人は練習を重ねると何につけ上手になります。いわゆるスキルが向上します。それと同じことは子どもの遊びにもあります。どのクラスの子どもたちもそれが向上しているので、全体的にやることが高度になってきました。それに合わせて、過ごす空間も、扱う物も、そして人的環境も少しずつ変わってきました。
例えばちっち。歩ける子どもたちが多いので匍匐室にも立って遊べるマグネット遊具が壁にできました。これで手先の巧緻性や造形力も育まれます。ぐんぐんは見立てる世界が広がって「ごっこ遊び」の種類が増えてきました。にこにこは「お話の世界」が一気に増えて、動物など何かになったつもりの遊びに興じています。わいわいはぞれぞれの興味の対象が多様化しています。ゾーンの選び方にも個性が現れています。らんらんは、ぞれぞれの探求が深まっており、そのこだわりぶりには目を見張るものがあります。すいすいは心も体も常に「その先」を目指しています。これまで保育園になかった環境が必要になってきました。
そういう視点で今週を振り返ると、運動ゾーンのネットは過去にないほど高く張っています。
今日はネットの高さを3つのグループで変えました。夏のプールが水の深さで「イルカグループ」や「カニグループ」に分かれたように、ネットの高さで蜘蛛の巣のように天井に並行に貼った「クモグループ」と、低いところから高いところまで、大木に開いた丸い穴のように貼った「小リスグループ」に分かれました。つまり、運動遊びの習熟度別選択が明瞭になってきたのです。
スキルの向上はダンスにも現れました。今日は青木尚哉さんのダンサーグループの「いずみさん」と「ももこさん」が来てくださり、体を動かして遊びましたが、その楽しそうな様子の中に、これまでにない意欲と自由な発想を感じました。
自由に体を動かしていいと言われて、自由に動かせるものではないのですが、それを思い思いのアイデアでやっている姿を見ていると、「創造力」が生まれている具体的な場面を見ているかのようでした。
確実に成長している子どもたち。それに応えるために環境の再構成は続きます。