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2021年 6月

自分のお昼寝を知る

2021/06/11

子どもが自立していくことを支えることが子育てです。保育園の「ねらい」にも、「支え合って生活するために、自立心を育て」(人間関係)ることが、大切にされています。その自立心ですが、自分で自分のことをよく知ることが基本になります。そんな自分が好きだ、自分をケアしよう、大切にしよう、そんな気持ちが育つことが、自分を大切にすることつながっていきます。自分のことを愛して大切にすることが、他人を大切にすることと共鳴しあっていくのです。

で、なんの話かというと、睡眠です。自分がどれくらい寝る必要があるのか、それに気づき、寝ることを望ましいものとして納得していくこと。前向きに受け入れていくこと、自分から寝ることに抵抗感を抱かないこと、そんな心もちを支えたくて、今週から始めたことがあります。それが、わいらんすい(3歳4歳5歳)で始めた「睡眠確認マグネット表」(からだをやすめる ぞーんひょう)です。

自分が寝る必要があるなら「おふとんでひるねをする」に、顔写真マグネットを移します。眠らなくても横になって心身を休める必要があるなら「しずかにごろごろしてすごす」に、移します。そして、眠る必要がない子は「しずかにえほんをよんですごす」に移します。起きていても、まだ活発に運動するようなことはしません。部分的には休息の時間でもあります。

このお昼寝ゾーンの表は、この3つを子どもが「選ぶ」というよりも、自分の状態がどうなのかを確認する、午睡へ気持ちを切り替えるきっかけにすることがねらいです。マグネットを具体的に動かすことで、意識の切り替えがスムーズになることを「支える」物的環境ツールです。

睡眠は夜の睡眠が本来のものです。少しわかりにくいかもしれませんが、昼間の午睡の取り方は、夜の睡眠の質を高めるためのものです。夜10〜11時間ぐらい、しっかり寝ることができているか、それに向けて午睡の在り方が、一人ひとり違います。決して足し算ではありません。「午睡は夜の睡眠の準備体操」と例えて言われることがあります。年齢で区切るということでもなくて、一人一人の発達、育ちの実態に応じて対応します。

朝7時に起きるなら夜8時に寝ないと11時間になりません。夜9時に寝るなら朝7時起床でやっと10時間です。夜10時だと9時間しか取れません。じゃあ、朝8時に起きればいいかというと、小学校ではすでに学校のいる時刻です。それまで朝食、排便を済ませておくことを考えると、小さいうちから遅くとも7時までの起床を習慣にしてあげないと、1時間の体内時計をずらすのはとても苦労します。

ただ個人差もあります。一律に当てはめるということもよくありません。その辺りも含めて、保護者のみまさんと話し合いながら、望ましい生活リズムを整えていってあげたいと思います。

アゲハ蝶の誕生

2021/06/10

毎日、いろんなことがおきますが、やはり今日10日(木)の最大のトピックスは、アゲハの誕生でしょう。そして夕方には大空に旅たりました。その時々の子どもの言葉に胸を打たれるでした。

朝6時30分。蛹から蝶へ。動画撮影をねらっていたのですが、予定よりも二日早い成虫変化でした。

朝9時ごろ。観察コーナーは子どもたちが興奮状態に。

夕方、屋上で蝶を放す。子どもたちが丸い輪を作って、はなむけの言葉。なんと、幸せそうな顔でしょう!

「また卵をたくさん産んでね」

 

三匹のやぎのがらがらどん

2021/06/09

水曜日の夕方は、園長の絵本タイム。今日9日はあの「三匹のやぎのがらがらどん」にしました。シンプルな内容ですが、3番目のがらがらどんがトロルを「こっぱみじんに」やってつけるという、あっけらかんとした強さを見事に描いた絵本です。用意していたのは、別の絵本だったのですが、午睡の頃から子どもたちの一緒に過ごしていて気が変わりました。もっと勇気づけられるような、シンプルなものがいいんじゃないかという直感からの変更です。

松岡享子さんは「単純明快な始まり、3度のくりかえし、クライマックス、大円団と、まるで図式通りと言ってよいほど、よく形の整ったノルウェーの昔話。話に一切無駄がなく、トロルとヤギの出会いは一回毎にサスペンスがあり、対決は勇壮・・」(『えほんのせかい こどものせかい』(文春文庫)と述べています。

このようなお話は、神話や伝承物語として、世界各地にあるわけですが、記録された歴史よりも長い人類の歴史とともにあるものなのでしょう。その意味を感じたいと思いながら、読んであげました。

