MENU CLOSE
TEL

園長の日記

健康②心身の安定感が育つこと

2020/02/05

◆健康であることは継続的に安定的であること

私たちは「健康」というと、平凡な言葉なので、この言葉から新鮮なイメージの広がりを感じにくくなっているかもしれません。病気になって初めて、健康であることのありがたさを痛感するものですが、失って初めてきづく平凡さが、いかに生活の基盤になっているか、気づきにくい広い裾野と深さを持っているのが、健康というテーマです。日々の繰り返される生活の中に、しっかりと根付いて機能しているかどうか。それを示すキーワードの一つが、安定感です。

室内の生活も、戸外での活動も子どもたちの姿に安定感を感じるようになってきました。何と比べているかというと、入園してからのこれまでの生活の流れの中で、それが育ち、頼もしくなってきたなと感じるのです。

◆子どもたちの姿に垣間見る「安定感」

安定の反対は不安定ですが、それは心や体の復元力、回復力と関係します。不安定な状態、マイナスの状態になっても、そこから自力で元に戻る力の育ちです。これからの時代には、この力がますます必要になってくる気がします。硬くて動かない安定性ではなく、動的に揺れても倒れない安定性です。弾力性があって、凹んでもまた元に戻る力、大きな力がかかっても折れない柔軟性。そうした力をレジリエンスと言いますが、この要素が育つことが、安定性には欠かせない気がします。幼稚園教育要領も保育所保育指針も、10項目ある健康の「内容」の最初は「安定感をもって行動する」です。

◆子どものレジリエンスの育ち

心の動きを感情で表すなら、「いや〜!ダメ〜!」と嫌がったり、怒ったり、反発したり、拗ねたりしても、気を取り直して「いいよ〜」と、共感したり、なだめたり、優しくしたり、助けたりしています。ちっちもぐんぐんも、その姿をたくさん見ることができます。

にこにこの子どもたちも、あどけない表情の中に、しっかりとした意思を感じる眼差し、自分ならどうしようかなという自省的な顔つきが垣間見られるように育ってきています。満3歳を通過していく子どもたちの自立への歩みは、目を見張るものがあります。この子どもたちが、和泉公園まで歩いていけるようになっているということの中に、実に色々な成長が組み合わさっているのです。

わい・らんの幼児に目を向けると、朝の運動を安心して見ていられる時間が長くなり、ルールを守って遊んだ方が楽しい、ということを実感し始めていることと関係するかもしれません。お集まりで友だちの語りを聞くことができるようになったり、その話し合いの時の落ち着き具合や、背筋の伸びた後ろ姿が物語ります。遊び込んでいる姿に深みを感じさせるのも、またできたものを「見て、見て」と承認を求めてるタイミングや言い方にも、ある種の落ち着きが出てきました。喧嘩したり、いい合いになった後の仲直りまでの過程にも、自分の気持ちを収めていく力の育ちが見て取れます。

ちなみに地震の多い日本の古代の木造建築の技にも、この仕組みが取り入れられています。

◆子どもの育ちの振り返りにも・・

こんな心身の育ちは、ゆっくりとした変化なので、ある定点観測を並べてた時にはっきりとします。成長展では、この1年間の定点観測の姿を並べてみます。この準備そのものが、「組織としての自己評価」の一部に当たります。何を振り返るかというと、子どもの「育ち」を多面的に振り返っているのです。

top