◆教訓を活かして欲しいのですが・・何よりも急いで!!!
5月29日に政府の専門家会議が「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を発表し、大きく報道されました。もう一度、読み直してみました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html
その分析結果の最後のページに次のような総括が述べられています。
「こうしたリンクが見えない孤発例が急増していく中で、4月7日には、緊急事態宣言による対策を余儀なくされることとなった」
今日7月3日の感染者数は東京だけで124人で、そのうちリンクの追えない事例はまだ少ないようなので、4月当初の様相とそっくりな今こそ、手を打つべきです。
◆緊急事態宣言よりも市民の自主的な行動変容が効果?
すでに広く報道されていますが、政府や専門家も解決していない次の「謎」も政策判断に影響しているのでしょうか。それは緊急事態宣言を出す前に、実際にはピークアウトしていたことが、この専門家会議の分析で明らかになっています。(冒頭の写真)緊急事態宣言が出たのは4月7日ですが、感染のピークは4月1日でした。
分析では、4月1日には実行再生産数が1を下回っており、そうなったのは緊急事態宣言によるものではないというのです。ですから、その「効果」を産んだんものが何だったのか、もっと踏み込んだ分析が欲しいところです。専門家会議も「さらに分析が必要」としています。
ただ、これによると、今東京で起きていることは、3月下旬に取り組めた対策の範囲のはずです。
脆弱性の高いところは、すでに予想されていました。そして今、予想された通りになっているのです。「接待を伴う飲食店など」と。この「など」は明らかに、ホストクラブなど若者が集まるスポットなどを含んでおり、リンクが追えない事情、公表しにくい事情が絡んでいました。ソウルでも同じケースがありましたね。新宿や池袋エリアという表現で「察してください」というわけです。
◆時間との戦い
大規模クラスターを防ぐのは時間との戦いだったはずです。その点、新しい会長の座についた日本医師会の中川会長は、前会長と違って率直に政府に意見を言う人なので、早速「サーべランス体制の強化」を要請しました。
もはや東京都が200人を超えるのは確実でしょう。ただ、それでも緊急事態宣言は出さなくてもいいので、実効性のある対策を地方自治体が独自に「早く」手を打ってもらいたいものです。
緊急事態か休業補償かという発想を乗り越える柔軟な発想が日本には向いていると思います。業態を絞って積極的な検査を実施する企業には補助してもいいでしょう。休業に向けた対策ではなくて、脆弱性のある業種には、手厚いサポートを施した方が、お金もかからないと思います。業態によっては、お客さんにCOCOA登録前提の入店を条件にするとか、クラスターを突破された時の具体的な収束策について知恵を集めたいものです。