今回から2グループに分けて、同じ内容を2回読みました。2回とも参加した子もいて「また、あれやりたい」と、がらがらどんごっこをリクエストされて終わりました。

歯科衛生士らによる教育指導

2021/06/08

虫歯予防の3ポイントは、歯ブラシはチョコチョコ小さく動かし、食事やおやつは時間を決めてダラダラ食べない、食後の唾液をたくさん出す。保育参観が始まった6月8日(火)に、千代田区の保健所から歯科衛生士の方をお招きして、年中のらんらん組、年長のすいすい組を対象に、虫歯予防の歯科教育指導をしてもらいました。10時から約30分、パネルシアターでのお話はわかりやすく、楽しいものでした。歯磨きは子どもはまだうまく磨けないので、仕上げ磨きの習慣をお願いします。食事の後から就寝までのルーティンの中にうまく溶け込ませていくためにも、今日のお話で学んだことをうまく思い出させてみるといいかもしれません。

そのために、パネルシアターでのお話をお伝えすると、次のような内容でした。

「・・・虫歯をつくる犯人はなんだろう?それは虫歯菌だね。虫歯菌はいつも口の中にいて、みんなの歯を狙っているんだよ。飴やチョコ、クッキーみたいな甘いものが大好き。甘いものを食べてそのままにしておくと、虫歯菌は歯についた甘いものをむしゃむしゃ食べて、どんどん仲間を増やすんだ。そして虫歯菌は食べたら、みんなと同じようにをウンチをするんだ。そのネバネバしたうんちは、なんとみんなの硬い歯を、少しずつ溶かしてしまうんだ。「ああ、歯が痛いなあ」と思ったら、歯に大きな穴があいた虫歯。でも三つの約束を守れば、虫歯にならないよ。・・・・」

一つ目は、虫歯菌退治の道具、歯ブラシを上手に使うこと。使い方は、大きくゴシゴシ動かすのではなくて、こちょこちょと小さく動かすのがポイントだ。

二つ目は、おやつは時間を決めて食べること。そして食べ過ぎないことが大切なんだよ。ダラダラ食べているとお口の中はいつもお菓子だらけ。虫歯菌が喜ぶだけだよ。

三つ目は、虫歯菌に負けない丈夫な歯をつくること。お肉やお野菜、果物を好き嫌いしなで、よく噛んで食べることが大切だよ、もぐもぐよく噛んで食べると、つばがいっぱい出るよね、つばはバイ菌をやっつける力があるから、食べるときには、よく噛んで、つばをいっぱい出すようにしようね。

クイズのように、お子さんと3つのポイントの当てっこを楽しんでみてください。

つばを出す運動も教えてもらいました。「むすんでひらいて、手を打って、結んで」の曲に合わせた替え歌で、口と舌(べろ)を動かすものです。

♪ 結んで・・・口を結ぶ

開いて・・・大きく口を開く

べろを出して・・・べろを大きく前に出す

結んで・・・口をしっかり結ぶ

また開いて・・・また大きく口を開く

べろ出して・・べろを大きく前に出す

そのべろを上に・・・べろを上にあげる

右に・・・べろを右に動かす

左に・・・べろを左に動かす

ぐるりと回しましょう・・・べろを回す

(これを音楽に合わせて2回繰り返すと、つばがたくさん出てきます)

食事の後に、♪結んで・・と、やってみてください。

 

 

わいらんすいの音楽隊

2021/06/08

子どもに「ウルトラセブンの歌をギターでやってほしい」とリクエストされて、今日は夕方に弾いてみました。この曲は子どもの娯楽曲と侮ってはいけません。名曲なのです。吹奏楽の「ヒットシリーズ」にも入っています。神宮司さんも「吹奏楽でよくやる曲ですよ」と。私は教科書に載せてもいいと思っています。

という、言い訳をちょっとしておいてから、今日の保育エピソードですが、ギターで歌ってあげると、子どもたちはノリノリで、たくさんの子どもたちが集まってきて、「楽しい!」「楽しい!」の声に。ギターを弾いてみたいというので、ピックを持たせて一緒に「ジャン、ジャン」と鳴らします。それにも列ができて、自分で音を鳴らすことが楽しいようです。歌に合わせて楽器の音を鳴らすと、いい気持ちになる、という体験ができたようで、今度は楽器に関心が向かいました。そして・・・

