◆雛人形を飾る
本日19日(水)は二十四節気の雨水。この日に飾ると良縁に恵まれると言われているので七段飾りの雛人形を飾りました。内裏は天皇がお住いの御所のことです。その内裏びな(男びなと女びな)は天皇と皇后、あるいは皇太子と皇太子妃ということになります。時代を考えれば京都御所が本来です。
七段飾りには、内裏びな、三人官女、五人囃子、随身、三人上戸(仕丁)の15人全員が揃うので、子どもたちには童謡の「うれしいひな祭り」で歌われる歌詞を実際に見ながら歌うことができます。
◆「うれしいひな祭り」の歌詞を思い出す
作詞はサトウハチローです。作曲は河村光陽。覚えていますか?ちょっと歌ってみましょう。
(1)灯をつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ ももの花
五人囃子の笛太鼓
今日はたのしいひな祭り
(2)お内裏様とお雛様
ふたり並んですまし顔
お嫁にいらした姉様に
よく似た官女の白い顔
(3)金の屏風にうつる灯を
かすかにゆする春の風
少し白酒めされたか
赤いお顔の右大臣
(4)着物をきかえて帯びしめて
今日は私も晴れ姿
春のやよいのこのよき日
何よりうれしいひな祭り
◆人形の表情に気づいた子どもたち
人形を飾るとき、何人もの子どもたちがずっとみていました。「おびな、女びな」という言葉を知っていたり、「♫灯をつけましょ、ぼんぼりに」と歌う子もいれば、「赤いお顔のお人形はどこ?」など、みんな興味津々です。私が人形に帽子をつけたり、三人官女にお銚子を持たせ、五人囃子に太鼓や笛をなどの楽器を持たせ、お内裏様を警備する左大臣、右大臣の随身に弓矢や刀を持たせ・・・などと小道具を持たせているとき、「このお人形、困っているよ」と教えてくれた子もいました。いいところに気づいたなあ・・・。
「そうそう、この沓を持っている人は、泣上戸なんだよ」「泣上戸って?」「上戸っていうのはね、すぐそうなってしまうってこと。だから泣いてばかりいる人ってこと。ほら、こっちは笑っているし、こっちは怒ってでしょ。どうしてだろうね。面白ね」。
三人上戸は宮中で雑用をする人で、親王様が出かけるときに使う、靴と帽子と傘を持っているんだよ。いつでも外に出かけられるようにね。そんなことを話しながら、人形を飾っていくと、とても面白い時間になりました。籠や牛車に乗った真似をしてあげると、まるで狼と子山羊のような展開になって、笑い転げたのでした。