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2022年 4月

自主研修会で非認知的能力について学び直す

2022/04/22

<・・・他方、様々な研究成果の蓄積によって、乳幼児期における自尊心や自己制御、忍耐力といった社会情動的側面における育ちが、大人になってからの生活に影響を及びすことが明らかとなってきた。これらの知見に基づき、保育所において保育士等や子どもたちと関わる経験やその在り方は、乳幼児期以降も長期にわたって、様々な面で個人ひいては社会全体に大きな影響を与えるものとして、我が国はもとより国際的にもその重要性に対する認識が高まっている。・・・>

この文章は、平成30年3月に出された現行の「保育所保育指針」の「序章」に書かれている文章です。指針や要領は約10年ごとに改定されているのですが、改定する理由は時代が変わって新しい制度ができたり、子育てをめぐる課題が変化したり、それらの「大きな社会問題」に対応するためです。また、ここに紹介した文章のように、保育の質をめぐる学術的な新しい知見が登場し、保育のねらいや方法をよりよく改善していくことが求められるからです。

その一つが、「社会情動的な側面」をどのように育てるか、というテーマになります。この社会情動的能力とは、何かができたり分かったりする認知的な能力ではありません。認知的な学力は、これまでも学校教育が力を入れている教科学習の側面ですが、そうではなく自尊心とか自己制御とか忍耐力といった、非認知的な能力になります。私たち保育者が「生活と遊び」の中で、その教育のねらいとしてきた「心情・意欲・態度」がそれにあたります。このことを、今は「学びに向かう力、人間性等」と呼ぶことになっています。

こんな指針の理解について、何が改定の特徴だったのか、何が求められるようになってきたのかなどを、今日は「自主研究会」という形で改めて学び直しました。使った事例は最近の子どもたちの姿です。こんな「勉強会」を開く目的は、子どもたちが何がどのように成長したのか、何を身につけたのか、それを私たちが読み取る視点の中に、ここで取り上げた「非認知的スキル」の観点もしっかり位置付けたいというわけです。

また、社会情動的な能力や非認知的なスキルの他にも、感じたり、気付いたり、分かったり、できたりする「知識や技能」、それから、それらを使って考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする「思考力、判断力、表現力」などもあります。これら3つを合わせて「資質・能力」という言葉で、乳幼児期から高校まで、一貫して捉えることになっています。

この保育園を卒園したら、小学校での学びと生活が始まるわけですが、そこでもずっと、この「3つの資質・能力」の育成が継続されていくのです。この3つの観点で評価されたことが「通信簿」に反映されます。では、小学校以降の学びの中で、生きて働くように、保育園時代にやっておかなければならないことはなんでしょうか。そう考えた時にはっきりするのが、「生きる力」の源になってくる、いわばエンジンのような非認知的スキル、社会情動的スキルの習得ということになってきます。

先日16日(土)の藤森先生の講演では、これからの時代に必要な力は「会話する力」「協力する力」「実行機能」の3つである、という話もあったわけですが、これも大事な非認知的能力に他なりません。そしてこれらの力は、相手や仲間や集団の中で育つものばかりです。家庭では育てたくても、なかなかそういう体験が起きるような人的環境がありません。人間の「人間らしさ」の基礎的な力は、人類が集団の中で獲得してきたものが多いからです。自主研修会では、動画を見ながら話し合ったのですが、私たちが園生活の中で当たり前と思っている人的環境は、今の時代の発達課題を考えると、とても貴重な場になっていることが見えてくるのです。

自尊心、自己制御、忍耐力という言葉で代表される非認知的な力は、現在の研究では11項目に整理されています。これらの力がどんな場面で子どもにとって学ぶ機会になっているのか、それを一つずつご紹介していきたいと思います。そして、この「学びに向かう力」をしっかりと身につけることで、小学校以降の人生が豊かになるように、幸せになるように、していきたいと思います。

4月22日 昼食

2022/04/22

ご飯

青椒肉絲

きゅうりのダイナミックづけ

たまごスープ

でこぽん

麦茶

芽が出てきました

2022/04/21

育てている花、野菜の中で、カブと朝顔が芽を出しました。
子どもたちは、「あっ!芽が出た〜」と大喜び!

スイカの苗も少しずつ成長しています。

そして、まだ芽が出てきていないプランターには、風にのって屋上に落ちてきていたお花を、「このお花を置いてあげれば元気に育つかもしれない」と、そっと置いてあげる心優しい子どもたちの姿がありました。

 

 

 

 

〜おまけ〜

ミシンを使いこなす小林先生の周りに集まるたくさんの子どもたち。真剣な眼差しで見つめていました。

 

 

千代田区就学前プログラムの検討会

2022/04/21

今日は午後から千代田区の「就学前プログラム策定委員会」がありました。昨年度から始まった検討会ですが今日で5回目です。昨年度までの議事内容を踏まえて、今回は千代田区が育成を目指す子どもの姿について話し合いました。子ども部長も子ども支援課長も変わり、新しい事務局態勢のもとでの再スタートとなりました。

私たちが今世紀までに到達している教育学の中で、ずっと変わらない考え方の一つが目的論的教育学です。教育である限り、目指す目的を定めてその手段を考えるという、目標準拠型のアプローチは変わることがないようです。私は公的な教育機関が、全ての子どもに対して同じ教育目標のもとに教育していいという合意を、どうやって取っているのか大いに疑問なのですが、なぜかというと、そこに少なくとも市民(区民)が参加すべきだと考えるからです。

さらにいうと、子ども本人の意思というものをどのように反映させることができるのか(できないだろうことはわかっていても、理念形としてはそうあるべきだということなのですが)、それも大切な視点だと思います。子どもの主体性を尊重する保育を考えるとき、子どもの参画が欠かせません。それは先日の藤森平司理事長の講演会でも触れられたものです。