年長の子たちが「楽器を持ってきていい?」というので「もちろん!」というと、一目散にかけていきます。ノリのいいウルトラマンセブンの3番までの合奏を何度か繰り返すと、「次は何にしようか?」と女の子がいい、「そうだ、忍たまがいい」ということに。そこで「勇気100%」を合奏つきの合唱です。そのあとは「にじ」です。だんだんと、保育の歌になってきます。それでもまた「セブンがいい」というところで3時45分になり、今日のところは終了でした。楽器も大切にしまいます。

みんなで歌って、演奏して楽しいと思うと、いろんな楽器で演奏したいという気持ちにも発展していきました。即席の「音楽隊」の結成です。その盛り上がり方は、相当なものでした。これも音楽の力です。こんな調子で好きな歌を歌ったり演奏したりしていけば、子どもたちでコンサートが開けるのではないかと思います。好きな曲を歌ったり演奏したりしていたら、合奏になっていき、音楽隊がまとまって演奏することができるようになったら、協同性もかなり育つんじゃないかと思いました。

ちなみにぐんぐんとにこにこの子たちは、はらぺこあおむしの絵本をが見せてあげながら、音楽に合わせてダンスを楽しんでいます。

生き物の不思議

2021/06/07

アリの巣をじっくり観察している子どもたちは、いろいろな気づきを教えてくれます。

自分の体よりも大きな石をくわえて運んでいる様子を「ほら、みて。あごでこんなに強いんだよ」と。

そのアゴをどうにかしてよく見ようとして、拡大鏡を当てて、覗き込んでいます。

また、アゲハ蝶になるのを楽しみ待っている子は「もうすぐかなあ」と、聞くのであと1週間ぐらいかな?と話しています。

私も同じようによく見たいものが見つかって、スマホのカメラを拡大鏡の代わりにして探しました。神宮司さんに教えてもらったのですが、玄関の稲の水の中に「ホウネンエビ」がいました。

小さな小さなビオロープができていたのです。卵が土の中にいたのでしょう。稲を植えた水の中が、居心地のいい場所になっているようです。

 

6月の最初の週を振り返る

2021/06/05

この日記を読んでくださっている方は、時々、週末の日記がその週の反省になっていることに気づかれていると思います。反省といっても「ごめんなさい」ではなくて、ああしたけど、本当はこうした方がよかったかなあ、とか、ああ言ってしまったけど、本当はこう言った方が良かったかなあ、とか反省しているわけです。それは週末に改めてやっているというよりも、その直後やその日に思ったり、感じたりしているのですが、それを改めて思い巡らす時間がやってくるのです。

疲れていると、それさえも億劫になってしまいます。反省も元気な時でないと人はできないものです。子どもが叱られて「反省しているの!」と言われることありますが、そんな時、子どもも反省していません。そう言われるから「はい」と言っているだけのことが多くて、本当の反省は、自分から「これこれこうだったから、これからはこうしなくっちゃ」決められた時です。ましてや気持ちが凹んでいる時は、できるものではありません。「だって、こうだったんだもん」が胸いっぱいだったり、思わず「イラッとしてやってしまった」自分への情けなさや、不甲斐なさや、怒られていること事態が心を硬くしてしまっていることもあります。

反省も前へ一歩進めて考えること、気持ちを自分で前へ動かすことですから、いい悪いの判断が「理解」できても、心と体が前向きによくしようと動き出すとは限りません。ちょっと脱線しますが、多くの人は心と体は別物だと思っているのですが、違います。多くの人は体を目に見える部分だと思っています。あるいは感じ取れる部分だと思っています。目に見えない部分や感じ取れない部分は、説明されないとそこも体だと思っていません。

心はみんな「ある」と思っているのですが、どこにあるのですか?と聞かれたら、まともに答えられる人はあまりいません。胸に手を当てたり、頭の中の脳だという人もいます。でもよく考えてみて欲しいのですが、私たちの心身は、私たちがデザインして作ったものではなくて、大いなる自然からの贈り物です。体も心も自然に属しているということを認めてもらえると思います。そしてその心身は、物として見えたり実感できる部分を「からだ」とよび、目に見えない心身の部分を「こころ」と区別してしまっているのです。本来は、精子と卵子が受精して受精卵が分裂を始めて以来ずっと、心身は同じ物であり、分かれていないものでした。

と、道草はここまでで、話に戻ってくると、反省して自分で考えも行動も動き出すには、この心身共々が一緒に動き出すことなのです。心の方だけを「理解」させて正しい行動をさせようとしても、からだの方が納得していない、ということが多いのです。からだの方というのは、カッとなりやすい、気が散る、落ち着きがない、寝不足である、睡眠リズムが乱れている、動物性タンパク質の過剰摂取が感情の不調をもたらしている・・・いろいろなトラブルを抱えていたりして、からだの方のコンデションが悪くて、心が憂鬱になったり、気分が滅入ってしまったり、我慢強さが発揮できなかったりします。

