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園長の日記

1月は移行保育のはじまり

2020/01/18

◆楽しそうなにこにこ組探検

1歳児クラスのぐんぐん組。クラスの正式名称は「大きくのびるぐんぐん組」ですが、本当におおきく伸びたんだなあと、金曜日の「にこにこ訪問」が伝えてくれていますね。クライミングに登ったり、ままごとのおもちゃでクッキングをしたり、お店屋さんごっこも楽しそうです。

◆1月は移行保育の始まり

1月の保育計画でポイントにしているのは上の学年への移行保育です。4月に全員がひとつ上のクラスへ進級するわけですが、4月になってから突然新しいクラスで生活を始めると、慣れていないことからスムーズな生活になりにくいので、今月くらいから、次のように徐々に慣れていくようにしていきます。

まずは、遊びから始めます。子どもたちは4月からこれまでの間に成長しているので、ちょうどやりたくなるようなものが、進級するクラスにあることになります。例えばパズルのピースの数もちょっと多いものがあったり、レゴブロックの種類も多くなったり、自分の体を手と腕で支える力もついていたり、ままごと遊びのような模倣遊びも真似する対象が増えていたりします。

ちょうど発達にあった遊びができることは、子どもにとって「また行きたい」という動機付けになって、移行保育が楽しみなります。このように、まず起きている時間帯に新しいクラスの環境に慣れるようにします。

その次に「食事」を進級したクラスで食べてみます。テーブルや椅子が変わったらどうなるか、配膳の方法や喫食の姿勢などを確かめながら進めます。食器も変わるので、それに慣れることもこの時にできます。

そして「お昼寝」もそこでしてみます。寝るというのは安心していると寝つきが良くなるのですが、新しい場所でも安心して眠りにつけるようにしておきます。

◆遊んで、食べて、寝てみて・・という移行保育

このように遊んで、食べて、寝てという生活の三本柱を一つずつ丁寧に移行していくのですが、この慣れる方法は、入園した時の慣れ保育と同じ考え方です。覚えていらっしゃいますか。初日は親子で過ごしてもらい、二日目から一人で遊んでみて、大丈夫なら食事もして、さらに大丈夫ならお昼寝もして・・というように時間を伸ばしていきました。移行保育もこれと同じように、いっぺんに全部やるのではなく、生活の三要素をそれぞれやっていくことになります。そうすることで、子どもたちも負担なく意欲的に新しい環境に慣れていくとができます。

そして3月までにすっかり慣れたところで、新しい担任、新しい友達との出会いという4番目と5番目の要素が加わることになります。この話は、ぐんぐん組だけの話ではなく、どのクラスにも基本的には共通したものです。今月末のクラス別保護者会でまたお話ししますが、これからこうした移行保育が徐々に始まります。

◆旧石器時代の環境に最適化されている私たち

この移行保育を人類進化の必然という視点から眺めてみると、こんな話になります。私たち人間だけが持っている特徴は、社会性です。ホモ・ソシアリス(社会的なヒト)です。約200万年の間続いた旧石器時代に身につけた人間の特性が今の私たちの脳であり、身体ですが、その頃と基本的に変わっていません。その頃の環境に最適化されているのです。その時の子育ては、親が世話するよりも兄や姉、従兄弟たちでしたから、子どもはそうしたちょっと年上の「お兄ちゃんやお姉ちゃん」に世話をしてもらことが大好きなようにできているらしいのです。

◆子どもが進級を喜ぶわけは・・

それは赤ちゃんの時からそうで、知らない大人には人見知りをして泣くことがあっても、自分たちと同じか、それよりも少し大きいくらいの子ども(小学生くらいまででしょうか)には、人見知りで不安がることはしません。これは私の実感でもあります。子どもは子ども集団の中で生き延びるようにいわば「プログラムされている」というわけです。一つ上のクラスに進級することが、こんなにも嬉しそうなのは、発達があっているというだけではなく、もともと心許している、子供からしたらリスペクトしているお兄さん、お姉さんの部屋へ行くのですから魅力的なことなのです。異年齢児保育の大切な意味はここにもありますね。

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