園だより3月号 巻頭言より
◆自然の脅威に立ち向かうために
園庭がないことが大きな課題だった千代田せいが保育園が、最後の1ヶ月を迎えます。最後に控えていた課題が、海外からやってきたウイルスだなんて、誰が想像できたでしょう。園庭がないことは目に見えますが、ウイルスは目に見えません。しかも制圧するための手段はまだ開発中で、日本中、今のところ防戦一方。早くこのような状況が改善することを願わずにはいられません。
昨年の夏は気候変動で台風が巨大化、荒川の氾濫が大きなリスクであることを思い起こせば、マクロの世界からミクロの世界まで、自然の脅威は人類に新しい難題を次々と突きつけていることになります。保育園からすると、たくさんの家族が集まって成立する園生活を安定化させるだけでも、色々な配慮があるので、その上に新しい色々な問題が襲ってくると、その対応に振り回されてしまいます。
◆これからの時代はもっと厳しい
しかし、これからの時代はすでにそれが当たり前になっていくのかもしれません。新しい危機に対して正しく対処するためには、正確な状況認識が欠かせません。できるだけ早い段階から、近い将来に対して複数の事態を想定できるといいのですが、それがなかなか難しい。過去の経験から楽観的に捉えるか悲観的に捉えるか。リスクが大きい時はできるだけ「最悪の事態」を想定しなさいと言われるのですが、あまり行きすぎると「危機を煽りすぎる」「大げさだ」と批判されます。ここも難しいところです。
◆発想の転換が必要に
園庭がないなら、地域を園庭にしてしまおう。それと同じ発想の転換を迫るのが、現在進行形の課題です。でも、どのように発想を転換したらいいのでしょう。多数の人が集まれない、身近な接触が不可能というのなら、それこそICT(インターネット・コミュニケーション・テクノロジー)の力を借りましょう。すでにホームページで写真や情報をアップしているように、それをうまく使ったり、行事で見てもらう予定だった作品について、動画で解説をつけたりしてもいいかもしれません。
◆足元を固めながら
いずれにしても、緊急事態に立ち向かうには、強い意識と忍耐力と復元力(へこたれない力)が必要です。そして、その基本は健康です。うちの職員が今朝「新型コロナウイルスに打ち勝つ唯一の特効薬があるんですよ。なんだと思いますか?それは睡眠です!」と元気に言っていました。誰だかお分かりですよね。確かに大事です。自己免疫力を高めること。それには良質の睡眠も欠かせませんから。このように足元を固めるのも、大事な発想の転換かもしれません。今年度最後の1ヶ月。新しい敵に負けないように、保護者の皆さんと一緒に力を合わせて立ち向かいましょう。