頭で理解できたからと言って、心身がバラバラだとうまくいかないのです。心身はもともと同じ物です。ちょうど、子どもが言葉を獲得する頃に、自分というものを認識できるようになっていくのですが、なぜが人間だけが自分を自分だと(客観視して)認識できる「自我」を持つので、こうやって私も反省ができるのです。

そして、それを精神というのですが、それが心だと勘違いしている人がとても多い。今思ったり、考えたりしていることは精神がやっているのですが、実際に鬱症状になったり、人に会いたくなかったり、人にあたり散らかしたり、世の中を恨んだり、理由もなく人生に焦ったりしているのは、本来は一体である心身の不調かもしれません。

目で見える体の方は、物に還元して治療を試みる近代医学(漢方も含む)に任せるとして、もう一つの目に見えない身体である心の方も、治療としてもメンタルケアが必要なのです。その二つがセットで健康であることが、人生に前向きな態度を生むことになるのでしょう。心の不調の方は、目に見えにくいので、発熱のような症状にならない限り、正しく受け止めてもらえにくいという事情があります。あたかも反抗的だとか、決まりを守らないとか、甘えているとか、誤った判断になってしまうこともありうるのです。

と、また脱線してしまったのですが、子どもの「心身=こころとからだ」が求めているものに感度よく傾聴しながら、大人は子どもにとって心の避難場所であり安全基地でありたいと思います。

運動「はらぺこあおむし遊び」の環境構成

2021/06/04

国が示している保育の基本には「環境を通した保育」という考え方があります。これは、普段私たちが生活している中で行っている「いって聞かせてさせること」と、真反対、180度異なります。

子どもの方が自ら環境に働きかけて、そこで受ける経験が発達を促す、と考えるのです。子どもが環境に働きかけるのです。大人が子どもに働きかけるのではありません。子どもの方が、思わず遊びたくなるような環境にします。そんな環境を通して保育をしてくださいというのです。

これは、幼稚園教育要領も保育所保育指針も、幼保連携型認定こども園教育・保育要領にも、その冒頭で強調しています。

この「環境を通した保育」は、千代田せいが保育園の最大の特徴です。空間も物も人も、子どもの方から働きかけてくるようにしているからです。子どもにとって、通いたくなるような、遊びたくなるような、自分の居場所になるような空間、物、人をデザインします。

昨日は朝の運動遊びで「園長ライオン」をしましたが、これは「環境を通した保育」のなかの人的環境が「園長ライオン」であるということです。それを用意してくれ!というのが子どもからのリクエストでした。

今日6月4日は、私の方で空間と物を用意してみました。それは「はらぺこあおむし遊び」です。いつものネットやクライミングだと、入りにくい子どももいるので、誰でもやりたくなるようにしました。ちっち組からトンネルを借りてきて、そこをくぐり抜けると、あおむしになります。

続く緑の3枚のマットが、みかんの葉っぱです。これを四つん這いになって、むしゃむしゃ食べながら行くと、あおむしは大きくなって、さなぎになります。そしてちょうになったら、トランポリンで飛び跳ねます。

さなぎになる場所は、ネットの上でも、クライミングウォールでも構いません。そこから降りる時が、ちょうになる時です。

こんなシチュエーションを用意してあげると、どの子もにこにこ楽しそうです。その気になって、つまり自分があおむしやさなぎやちょうになっているのです。

この「つもり遊び」は、強力です。遊びの中心には模倣、つまり再現欲求が強力に働いているとしか考えられません。その欲求を空間と物が引き出すのです。

何を引き出すのかというと象徴作用であり子どもの身体としての表象力です。「環境を通した保育」は、子どもが思わず遊びたくなるような環境を用意しなければならないわけですが、その要素の一つは、子どもがイメージしやすいものを再現するような遊びの場を作り出すことでしょう。今日はそのことを強く感じました。

千代田区ほけんだより

2021/06/04

 

千代田区が保育園向けに発行している「ほけんだよ理」6月号が届きました。すでに「熱中症」に気をつけたい季節になっています。何かに集中している間に「あ、水分補給忘れてた!」とならないように、注意しましょう。

また今日6月4日から10日までは「歯の衛生週間」です。寝る前の仕上げ磨きを子どもとのスキンシップタイムにしてはどうでしょう。心地よい睡眠への誘いタイムになるといいですね。

ほけんだより2021年6月 2

 

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