昨日21日(水)はコンテンポラリーダンサーの芝田いづみさんと宮崎知佳さんにきていただき、子どもたちと運動を楽しみました。数あるダンスの種類の中で、なぜコンテンポラリーダンスなのかという話は長くなるのでまた別の機会にしますが、簡単にいうと「環境を通した保育」に適しているからです。子どもが楽しくなる、思わずやりたくなる身体的、音楽的、空間的な環境を作りだすことで、普段あまりない世界を子どもが体験できます。思わずやりたくなる、というのは子どもの方がやるかやらないか、それをその都度思いつきでやる主導権があるということを大事にできからです。(そういうのであれば、ダンスは何でもいいんですけれど)
この辺りは「振り付けのないダンス」という説明をしていたことに通じます。言ってみれば体遊びなのですが、戯れ遊びや鬼ごっこやわらべうたや体操やスポーツとも違う、新しい体の動きを発見していくような、身体の探究になっているような身体的な遊び、というといいでしょうか。ダンスの方からの言葉で言うとインプロビゼーション、即興的ということなのですが、子どもたちはそこに面白さを感じてノリノリになっていくのです。
子どもたちとのコミュニケーションのために、いろんな動きにわかりやすく名前がついているのですが、それぞれにやる目的というか意味があって、それはやるたびに発見されて、エクセルの表にまとめているものに、どんどん発見された子どもの姿が書き込まれていっているのですが、やるたびに子どもの経験が積み重なり身についていくので、それがまた新しい動きや思いつきを誘発させていて、午後はダンサーの芝田さんと振り返りながら長い間話し合いました。
たくさん話したのですが、その中の一つに、わいわ組(3歳児クラス)のISさんが「トンネル」を潜り出した時に、そばにあった椅子の下もどうなるか潜ってみたいと言い出し、その気づきが面白いね!いいね!と、それを試してみたのですが、ともて自分の体が通らないことがわかって、そのあと反対に椅子をトンネルのように覆う仕草をしていたのです。物との関わり方を試すということなのですが、そういう試行錯誤的な思いつきの体の使い方や世界の取り込み方が、即興的にどんどん生まれていく面白さが、この活動にはあるよね、という話になったのです。
0歳から3歳児以上の幼児クラスまで、全て動画を撮ってその分析をしながら、何が子どもたちに「起きているのか」を振り返ってみると面白いだろうと思っています。この日、午後の振り返りの中で、都内の中学校の保健体育でダンスを指導しているいづみさんと、幼児の時期にこのようなことを体験しているのとしていないのでは、何が変わると思うか?という話になったのですが、自分からこんなに表現していいんだという、自由に自分を出す体験の積み重ねは、そういう感覚を体験しているかどうかだから、かなり変わっていくと思いますよ、という話で同感したのでした。
ずっと一緒に見てきた担任も次のような感想を書いています。「毎年やっているので、年々、表現のバリエーションも増え、その時々の感情やその子らしさが見えてくるような気がします。ダイナミックに表現する子もいれば、よく見ていると、手先が動いているような、そっと表現するような子もいたり、輪に入って参加している子もいれば、見ている子もいたり、それぞれの距離感で表現遊びを楽しんでいます。」