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園長の日記

豊かな日本を感じたクリスマスデー

2019/12/25

今日25日の「クリスマスデー」は、子どもたちの「幸せ」を実感できる1日でした。2019年という現代の豊かな日本の子どもたちが、いかに恵まれているか。それを感じました。今日の昼食の時、世界各地を歩いている経験豊かな坪井先生とそんな話になったのでした。それはまた最後にお伝えするとして、今日がどんなに「豊か」な日だったかをお話ししたいと思います。

◆バス遠足で木場公園へ(にこ・わい・らん)

11月6日(水)以来、久しぶりにきた木場公園です。景色はすっかり冬。2歳にこにこ組から4歳らんらん組みまで、冒険広場で遊びました。体をいっぱい動かすので、体はポカポカ。どの遊具もよく知っているので、まずこれをやりたい!という目的がはっきりしていて、滑り台やネット遊具、ターザンロープなど、それぞれがやりたい遊具へ走っていきます。充溢した運動遊びの時間を過ごしました。

これまで、この子たちと春から一緒に来ているので、これまでの生活経験の積み重ねによって、それぞれの成長ぶりがとてもよくわかりました。行動が落ち着き、社会性が育っています。例えば、私はターザンロープの担当でしばらくそこにいたのですが、他の園の子どもたちとも仲良く列を作って待って遊べたり、ロープを次の人にちゃんと手渡ししようと走って来たりします。この辺りにも精神的に一回り大きくなった成長が感じられます。にこにこさん(YSくん、KHさん、NSくん)もをやりたいというので、私が支えてあげて「滑走」しました。とても満足そうでした。

また運動能力がとても伸びていました。わいわいのSくんが、これまでできなかった鉄棒を登り切ったり、縦に張られたネットを登って反対側へ回ることができたり、いろいろな遊具に私を連れて行って「ねえ、みて」と、やるところを見てもらいたいことがいっぱいです。毎日の生活の小さな小さな積み重ねが、こんなにも大きな育ちに繋がるんだなということを実感しました。

◆行きのバスの中はクリスマスプレゼントの話題で持ちきり

行きのバスの中でのMCを担当したので、今日はクリスマスだから保育園にもサンタさん来てくれるかな?という話をしていたら「サンタさんきたよ」「プレゼントもらった」と、それぞれの今朝の体験を話してくれる子どもたちもいました。保育園では12月になってから、玄関のアドベントカレンダーに「あわてんぼうのサンタさん」のお手紙が届き、いろいろなメッセージを楽しんできましたが、今日はその大円団ともいえるスペシャルバージョンが展開されました。というのは、バスの中にもなぜがサンタさんからのお手紙が届き「11時20分から保育園で魔法をかけてクリスマスパーティをやるから、それまでに戻っておいで」というのです。そこで帰りは少し早く遊びを切り上げたのですが、たっぷり遊んだ後は、子どもたちの心は、魔法のパーティに向かっていました。トイレをすませるのも「急がなくっちゃ」と早い早い!行動は気持ち次第なんだなあ、微笑ましい姿を目撃できました。

◆帰りのバスでは歌を歌いながら

バス遠足で定着しているパターンの一つが、帰りのバスの中で、子どもたちは一緒に歌を歌うのが好きです。いつも子どもたちからリクエストで決まることが多いのですが、今日は「ありのままで」と「パプリカ」を歌いました。子どもたちはディズニーの映画を家庭で観ているようですね。アナ雪2のリクエストも出ていました。あまりにみんなが「ありのままで」を聞き入っていたので、私はこの曲は「千代田せいが保育園のテーマソングです」と言いました。それは「ありのままの〜という意味は、自分らしくということです。自分らしく生きることが素晴らしいことだと、この歌は言っていますよね」と。

◆クリスマスパーティ(昼食)

小さな保育園は全体がすっかりクリスマスの魔法にかかっていました。先生たちも知らない間に、2階のダイニングには、綺麗に飾られてました。子どもたちは園に戻ってくると「わあ〜」と感嘆の声が漏れます。THくんは私の手を引いて「ほら、見て」と風船や「メリークリスマス」と書かれた装飾文字やらを見つけては教えてくれます。

どうやってこうなったんだろう。らんらんの中の数人がその謎を知りたくて、「小林先生がやったの」と確かめたがります。でもそうではありません。サンタさんの魔法がキラキラした空間を作ったのです。そんな不思議な部屋に変わったダイニングに集まって、いよいよクリスマスパーティの始まりです。

