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園長の日記

イヤイヤが始まったら具体的にどうするか

2020/01/15

◆悪循環にならないように・・

図らずも、長いテーマになってしまった第一反抗期(いわゆるイヤイヤ期)ですが、いろいろな説明があったとしても、いざ、目の前で子どもに「イヤ〜」を連発されると、また泣きじゃくられたりすると、親として冷静ではいられないものです。下手に反応できない!どうしたらいいの?と困ってしまいます。まだ家の中ならともかく、外出先だと周りの目も気になるし。こんな悩みを抱えながら、結構長い期間を耐え忍ぶ、というもの辛いものがありますね。

私が知っているケースだと、そうしたイヤイヤ期のメカニズムを全く知らないでそれに直面すると、子どもが悪者になってしまったり、子育ての方針を巡って夫婦間に亀裂が走ったりしてしまうこともあります。あるいは、つい子どもに我慢できなくなって、手が出たり、頭ごなしに子どもを叱ってしまったり、ということもあって、その後でお母さんが自分を責めてしまうという悪循環に陥ることだってあります。

そうしたことにならないように、生まれてまだ2年も経っていない子どもが、果敢にも第一回目の「自分づくり」を始めようとして、周りからの働きかけを一旦全部「違う !」と遮断して、「自分で・・」と始めようとしているんだと思ってあげるのと、そうでないのとでは、大人の心持ちも随分と違ってくるのではないでしょうか。子どもの気持ちを受け止める、ということが、なるほど大切だなと思えると同時に、返ってそれが「難しい」と感じるという、矛盾した気持ちになるものです。あるいは返って理想と現実のギャップが大きく感じてしまうかもしれませんね。

◆いざ、イヤイヤ開始!では、どうしますか

さて、そうした心構えができたと仮定して、いざ始まった時はどうしたらいいのか考えてみましょう。初回のコーヒータイムのとき、こうした事例を話し合いたかったお母さんもいらっしゃいましたよね。これこそ、これには正解がなくて、子どもの個人差も大きいですし、これまで説明してきた「メカニズム」の理解の差によっても対応が異なってきますから。

ここで紹介するのは、40年以上に渡って乳児保育の現場で子どもの素晴らしさをいっぱい発見して世の中に発信してこられた超ベテラン保育士の井桁容子さんの話です。昨日紹介したNHKすくすく子育てによく出てます。遠藤さんとペアで出ていた回から、ご紹介します。

まずこの発言に勇気付けられます。

◆イヤイヤの状態を見ると「かっこいい!」と思う

井桁「人生の中であんなに周辺のことも考えずに「嫌」っていることって、そうそうないんですよ。なので、思いっきり言えている状態を見ると「かっこいい!」って思う。そう、今やっておこうよって、逆に応援したくなる感じですね。」

鈴木「この大事な時期に、親はどのように関わっていけばいいですかね」

井桁「(イヤイヤ期は、子どもが)他人と自分は、どんな関係にあるかってことを知っていく、ということですよね。ですから、何かあった時に、自分の気持ちをわかってくれようとする大人と出会えるのか、自分の気持ちを押し付けてくる人に出会うのかで、全体に対する信頼感が変わってくるんですね。『イヤ!』っていうと『何が?』って聞いてくれるのとかね、『あなたは、ほんとうは、どうしたかったの?』って、聞いてくれることが大事なんですよね」

鈴木「イヤという気持ちを受け止める、ということですが、大切なのはわかるんですが、こんなお悩みもあります。子どもの気持ちを受け止める、というけれど・・・イヤイヤの原因がわからないときはどうする?ということなんですが」

◆番組に出演していたお母さんの話

さて、ここからが今日の本題です。

・私はダメとはわかっていても、おやつをあげて機嫌をとっちゃいます。でも、おやつをあげちゃうと、もっともっと、ってなちゃって、どうしようかな、と。

・動画を見せるとピタって泣き止むので、つい動画を見せて頼ってしまいます。

・下手に声をかけたり、手出してしまったりして、もう悪化してしまうことも怖いので、もう公共の場とかでない限り、ひたすら“地蔵”になって、待ちます。

・いつもほとんど二人っきりで、過ごしているので、結構辛くなって泣きたくなったり。

◆お母さんは「フラフラ期」で行こう!

鈴木「井桁先生、このように、忙しい時に子どもと接するのは難しいんですが」

井桁「うまくいかない時に、ママもうまく答えがわかんない時は、一緒に泣こうと言って、私も、わ〜って泣いて、あ〜スッキリしたね、っていうこともあっていい。我慢して、正解だけを大人が整える必要はなくて、一緒に揺れてあげるということも大事なことなので、一緒に泣こうというのもアリです」

鈴木「イヤイヤ期だけど、大人はフラフラ期でオッケー、ていう感じで。少し緩くいくといいのかなあ」

井桁「お母さんだけがカチンと硬いと、お子さんはぶつかる感じがするけど、一緒に揺れてくれれば、『あ、おんなじだ』って思う中で、子どもが「そんなに泣かなくてもいいよ』って、涙拭いてくれますから。やってみてください、ホントに」

◆イヤイヤ保険・・

井桁「忙しい時は難しいです、誰でもね。でもね、保険的なことがあるんですね、イヤイヤの保険。何かなっていうと、ご機嫌な時、お父さんもお母さんも余裕がある時ってあるじゃないですか。そういう時に、楽しい時間を共有するってことが、関係ないように見えて、イヤイヤ期の大切な保険なんですね。面白ね、すごいね、なるほどね、っていう気持ちのいい共感をお母さんやお父さんとしておくと、この人たちわかってくれるというベースができるんですよ。本当にイヤイヤの時は、子どもも大人も余裕がないので、あの時の、こないだのあれ面白かったなあ、という思いがあると、お父さんお母さんは楽しいことを共有してくれるけど、時々忙しくてこうなるんだなあ、と。ということは、理解の幅で効いてくるんです。なので、実は楽しい時間を、子どもが楽しく遊んでいる時、大人は上の空が多いじゃないですか。逆で、楽しい時に一緒に面白いことをしたっていう感覚が子どもに必ず生きてきます。」

 

最後に、このサイトをご紹介します。

征矢里沙さんのページです。
・『生きる力』をはぐくむ教育研究家
・NPO法人いきはぐ代表

11の「乗り切り方」が紹介されています。

https://tg-uchi.jp/topics/5143

 

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