自発的な活動としての遊び。そこをどのように実現していけば良いのでしょう。保育園では子どもをただ遊ばせているだけということでは決してありません。また、ただ家庭の育児の代わりをしているわけでもありません。遊びの中にいろんな学びが入っているのですが、そこを具体的にお伝えしたいといつも思っています。
子どもがどんどん自分たちで遊んでいけるように、先生たちが援助するポイントはどこにあるのでしょう?昨日と今日の幼児クラスのブログをご覧ください。子どもの「やりたい!」が作り上げられていくプロセスがよくわかります。少し長いのですがご紹介します。
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保育の中で偶然が重なり、遊びに発展
剣をつくりたいとYちゃんからの一言から一緒に作っていました。
剣を片手にするゆうちゃんを見て男の子たちを中心に目がキラキラキラキラ〜
と剣の魅力に吸い寄せられるかのように
「せんせい、ぼくもつくりたい」と集まってきました。
すると、
「せんせい、つくって」
「せんせい、やって」とやる前から大人に頼んでしまう姿がちらほら、、
「作りたいのはみんな。
作るお手伝いはできるけど、作るのはみんなだと思うんだよね。」
大人が作ることは簡単にできてしまうけれど、園では作るまでの道のりも体験してほしいという私たちの思いもあります。
この子はどこまでできてどんなところで手伝いが必要なのか。大人が気づくだけでなく子ども自身も自分に気づくきっかけにもなるかもしれません。
「まずは剣の形を描いてみよう」
「ボンドで貼ってみよう」
「ダンボールカッターを使って、一緒にダンボールを切ってみよう」
色んなものに触れながら物の使い方や自分で作っていくおもしろさを感じながら…
「できたー!」と次々と自分の剣を完成させていきました。
このままだとそのあとの子どもの姿がちょっとヒヤヒヤするよね、、、とこちらもドキドキしながらどうするか職員でミーティング。
実はこの日、和泉公園で男の子数人が枝を手に戦いごっこ?のように落ちてくる桜の花びらに向かって振って遊んでいる姿がありました。
剣を作りたいと言ってきた子の中には公園で枝を振って遊んでいた男の子たちもいました。
日中にそんな男の子たちの枝を武器のようにして遊ぶ姿もあり、たまたまその日に制作で剣を作っていた偶然が重なり、、
作ったものをそのまま持って帰るのもいいけどせっかくならそれを遊びに取り入れたいと思い、急遽夕方に戦いごっこができるよう屋上を開放することに。
気持ちの良い風が吹く中で、大人が持つクッション型のポール相手に思いっきり剣を振る子どもたち。
私たちは体を張って全身で剣を受け止めました。
そんな遊ぶ友達の姿を見てさっきまで見ているだけだった子も「作りたい!」「わたしもやりたい!」と気づくと夕方みんなが作り始めていました。
作り終わると屋上へいき、思い切り体を動かして、、、
途中でポキッ
あ…………
すると迷うことなく部屋へ戻りガムテープで補強!
すぐに屋上へ。
またポキッ…
え……
またまたガムテープで補強。
らんらんさんはテープをペタっと貼っただけ。すぐにポキッ。あれ?
すいすいさんはぐるっとテープを巻きつけてきました。折れない!
学年によっても直し方の工夫が異なっていておもしろかったです。
折れても直せばいい。こうすれば直るんだ、こうなったらどうしようか、もっと強くするためにはどうしようという考える力が子どもたちの中で生まれ始めました。折れない剣がいい、壊れたくない、でも遊びたい。そんな自分との葛藤と向き合い、どう自分自身と折り合いをつけていくのか、、、うまくいった経験だけではなくその葛藤や悔しさへの出会いこそ子どもの心の育ちにつながっていくのかもしれません。
はじめは大人頼りの子どもたちでしたが、作ってからは自分たちでなんとかしようという考えに変わっていました。
気づくと1時間半近く屋上と部屋を行き来しながら遊んでいました。
最初は金や銀の折り紙で輝いた剣を作っていたみんなでしたが、補強した結果、ガムテープの剣に見事に生まれかわりました笑
戦いごっこというとちょっとヒヤヒヤしたり危ないからやめてほしいという大人の気持ちが強くなりがちですが、(私たちもこの遊びをすることにドキドキしてました…)
ただ子どもたちのイキイキとしたキラキラした表情を見ると、これはやってよかったなと心から思うことができました。すごくみんなの表情が可愛かったですよ♪
園ではお兄さんお姉さんの立場で何かとお手伝いをしてくれる頼りのあるすいすいさんも、無邪気に剣を振り回す姿はなんとも微笑ましかったです❤︎
まだまだ大人の手は必要ですが、ちょっと遊び方を工夫したりみんなで約束守りながら楽しい遊びをつくっていけたらと思います。
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以上が、今日のブログです。子どものやりたいことが実現していくプロセスの中にいろんなことが入っています。