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園長の日記

進級を迎える準備は着々と

2020/03/17

地球の自転軸が23.4度傾いていることから、太陽の周りを地球が一周する間に、四季が巡ってきます。その公転速度は秒速30キロメートルもあるのですが、一定速度なので、私たちは止まっているように感じます。動いているとは思えません。

それと同じように、子どもの育ちは、止まっているように見えて、大きな流れで見ると、どの子どももその時期固有の特徴を見せながら、共有の発達の経路を辿っていきます。保護者アンケートは、一年の間に大きな成長があったことを思い返していただく機会になってくださっているようで、嬉しいです。

一年という大まかな期間の間に見せてくれる特徴は、どの子どもにも見られる発達の歩みですが、四季に例えるなら、どの子どもにも春が来れば夏が来て、その後に秋から冬に移っていく流れは変わりません。

あるいは、山から海に流れる川に例えるなら、山の地面から滲み出てくる湧き水が集まって支流を作り、急峻な山岳地帯の岩に弾ける水飛沫が音を立てながら、さらにそれが集まって小川やせせらぎになり、緩やかな地形に沿ったうねりや風景を形作りながら、大河になっていき、そのうち扇状帯や平野を潤しつつ、世界に開かれた海に流れ出していきます。これは、どの子どもたちにも見られる発達の筋道に似ています。

ところが、それをもっとつぶさに眺める時、同じ四季でも地域によって全く異なる風景を見せてくれます。同じ日本の春でも、九州と北海道では桜の種類も咲き方も異なります。また日本にあるような桜のない他のアジアの国々は、それぞれの春を代表する花の開花を、愛でながら今を迎えています。南半球は今から秋を迎え寒くなっていきます。

それと同じように、川の流れも、同じものは二つとありません。一つひとつの谷戸や支流は個性的で、その恵みを受け取る人々の集落の景色も違います。河川に恵まれた日本は、風光明媚な四季に河川は欠かせない個性を生み出します。

その違いの豊かさに目を向けるなら、それはちょうど子ども一人ひとりの個性に該当します。その豊かさを「成長展」で楽しんでください。3月下旬にクラスごとに見ていただくことにします。本日17日、その案内をさせてもらいました。

地球が太陽の周りを秒速30キロメートルもの超高速で疾走していることに気づいて面白いと感じる好奇心が「科学」のセンスです。それと同じように、4月の進級に向けて、一つ上の学年の生活の場で過ごしている子どもたちの姿から、その成長の変化に驚くセンスが子育ての好奇心を深めるでしょう。

このところ、新しい環境での遊びが楽しそうです。特に2階から3階へ移動する「にこにこ組」の子どもたちの姿に、大きな成長を感じる日々が続いています。

 

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