断です。簡単にいうと「赤ちゃんは自由が不自由か?あなたはどう思うか?」というものです。

人はどんな生き方をしても、それは確かに自由なのですが、自由の一般的な定義は、自分の意思でそれを決める、という自己決定の原理です。哲学の議論を遡ると、自由に決めたと本人が思っていても、それは生理的・社会的な欲求に突き動かされているだけであり、決して自分で決めたのではないのではないか、という決定論を乗り越えてきた歴史があります。したがって赤ちゃんは幼少の頃はまだ自分が本当に望んでいることを自由に決定しているのではないから、大人に比べて自由が少ないと考えられています。

そうだとしたら、いつ頃から「自分で決めること」が「自由に生きること」と一致してくるのでしょうか。それは「望ましいことを選べる自由選択の力」を獲得できるまでです。その社会が求めてきます。いわゆる「人に迷惑をかけないことを判断できる力」です。よく自由と責任の話になります。その発達の境目が「子ども」と「大人」の違いだとすると、児童福祉法は18歳ですし、選挙権を持つのも18歳になりました。自分がとった行動に社会的責任が発生するという形で、民主主義社会の法治国家は、そのバランスに一貫性を持たせています。

しかし、大人になって、その自由意思に基づいて行動していると本人も思っていても、実は幼少の頃の経験が、その後の可能性に大きな制約をもたらしていることも事実なのです。保育は子どもが大人になっていくスタート時点に関わるので、その子どもに待っている潜在的な力が十分に発揮できるような環境にしておくことを、私たちは意識して大切にしています。

見て学ぶ!

2020/06/20

伝統や伝承といった専門的な深いところから、一般的な社会、スポーツの世界でも指導や教育のなかでも、どこかの場面で『見て学ぶ』という事を耳にしたことが必ずあると思います。

子ども達の過ごしている世界や生活を私は『社会』と表現しますが、子どもでも上記の伝承や見て学ぶ世界は沢山あるのです。

 

(どうやってやるのかな、、、)

 

(こんな風にやっていたよな)

この世界に、お世話や教え込むといったことは一切ありません。また、これから期待することとしては、下の子が上の子に教える姿。 どういうことかというと、上の子はわかっているけど、あえて解らないふりをしたり、聞いてあげるという教え…『あぁーそれ知っているよ。こういうことでしょ。』ではなくて、『(うんうん。)そーだよね。』というコミュニケーション! こんな風に心のコントロールはきっと私達大人も見せてあげることの大切な姿でしょう!

かたつむり

2020/06/19

梅雨にはいったということで‥

かたつむり制作をしました🐌☔️

かたつむりのはなしをすると‥

手でかたつむりをつくるまりちゃん!

ゆうかちゃんは、「で〜んでんむ〜しむしか〜たつむり〜」と歌っていました♪

 

最近はお絵かきがだいすきで「かきかきする〜」とよく先生のところにくるにこにこさん。

これからも色んな制作が出来ればと思います♪

 

お部屋に飾ったので、是非ご覧下さい!

保育の質を高める場所は感覚の入り口に

2020/06/19


年度の初めには、新しく園生活を始める方のために当園での生活や保育の方針を説明するようにしているのですが、今年はその話をする機会が6月になってしまいましたね。子どもたちの健康状態は17日(水)の全園児健康診断で問題がないことがわかりました。健康診断は国の基準によって実施が義務化されていて、日本の認可保育園はそれを実施しなければなりません。親が自分の子どもは健康だと思っていても、医師が見れば異常が見つかることがよくあるからです。定期的な健診は子どもにとっては、とても大事です。

長い閉園で子どもたちの心身の状態が心配でしたが、夏の水遊びを前に、予めその状態を確認することができました。ちなみに新型コロナウイルスは塩素に弱いので、プールの中で感染することはありません。毎年のことですが、水に触れたり紫外線に当たることが多い夏は、それへの配慮も大切です。当園はプールを使いますが、水泳をするつもりはありません。あくまでも暑い夏をいかに涼しく過ごすか、「涼を取る」という意味が大きいのです。水との上手な付き合い方や水の特性を知ることです。

昨日18日(木)は、避難訓練も行い、神田川の向かいの「佐久間橋児童遊園」まで避難の練習をしました。東京都は避難訓練と消火訓練を毎月実施しなければなりません。避難訓練は地震と火災によって避難パターンを変えています。いずれにしても火災が発生して避難する想定なのですが、身の安全を確保する行動に普段から慣れておくことが、いざというときに不要に怖がったり慌てたりしないですみます。避難階段を普段から使うことも重要な生活の一部です。

