このポスト・コロナの世界をどう描くか。それは元には戻らない。常にウイルスがいるという状態を受けいた生活のスタイル。だからウィズ・コロナ。それを思い描くことが大事なタイミングになってきたと感じます。こんなことを言うと、いま辛い立場にいる人たちから叱られそうですが、何かというと、いま言われている経済的、社会的「出口」の話です。引きこもる生活から、どうしたら外に出ていくか。そのヒントになるかも!と思ったのが、このニュースでした。
以下、京都新聞から紹介します。
「こどもの日」の5日夜、新型コロナウイルスの早期終息を願い、医療従事者への感謝を表す21発の打ち上げ花火が、滋賀県近江八幡市の夜空を彩った。地域の住民らが家のベランダから観賞し、「きれいだね」などと歓声を上げた。
京都市の花火会社に勤め、毎年恒例の「びわ湖大花火大会」などをプロデュースする花火師前田智則さん(40)=野洲市=が、コロナ対策で自粛生活を続ける人々をひとときでも笑顔にしたいと企画。学生時代にアルバイトをした近江八幡市の花火会社「田中江煙火製造所」に打ち上げを依頼した。
「3密」を避けるため、事前に地域住民や友人に告知し、それぞれの家から楽しんでもらう形にした。
午後7時半、近江八幡市田中江町の田んぼで、約2分間で21発を打ち上げた。夜空に開いたのは、ボタンや菊の花、子どもたちに笑顔になってほしいと願いを込めたスマイルマークの花火。医療従事者への感謝を表す「ブルーライトアップ」をテーマにした青色の花火で締めくくった。
前田さんによると、今夏はコロナの影響で、各地での打ち上げ機会が減る見通し。自身の会社も2月下旬から、花火大会や結婚式での打ち上げのキャンセルが相次いだ。
前田さんは「子どもの歓声が聞こえてうれしかった。打ち上げ花火がもっと身近なものになってほしい」と笑顔で語った。
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私は、このニュースを見て、「これかも!」と直感しました。
これがウィズ・コロナ時代の花火大会です。打ち上げ花火は巨大で、遠くからでも楽しめるという、この単純な事実が大きな武器になるんじゃないかと。隅田川花火大会は中止になりましたが、もう一度考え直してもらえないのか、と本気で思っています。昨年、実際に隅田川花火大会を見に行ったのですが「見えません」でした。長い行列に参加しに行っただけでした。本当の花火を楽しむには、少し離れないといけないし、集まらないで遠くから楽しむ花火大会に変わっていく必要があるんじゃないかと、思っていたのですが、まさにソーシャル・ディスタンス時代の花火大会の方が、本来の花火の風情に近いのではないか。
これと似たことは、行事やイベントの発想の転換です。大きな場所に大人数が集まるのは、その目的よりも、そこに集うこと自体の方が大きな目的になっているのではないでしょうか。オリンピックも4年に一度集まってやるのではなくて、いつも一年中、シーズンごとに多様なスポーツの世界大会が開かれているという状態の方が、健全なのではないでしょうか。人が集まって「盛り上がる」のではなくて、集まらないのに幸せな心地よい静かな盛り上がり方というものがあるはず。そういう行事に変わっていきたい。
保育園の行事もそう。親子遠足ができない5月ですが、ある目的を成し遂げるための手段が「親子遠足」なのだとしたら、その目的をもっと明確にすることで、それならこんな方法がある!という発見につなげたい。オンライン保育園で実施する「親子遠足」のかたち。集まらない、蜜でなない、ソーシャル・ディスタンスは保つ。それなら、こんなのはどうか?
親子で外出さえ許されるなら、きっとできる。自宅をスタートにして、通過ポイントは遠巻きに通過していく。決してタッチや会話はしない。握手もハグもなし。雑談、歓談はNG。でも笑顔は大歓迎。家族同士のハートは微笑ましく、つながっていく。アイコンタクトで、絵カードで、サインでコニュニケーションをとる。ゴールもバラバラで複数ある着地点を用意しておく。でも遠くから見たら、みんなの様子がわかるような、みんなで「楽しかった」と思える仕掛けが、ないか。