策定委員会では、私は目指す子ども像を考えるときの観点を述べました。一つは現行の指針や要領が大切だとしていることを踏まえたものにすることと、これからの時代の変化を見据えたものにすること、その2点を強調しました。中でも、最初のことの中には、自尊感情、自己制御(実行機能)、忍耐力などの非認知的スキルが含まれまれます。しかも、それらは人間関係の中で培われることが多いことや、好奇心や探究心が引き出される環境、教材の質が問われることを述べました。

 

4月21日 昼食

2022/04/21

ご飯

唐揚げ

かぼちゃの煮物

しいたけのすまし汁

いちご

麦茶

ことばから行動へ 行動からことばへ

2022/04/20

ぐんぐん組のブログを読んでいると、言葉の獲得が子ども同士の世界を広げていく様子がよくわかります。よく物の取り合いなどの場面で、手を出したりする前に「ことばで言おうね、かして、って」などと促すことがよくあるわけですが、大人のそうした働きかけは、何をしているのかというと「行動の世界」を「ことばの世界」に置き換えていくことを促していることになります。これが、この時期の子どもたちの成長課題になっています。気に入ったものを自分もやりたい! だから自分もやるから取る、ということは「行動の世界」から見れば、それとして成長してきた証になるわけですが、それを「しつけ」つまり社会的なルールの獲得という、文化継承の面から見れば、相手の思いを尊重しながら承諾を得るというステップがどうしても必要なことを学んでもらう必要があるわけです。

そこで、例えばジェスチャーで、”それを僕もやりたい!”と、身振り手振りで表現してみてもいいわけですが、そこで人間の場合は、その表象の役割を言葉が担うようになっていくから、とても不思議で、面白いのです。ちょうど満1歳ごろから言葉を話し始め(初語)、人との関わる体験を積み重ねることで相手の意思や意図を理解しながら、自分の行動をコントロールしていくことができるようになってきます。その関係性の発達に合わせるように、「行動の世界」に「言葉の世界」が浸透していきます。ことばによる気持ちの通じ合いが体験されていくのです。その様子が子どもたちの遊びの姿からはっきりと読み取れる時期に、今ぐんぐんさん(1歳児クラス)はいます。

ことばが行動になり、行動がことばになって、その行き来が行われる中で、言葉の獲得が進んでいくのですが、見方を変えると実践しながら言葉の意味と使い方を身につけていくようにも見えます。この言葉の誕生期は、人間らしさの誕生と言ってもよく、もう一つの生きていく世界を自分のものにしています。子ども同士の関係の中で培われているものの豊かさを感じますね。

言葉で伝えようとする姿

2022/04/20

お昼寝前、ちっちさんのお部屋でゆったりと過ごす中

ひとつのおもちゃで一緒に遊んでいたこうすけくんとゆうかちゃんでしたが、しばらくすると取り合いっこに

「どうしようかね〜、一緒に遊べるかな〜」と声をかけてみていると

 

「いっしょに あそぼう」と

ゆうかちゃんが提案していました。一生懸命伝えるゆうかちゃん。こうすけくんもゆうかちゃんの気持ちをしっかりと受け止めてくれました。

そのあと2人で顔を見合わせて笑い合って遊んでいました♪

気持ちを言葉にし、2人の気持ちが通じ合った喜びは、2人の笑顔から感じとることができました。

 

ちっちさんの後半から友達への関わりがぐ〜んと増え、友達を意識した関わりややりとりが本当に多く、毎日とても賑やかな子どもたちです!友達と一緒にいる楽しさやおもしろさを感じているからこそ、自分の気持ちと相手の気持ちがうまく噛み合わなくて衝突してしまうこともしばしば

 

そんなやりとりの中で、うまくいった・いかなかったの経験ももちろんですが、やりとりの中から子ども自身がどうしたら良いのかを考え、学び、言葉や行動にしてみる・・・そんな繰り返しの経験が、自信となり自ら考えて行動したり人との関わりに喜びを感じることにつながるのかなと思います。

友達が大好きなぐんぐんさんは毎日のように友達同士のやりとりが盛んにあり子どもたちも全力で友達や自分の気持ちと向き合っています。

そんなやりとりや経験を私たちは寄り添いながらも大切にしています。

 

最近は、エピソードのように「いっしょに あそぼう」と言ってみたり「まっててね」、「あとでね」などなど「貸して」「どうぞ」のやりとりだけでなく様々な言葉を使って友達に聞いたり応えたりする姿も増えてきました。

それだけではなく、泣いている友達がいると「どうしたの?」「だいじょうぶ?」と声をかけたり、代わりのおもちゃを渡したりと必ず気にかけてあげる優しい姿もたくさん見られます。

きっとこの1年間は友達との関わりの成長の変化が大きく見られると思います。今はまだまだトラブルになってしまうことが多いかもしれませんが、長い目で子どもたちと寄り添いながら一緒に人とのつながりの喜びを感じでいきたいと思っています。

こどもの日製作

2022/04/20

今日は、こどもの日製作を行いました。
子どもたちは絵の具の活動が大好きです。
赤、青、黄色の好きな色を筆で塗り、最後は手で伸ばしてみます。
子どもたちの取り組みを見ているとそれぞれ個性があります。
こだわりを持ちながら丁寧に筆で描いていく子。ダイナミックに手に絵具をつけて伸ばしていく子。
そして、色が混ざり合っていく感覚を感じながら夢中で取り組む姿がありました。

 

今後も絵の具の活動を行っていきたいと思っています。ダイナミックに活動を楽しむ姿があり、洋服が汚れてしまうこともあります。汚れても良い洋服での登園をよろしくお願い致します。

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