今日19日(金)は6月の誕生会でした。2階と3階のフロアを使って開催しました。2階のダイニングエリアを誕生会のメイン会場にして、今回はわいわい組が3階にいて参加しました。参観を希望される方はお申し出ください。ただし、新型コロナウイルス対策として、保育園内への参加は、普段一緒に家庭で生活しているご家族の方だけにしていただいています。

午後からは、子どもの咀嚼を研究されている管理栄養士の方と、離乳後の1歳半から3歳ごろまでの時期の「食育」の大切さを確認しました。どんな食材や調理方法、食べ方などが好ましいのか、その研究に協力することにしました。咀嚼というと、いかにもピンポイントなテーマのように思われがちですが、口腔での舌、上顎、下顎、まだ歯がない歯槽底の刺激、など色々な動きができるようになっておくことがとても大事です。その発達にも敏感期があることがわかっています。その時期の「咀嚼力」は、その後の食の基盤になってくる大切ものなのです。また子どもによって、感覚器の感受性は大きく異なります。見ること、聞くこと、味わうこと、匂うこと、触ることにも敏感な子から鈍感な子まで、色々です。咀嚼は口腔内の運動と言われるように、見ること以外の感覚が総動員されています。ただ味の問題だけではありません。その体験の質を向上させてあげるための環境とは何か、働きかけはどうしたらいいか、そこが保育の質になります。

6月19日 昼食

2020/06/19

 

ご飯

炒り鶏

スティックきゅうり(加賀.秋田)

若竹汁

デラウェア

ちっち組で大切にしたいこと

2020/06/18

ぐんぐん組のれんくん・ながせくんが、そうたくんのもとにやってきて、3人でなんだか楽しそうです。

言葉での会話はないものの、声を出したり、触ってみたり…ひとりが笑うと、みんなつられて笑ったり、楽しそうです。

そうたくんが、れんくんの目をじーーっと見ていますね。相手の表情をよく見てやりとりしているようです。

まだ言葉のないちっちさんの世界では、こうして相手の表情を読み取ることで、気持ちを通わせたり、相手の気持ちに気付いたりしていくように感じます。

一対一の関係から、お友だちの存在に気付いていく大切な一歩ですね♪

(↑積み木を渡そうとするゆいとくん。)

(↑思い思いにくつろいでいます♪)

 

そして、だんだんとその輪が広がっていくにつれ、色々なドラマが生まれてくるのでしょう。お友だちと心を通わせる喜びや、時には思い通りにいかない苛立ちや挫折も…。

 

保育園の屋上では、野菜や稲を育てていますが、そのための「土作り」も行なっています。ミミズの力を借りて、よく肥えた土が生み出されているようです。
元気な野菜や稲が育つためには、栄養をたっぷり含んだ土が必要ですね。

ちっち・ぐんぐん組の時期は、そうして植物がすくすく育つためにいちばん大切な”土作りの時期”とも言えるのではないかなと思っています。お友だちとの関係の中で体験する、様々な「心の動き」が栄養となってくれるはずです。
お水をあげすぎたら枯れてしまうように、手をかけすぎると、成長のチャンスを奪ってしまうことがあるかもしれません。
近くでそっと見守りながら、必要なときに関わる…色々なものに通じる、大切なことなのかなと思います。

日本語と中国語の架け橋役に

2020/06/18

今日18日(木)は入園先を選んでいる見学者を案内しながら、保育方針を説明しました。子どもは一人ひとりが違うこと、それによって過ごし方が違うこと、赤ちゃんから選べる力があること、だからこそ選べる選択肢が見えるようになっている環境が大事なこと、そして子ども同士の関係の中で自分を形作っていくことが自立の過程であることなどを、実際の子どもの姿で説明しました。

午後からは中国語と日本語を話すことができる方に来ていただき打ち合わせました。符(ふ)さんという女性です。4月と5月に中国人の年長さんが入園したからです。日本語から中国語へ、中国語から日本語へ、言葉の壁を低くして子ども同士の意思疎通をスムーズにしていただくことが目的です。わいわい、らんんらん、すいすいの子どもたちにとっても「中国語」を身近な言葉として慣れ親しんでもらえたいいですね。さっそく来週から週1〜2回ぐらい、定期的に保育園で生活してもらうことになりそうです。

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