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園長の日記

春なのに春遠し

2020/03/08

今週末には桜が咲くと予想されているのに、こんなに心の弾まない春を迎えることになるなんて、残念で仕方ありません。花見の本場、上野や千鳥ヶ淵、隅田川の屋形船での花見の自粛も残念かもしれませんが、姉妹園の卒園式では、在園児の参加が叶わず、謝恩会もひらけないことになってしまったからです。私の仕事の優先順位を表す4象限マトリックスで、右上つまり重要で長期の枠に「子どもたちの将来がどうなるのか」があって、その未来予想のテーマの中で「病原菌」がこんなに早く登場するとは思っていませんでした。

その未来予測を読んでいると、日本を飛び立つ丹頂鶴のニュース映像を見ても「これがもし温暖化の影響で北上しているネッタイシマカだったら」と連想してしまいます。ドイツの研究では「熱帯地方にいた蚊が、温暖化の影響で地中海地方や東北ヨーロッパにまで北上している」といいます。このネッタイシマカは、マラリアやデング熱、ジカ熱などを引き起こす病原体を媒介します。マラリアは日本にいるとピンとこないのですが、すでに2016年には世界で2億人がマラリアに感染し、推定45万人が死亡しているそうです。最近のことですが、それが他人ごとではないような気がしてなりません。人と動物が地球上を移動するとき、一緒に病原体も運ばれます。

地球温暖化はシベリアの永久凍土や南極大陸の氷を溶かし、そこに眠っていた未知の病原菌が蘇生してしまう可能性を、専門家が真剣に議論しています。こちらは人も動物も移動はしませんが、いないはずの場所から目覚めるという話です。すでにロシアで実際に起きているから、目覚めてしまった病原体は時間の問題でまた世界に拡散されてしまうのでしょうか。WHO(世界保健機関)によると、新型コロナは中国のコウモリが自然宿主であろうと見られていますが、現在日本では、非常事態宣言を出すかどうかの瀬戸際に追い込まれてしまいました。

明日から当面の2週間の後半が始まります。いつ落ち着くのか、全くわからなくなってきました。政府はこれが落ち着いたら、内閣官房に各省庁から職員を集めて司令塔役をやっている今の「事態室」任せではなく、省庁の権限の上か、独立した感染症対策専門の機関を作ることを検討するそうですが、早く準備しないと、いろんな緊急事態がやってくるような時代にすでになっている気がしますが。

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