さて今日のメニューは豪華です。なんといってもクリスマスパーティですからね。

それにしても古川先生と増田先生には、感謝です。よくも二人でこんなにできるものです。高度な調理技術とスピディーさがないとできません。

 

◆お昼寝をしない子たちは絵本を読んで

寝ないで起きている子たちと一緒にいました。これは前の園でもそうだったのですが、私によってくる子たちはある特徴があります。甘えです。これはともて重要な欲求ですから、十分に満たしてあげることが大事です。絵本を読んだりしながら過ごしたのですが、口唇期の特徴を色濃く持っている子どもたちですから「おしりたんてい」が大好きな子もいれば、知識欲が旺盛な子もいて、分厚い図鑑を5冊も持って来て、順番に「読んで」ときた時には笑えました。最後は「おおかみと七ひきのこやぎ」を丁寧に読んであげました。子どもが物語の世界に真剣に入り込んでいるとき、ドキドキ感や安堵感などが伝わってきて、あの感覚は、子どもたちと世界を共有している!という手応えを感じますよね。絵本を読んであげるときの醍醐味だなと、いつも思います。

◆ついにやってきたサンタクロース

おやつの時間にもう一度、ダイニングに集まりました。おやつはムースです。そして今日のメインイベントが始まりました。

ついにサンタさんの登場です。会場が暗くなり、小さなクリスマスツリーが点滅し始めると、室内階段方から鈴の音が聞こえてきます。先頭には魔法で人間になったトナカイ、続いて妖精、そして白いひげを生やしたサンタクロースが、大きな袋を抱えてやってきたのです。

手紙を送ってくれていた本物のサンタさんが来たことに、子どもたちは惹きつけられています。せっかくだから「サンタさんに聞いてみたいことある人?」ということになり、どうやって夜にお家に入るのか? そりはどこにあるのか? 子どもらしい質問が出て、それにサンタさんが先生への「ひそひそ話」経由で回答が返ってきます。答えは明快でした。寝ているときに魔法の力で。そりは園の前にとまっているけど魔法でみえないようにしている。・・・魔法の力は偉大ですね(笑)。

サンタさんからのプレゼントは、クラスごとの袋に入っていました。みんなんが欲しかった絵本やおもちゃがいっぱいです。もちろん、子どもたちは大喜びです。おやつを食べ終わる頃、子どもたちのなから自然発生的に「あわてんぼうのサンタクロース」の合唱が起きました。このように歌い始める子どもたちの心の動きに「歌うこと」の最も自然なシチュエーションを確認できました。歌とはこうして歌うものだということを。

サンタさんを真ん中にしてクラスごとに記念写真を撮りました。タッチしてお見送り。キラキラした時間がたっぷりと流れていました。

◆今日1日に詰まったいた豊かさについて

こんなにモノが豊かにあるクリスマスのあり方を、どこかでしっかりと振り返る視点を持つことが大切だろうなと感じた1日でした。サンタクロースのプレゼントの起源は、聖ニコラウスの伝承です。貧しさから娘を売そうとしていた家族を知った聖ニコラウスが、真夜中に窓から金貨を投げ入れて助けた、というあの逸話です。投げ入れた暖炉のそばに靴下があって、その中に金貨が入っていたんでしたね。サンタクロースの精神は現代に何を問いかけているのでしょう。

優しさや助け合い、社会的公正という精神を培っていくことを確認する日にしたらどうでしょうか。クリスマスには社会的格差をなくす活動をする。寄付をするのもいいかもしれません。マスコミもその特集をする。社会的公正を実現するために日本が世界に向けて発信する日。そんな現代のクリスマスのあり方であってもいいかもしれません。

世界の貧しい国を歩いてきた坪井先生は、南アメリカのボリビアで、小さな少年の夢を聞いたことがあるそうです。それは戦士になって戦争に行くことでした。現在の話です。「日本の青年は17、18歳ぐらいになったら、一度、そういう世界を見てきた方がいいんじゃないか」と坪井先生は言います。

◆キラキラ光る星を見ながら

子どもたちは大きくなったら、他人の喜びを喜び、他人の悲しみを悲しめる人になってほしいと願います。それを保育目標に「思いやり」と表現しました。自分らしく、意欲的で、思いやりのある子ども。「ありのままに、やりたいことができ、他人に優しい人になろう」そう言い換えてもいいです。サンタクロースの精神とも一致しますから。

 

 

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